LaTeX: pLaTeX/upLateX における日本語フォント設定
pLaTeX/upLaTeX+dvipdfmx のワークフローで PDF 文書を作る場合に、標準の 和文フォント(明朝・ゴシック)に対して実際に使われる OpenTypeフォントを ユーザが指定する機能を提供する。使用するフォントを LaTeX 文書中で指定 するので、一度パッケージをインストールするだけで、任意の日本語フォント (ただし等幅に限る)を使うことができる。
japanese-otf パッケージにも対応している。
また、upLaTeX において広く行われているフォント設定(IPA フォントの仕様 等)をパッケージオプション一つで行う機能(プリセット指定)も備えている。
- フォーマット: LaTeX
- エンジン:
- pTeX: 3.0 版以降
- upTeX: 0.10 版以降 ※一部の機能は e-TeX 拡張を必要とする。
- DVIウェア: dvipdfmx
- 依存パッケージ:
- atbegshi パッケージ:
everypage
オプション使用時 - pxufont パッケージ:
unicode
オプション使用時
- atbegshi パッケージ:
つまり、常に noalphabet
オプション付きで用いる場合。この場合は以下の
設定だけで済む。
-
TDS 1.1 に従ったシステムでは、次のファイルを移動する。
*.sty
→ $TEXMF/tex/platex/pxchfon/
-
もっと簡単に、TeX システムのディレクトリには手を加えずに、単に 文書ファイルと同じディレクトリに pxchfon.sty を置くだけでも使える。
つまり、noalphabet
なしでも用いたい場合。この場合は上に加えて以下の
設定を行う。
- TDS 1.1 に従ったシステムでは、各ファイルを次の場所に移動する。
tfm/*.tfm
→ $TEXMF/fonts/tfm/public/pxchfon/vf/*.vf
→ $TEXMF/fonts/vf/public/pxchfon/PXcjk0.sfd
→ $TEXMF/fonts/sfd/pxchfon/*.def
→ $TEXMF/tex/platex/pxchfon/
MITライセンスの下で配布される。
- Version 2.2 ‹2024/08/22›
usefontmaplines
環境を追加。
- Version 2.1a ‹2024/08/12›
- 警告メッセージの改良。
- Version 2.1 ‹2023/08/11›
\pxchfonsetup
命令を追加。maybe-multiweight
指定時は japanese-otf 用のマップ行を必ず 出力する。- 開発者用フラグ
\pxchfonNoCheckMultiweight
を追加。
※試験的機能の\pxchfonMaybeMultiweight
は非推奨。 - オプション
nocheck-expert
を追加。 - オプション
resetdvidriver
を追加。 - プリセット非指定時の
(no)alphabet
の省略に対して警告を出す。 - エラー・警告メッセージの改良。
- Version 2.0 ‹2023/08/28›
- keyval パッケージを使用する。
- Unicode 直接指定のオプションを key-value 形式の
unicode
キーに 統一する。(旧形式も当面は使用可能。) - オプション
(no)fullwidth
を追加。 ※試験的機能のオプションunicode(*)-fwid
は廃止。 - オプション
legacycode
を追加。 ※試験的機能の旧型式オプションは廃止。 - オプション
legacycode-replace
を追加。 - プリセット非指定時の
(no)alphabet
の省略を非推奨とする。 - 多ウェイト用のユーザ命令が用いられたのに japanese-otf の
deluxe
が有効でない場合は警告を出す。 - オプション
maybe-multiweight
を追加。 \asUTF
命令を廃止。unicode*
オプションを廃止。- pxjafont パッケージを廃止。
- Version 1.9b ‹2023/08/18›
- (試験的) jfmsync 機能。
- Version 1.9a ‹2023/02/22›
- バグ修正。
- Version 1.9 ‹2021/05/30›
- 中国語・韓国語の多ウェイト設定に対応。
- マップファイル読込用の
use
オプションを新設。
- Version 1.8 ‹2021/02/22›
- (試験的)
sourcehan!
