[(e)(u)pTeX] INI モードで \char すると Segmentation fault: 11

[aminophen]

$ ptex -ini '\noindent\char65\end'

これで Segmentation fault: 11 が起こりました。

[aminophen]

$ ptex -ini '\noindent a\end'

も同様に Segmentation fault: 11 でしたが，スペースを入れた

$ ptex -ini '\noindent a \end'

だと大丈夫でした。

[h-kitagawa]

line_break の前処理 <Get ready to start line breaking> に

• link(temp_head):=link(head) した後に
• tail が disp_node だったときに tail を削除する

という処理がありますが，これでは link(head)==tail のときにおかしくなります．今回は引っかかっているようです．

https://github.com/texjporg/tex-jp-build/tree/kitagawa_tjb123 でうまく治っていると良いなあ．

[aminophen]

なるほど。「INI mode 故にフォントが文字を含まないため char_node が生成せず，しかし欧文文字を想定して disp_node だけ先に挿入されてしまったケース」がここに当たってしまうのですね。理解しました。

[追記 22:21] ベースライン補正量が非ゼロの時は，和文文字でも「char_node 非生成だが disp_node だけ先に挿入」が起こる → Segmentation fault になる。

• 欧文文字：char_node が生成してもしなくても，baselineshift の値によらず，disp_node を先に挿入
• 和文文字：char_node が生成しない場合，baselineshift がゼロなら disp_node を挿入しない

[aminophen]

kitagawa_tjb123

Segmentation fault が治っていることを確認できました。TeX, pdfTeX, XeTeX では No pages of output. となるのに対して (e-)(u)pTeX では Output written on texput.dvi (1 page, 128 bytes). になるという違いはありますが，問題なく終了したので大丈夫そうです。一応

\tracingoutput1
\showboxdepth10000
\showboxbreadth10000

を仕込んで何が出たのか確認すると

Completed box being shipped out [0]
\vbox(0.0+0.0)x0.0, yoko direction
.\glue(\topskip) 0.0
.\hbox(0.0+0.0)x0.0
..\glue(\rightskip) 0.0
.\hbox(0.0+0.0)x0.0
.\glue 0.0 plus 1.0fill

でした。

[aminophen]

TeX, pdfTeX, XeTeX では No pages of output. となるのに対して (e-)(u)pTeX では Output written on texput.dvi (1 page, 128 bytes). になるという違い

5fe1e0a で line_break に渡る前の end_graf で弾くようにすると解消しました。

[h-kitagawa]

5fe1e0a で line_break に渡る前の end_graf で弾くようにすると解消しました。

ありがとうございます．<Go into display math mode> のところでも line_break 呼び出しがあったので，10dd7ec で同様の処理を加えました．

[aminophen]

<Go into display math mode> のところでも line_break 呼び出しがあった

確認漏れていましたし，ノード削除も入れておくのが安全でした。ありがとうございます。これで問題なさそうですので，夜にでも merge & commit します。ついでに

• master に入っている b443b80 (ptexenc/unicode-jp.c)
• Fix for texjporg/tex-jp-build#113 and texjporg/ptex-manual#4 #120 = 禁則テーブルの検索，\let した和文文字の kcatcode を再計算しない（昔の pTeX に戻す）

もコミットするつもりです。\ucs, \toucs (#121) は不正な値をもう少し調査してからにします。

[aminophen]

• 本 issue の修正 → r59697
• ptexenc/unicode-jp.c の修正 → r59698
• \let した和文文字の kcatcode を再計算しない（昔の pTeX に戻す） → r59699
• 禁則テーブルの検索の修正 → r59700