vcpkgはC++ライブラリを管理するためのパッケージマネージャで、Microsoftがオープンソースで提供しています。Windows、Linux、macOSに対応しています。
本書ではWindows MSVC環境をご使用の場合のみvcpkgが必要になります。具体的には11章でlibpqというPostgreSQLのクライアントライブラリをインストールするためにvcpkgを使います。ここではWindows MSVC環境にvcpkgをインストールする手順を説明します。
WindowsでvcpkgをインストールするにはMSVCのC++コンパイラが必要です。 本書の2-1-7項を参照して、Visual C++ Build Tools、または、Visual Studio Communityを事前にインストールしてください。
GitHubからvcpkgのソースコードを取得します。 ウェブブラウザで以下のURLを開いてください。 vcpkgリポジトリの最新の内容がzipファイルとしてダウンロードされます。
このzipファイルをインストールしたい場所(例:C:\src\vcpkg
)へ展開します。
PowerShellかコマンドプロンプトでvcpkgを展開したディレクトリへ移動します。
以下のようにbootstrap-vcpkg.bat
を実行し、vcpkgをビルドします。
# vcpkgを展開したディレクトリへ移動する
PS> cd c:\src\vcpkg
# vcpkgをビルドする
PS> .\bootstrap-vcpkg.bat
...
Building vcpkg.exe... done.
# ビルドできたのでバージョンを表示する
PS> .\vcpkg version
Vcpkg package management program version 2018.11.23-nohash
See LICENSE.txt for license information.
環境変数VCPKG_ROOT
にvcpkgのインストールディレクトリを設定してください。
PowerShellで一時的に設定するなら以下のようにします。
PS> $Env:VCPKG_ROOT += "c:\src\vcpkg"
この設定を忘れると11章のdiesel_cli
やlog_collector
のビルドに失敗しますので注意してください。
これでvcpkgのインストールは完了です。
本書11章のプログラムを実行するだけでしたら、vcpkg自体については特に知らなくても問題ありません。11章に書かれているとおりコマンドを実行すれば大丈夫です。
もしvcpkgについて詳しく知りたくなったら、以下の日本語ドキュメントが役に立つでしょう。