等のプリセットを追加。
- (試験的)
- Version 1.7e ‹2020/10/04›
- バグ修正。
- Version 1.7d ‹2020/09/26›
- LaTeX カーネル 2020/10/01 版への対応。
- Version 1.7c ‹2020/04/25›
- 新 NFSS のための微修正。
- Version 1.7b ‹2020/02/01›
- '\textdiruni' を頑強にする。
- Version 1.7a ‹2019/11/22›
- バグ修正。
- Version 1.7 ‹2019/11/19›
- ユーザレベルの追加プリセットに対応。
- Version 1.6a ‹2019/11/18›
\(text)diruni
を PDF 文字列で通るようにする。- (試験的) PXchfon-extras の追加プリセットに対応。
- Version 1.6 ‹2019/10/07›
- プリセット
haranoaji
を追加。
- プリセット
- Version 1.5a ‹2019/07/10›
- バグ修正。
- Version 1.5 ‹2019/05/15›
- TL2017 用の暫定設定である
unicode*
オプションを非推奨とする。 \asUTF
命令を非推奨とする。- 欧文置換用の VF を刷新した。TS1 エンコーディングをサポート。
- Unicode 直接モードでは非埋込のフォントに対して警告を出す。
- TL2017 用の暫定設定である
- Version 1.4a ‹2019/03/24›
- 非置換のフォントに対して不具合が起こりうる設定を使う場合、 非置換のフォントがあると警告を出す。
- Version 1.4 ‹2019/03/24›
- プリセット
sourcehan-jp
、noto-jp
を追加。
(Source Han・Noto CJK の地域別サブセット版を使用) - 欧文フォント置換が T1 エンコーディングに(暫定的に)対応。
- 欧文フォント置換の不具合の修正。
- プリセット
- Version 1.3a ‹2019/03/20›
- 1.3 版の追加機能の大幅な改修。Unicode 直接モードの
expert
が pTeX でも使用可能になった。
- 1.3 版の追加機能の大幅な改修。Unicode 直接モードの
- Version 1.3 ‹2019/02/03›
- Unicode 直接モードにおいて japanese-otf の
expert
指定の主要な 機能(横組・縦組用仮名字形、ルビ用字形)に対応した。 - GID 指定入力(
glyphid
オプションおよび\gid
命令)。
- Unicode 直接モードにおいて japanese-otf の
- Version 1.2b ‹2019/01/21›
- 「じゅん101」のファイル名の誤りを修正。
- Version 1.2a ‹2018/03/17›
- プリセット
ume
を追加。 - プリセット
hiragino
をhiragino-pro
の別名にする。 - バグ修正。
- プリセット
- Version 1.2 ‹2018/03/15›
sourcehan(-otc)
/noto(-otc)
について、暫定的に+
付と同じ動作 にしていたが、unicode
を既定にする動作に改める。
- Version 1.1b ‹2017/10/04›
- バグ修正。
- Version 1.1a ‹2017/09/09›
- オプション
unicode(*)-fwid
を追加。 - (試験的)“legacycode”関連オプションを追加。
- オプション
- Version 1.1 ‹2017/07/05›
- マップ行生成のロジックを大幅に改修した。
- オプション
(no)strictcsi
を追加。 - (暫定的) プリセット
sourcehan(-otc)+
、noto(-otc)+
を追加。
- Version 1.0c ‹2017/07/04›
- バグ修正。
- Version 1.0b ‹2017/06/29›
- バグ修正。
- Version 1.0a ‹2017/06/19›
- ドライバオプションを新設した。
- '(no)dumpmap'、'(no)dumpmaptl' オプションを新設した。
- オプション 'prefer2004jis' の別名として 'jis2004' を追加した。
- (暫定的) プリセット
yu-win10+
を追加。 - バグ修正。
- Version 1.0 ‹2017/05/31›
- 非推奨のプリセットに対してエラーを出す。
- pxjafont パッケージを非推奨とする。
directunicode*
については OTF パッケージの読込を不要とした。- オプション
unicode(*)
を追加。
※新しい dvipdfmx の「OpenType 属性指定」機能を利用したもの。 - プリセット
sourcehan(-otc)
、noto(-otc)
を追加。
- Version 0.9 ‹2017/04/08›
- オプション
directunicode*
を追加。 - 非推奨のプリセットに対して警告を出す。
- オプション
- Version 0.8 ‹2017/01/13›
- これまで暫定的に、
prefer2004jis
の効力を upTeX の OTF パッケージ のフォントにも及ぼしていたが、OTF パッケージのjis2004
オプション が upTeX にも対応したため、この措置を取りやめ、本来の仕様通り、prefer2004jis
は標準和文フォントだけを対象とした。 - プリセット
moga-mobo
/moga-maruberi
の定義の誤りを修正。 - プリセット
moga-mobo-ex
を追加。 - 単純マップファイルプリセット機能(
*NAME
)を追加。
- これまで暫定的に、
- Version 0.7h ‹2015/10/14›
- バグ修正(\usefontmapline/file など)。
- Version 0.7g ‹2015/09/30›
- プリセット
hiragino-elcapitan-*
、yu-win10
を追加。
- プリセット
- Version 0.7f ‹2015/08/04›
\diruni
/\textdiruni
を追加。
- Version 0.7e ‹2015/05/07›
- マップファイルプリセット機能を追加。
\usefontmapfile
/\usefontmapline
を追加。- この版までの「試験的」機能を正式な機能とする。
- Version 0.7d ‹2013/06/16›
- 非埋込の明示指定をサポート。
- Version 0.7c ‹2013/06/16›
- OTF パッケージおよび upTeX 標準の中国語・韓国語フォントをサポート した。
- Version 0.7b ‹2013/06/05›
- upTeX + OTF パッケージの時の
\UTF
/\CID
入力に対するフォント を置換の対象に含めた。
- upTeX + OTF パッケージの時の
- Version 0.7a ‹2013/05/18›
- バグ修正。
- Version 0.7 ‹2013/05/08›
(no)directunicode
を縦書きに対応。relfont
オプションを追加。
- Version 0.6c ‹2013/04/20›
(no)directunicode
オプションを追加。
- Version 0.6b ‹2013/04/20›
(no)oneweight
オプションを追加。- 非 CID フォントに関する
prefer2004jis
の実現方法を変更。 2000JIS と 2004JIS の TFM で別の実フォントがマップされる。 - 3 つのパッケージレベル命令
\JaFontReplacementFor
,\JaFontReplacementHook
,\JaFontUserDefinedMap
を追加。
- Version 0.6a ‹2013/04/07›
- プリセットの設定を全面的に見直し。
- OTF パッケージの
jis2004
オプション設定時に使用されるフォント 群に対応させた。 - OTF パッケージで極太ゴシックの CID 版と Unicode 版のフォント に対応させた。
- Version 0.6 ‹2013/03/17›
prefer2004jis
を pTeX 標準フォントにも有効にした。
- Version 0.5 ‹2010/05/12›
- PXfontspec パッケージのフォントへの対応を追加。
- PXjafont パッケージの機能を組み入れた。
[no]prefer2004jis
オプションを追加。- 欧文のマップ指定について v0.4 で混入したバグを修正。
[no]everypage
オプションを追加。
- Version 0.4a ‹2010/04/12›
- 縦書きの文書クラスで必ずエラーになるというバグを修正。
- Version 0.4 ‹2009/12/20›
- なぜか
\setmarugothicfont
の説明が抜けてたので補った。 \[no]usecmapforalphabet
を実験的に追加。
- なぜか
- Version 0.3a ‹2009/11/23›
- README 中に掲げた ttfonts.map の記述の間違いを訂正。
- Version 0.3 ‹2009/07/13›
- OTF パッケージの多ウェイト機能(deluxe オプション)に対応。
- UTF パッケージへの対応が全く機能していなかったのを修正。
- 明朝だけ指定した場合の欧文の取り扱いの問題を解決。
- Version 0.2a ‹2009/05/31›
noalphabet
指定時には PXcjk0.sfd を読む必要はなかったので、説明を訂正 した。
- Version 0.2 ‹2009/03/29›
- 最初の公開版。
Takayuki YATO (aka. "ZR")
https://github.com/zr-tex8r