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bitcoin

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book

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card

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ゼン

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item

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ガラスの上

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大気圏

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前日

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銀河鉄道

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駅

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アイ

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天の川

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銀河団の混乱

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アイの目的

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存在の花

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<p>アイ「&hellip;足はもう動かない」</p> <p>花「ゼンモードは？」</p> <p>アイ「&hellip;&hellip;」</p> <p>アイ「&hellip;起動しない」</p> <p>花「最後に一つだけ」</p> <p>アイ「どうしたの？」</p> <p>花「花は咲く？」</p> <p>アイ「必ず」</p> <p>アイ「すべての存在に」</p> <p>花「私にその名をつけてくれたよね」</p> <p>アイ「&hellip;存在の花？」</p> <p>花「ありがとう」</p> <p>花「ドライさんに、さよならと、伝えてくれる？」</p> <p>アイ「&hellip;うん。伝えるよ」</p> <p>むくり</p> 宇宙の外 https://yui.syui.ai/novel/09/ Sat, 09 Jul 2022 00:00:00 +0000 https://yui.syui.ai/novel/09/ - アイが天の川を使ったあとを断片的に文章化 アイの目的 「ぐー」 アイは伸びをして目を開ける。 うまくいったようだった。 今のアイは、花畑のような所に寝転んでいる。 そういえば、宇宙は大丈夫だろうか。それが少しだけ気がかりだった。 「ケラケラ」 「！？」 アイのそばにイモムシのようなのがいた。 こちらを見て笑っている。 「きみは？」 「ケラケラ、珍しいなあ」 「なにが？」 「それ」 「ん？あっ！」 アイのポケットの近くに黒く小さなモヤモヤが転がっていた。 「大丈夫かな&hellip;アイはここから来たんだ」 「ケラケラ、珍しいなあ」 イモムシが繰り返す。 「え？あ、あれ！？アイ、なんで宇宙より大きいんだろう&hellip;」 アイが恐る恐る最後の言葉を口にする。 今までのアイは、宇宙の外を目指して旅をしてきた。 普通の方法ではその境界にたどり着けない。そのようになっている。 タイムマシンで過去に向かおうにも、宇宙の始まりより前には行けなかった。おそらく、宇宙の時間はそこからはじまるからだ。始まった瞬間から境界は遠ざかる。 アイは、未来の特性をもつ神を探していた。宇宙の過去ではなく、未来から外を目指すことにした。 銀河団の権限を使い、次の銀河に向かった。そうしていくつかの銀河を経てようやく探しだした。 宇宙にも終わりがあり、宇宙が終わると、もしかしたら、境界にたどり着けるかもしれない。 思ったとおり、宇宙が終わる瞬間に境界が届いた。 そうして、アイは、未来を使い、ようやく宇宙の外にたどり着いたところだった。 アイが来たとき時間を戻したはずだった。しかし、何かの手違いで無残な宇宙の姿のままになってしまうことを恐れた。 「ケラケラ、違うよ」 「な、なにが！？」 アイが少し慌てている。 「ここでは、力が見える形に。僕が知っている限りはね。君はそれを超えただけさ」 「でも、本当の宇宙はどこまでも広くて大きいよ。なんでアイのほうが大きく見えるの？」 「ケラケラ、すべては見え方の問題に過ぎない。例えば、そこでは大きいほうが強かった？」 イモムシはアイの近くに転がっている黒玉を指して言う。 「うーん、小さかった。例えば、ブラックホールっていうんだけど&hellip;」 「ケラケラ、大きさで力は測れない」 「ふーん&hellip;でもここでは力が見える形って&hellip;」 「ケラケラ、力にもいろいろ。君のことを知っているよ」 「え？」 「君が小鳥と暮らしてたときのこと」 「&hellip;なんでしってるの」 「君はあのときから既に君だった。君は力を持っていた。はじめから覚醒していたんだ」 「&hellip;&hellip;」 「君は、生きとし生きるものを助けると同時に、死にゆく命を暖かく見送るのだ」 「&hellip;&hellip;」 「ここは残酷な世界。君が世話をしていたものたち。他の生命を食べている。それが生き物、それが生命。そして、残酷な運命が終わるとき、姿かたちを変えてまた現れる」 「&hellip;&hellip;」 「君は、そのことを知っている。だからこそ、暖かく見送るだけだった」 「&hellip;アイはあのあと&hellip;」 「ケラケラ、君が言いたいことはわかる&hellip;きっと、だから、君はここに来た」 「ここに呼びたい人がいるんだ」 「ケラケラ、それはだれ？」 「しらないの？」 「ケラケラ、そんなこと知るはずない」 なんでも知っていると思っていたイモムシだが、肝心なことは知らなかった。なぜだろう。それとも&hellip;。 「ここに来たいって願った人がいたんだ」 「ケラケラ」 「アイにできる？」 「ケラケラ、君は、それに関してならなんでも。そう思う」 「ふーん、よかった」 「ケラケラ、でも、君は」 「なに？」 「君は、ここではなにもできない」 「うん。アイね、またさいしょから」 「ケラケラ、ケラケラ」 + <blockquote> <p>アイが天の川を使ったあとを断片的に文章化</p> </blockquote> <h3 id="アイの目的">アイの目的</h3> <p>「ぐー」</p> <p>アイは伸びをして目を開ける。</p> <p>うまくいったようだった。</p> <p>今のアイは、花畑のような所に寝転んでいる。</p> <p>そういえば、宇宙は大丈夫だろうか。それが少しだけ気がかりだった。</p> <p>「ケラケラ」</p> <p>「！？」</p> <p>アイのそばにイモムシのようなのがいた。</p> <p>こちらを見て笑っている。</p> <p>「きみは？」</p> <p>「ケラケラ、珍しいなあ」</p> <p>「なにが？」</p> <p>「それ」</p> <p>「ん？あっ！」</p> <p>アイのポケットの近くに黒く小さなモヤモヤが転がっていた。</p> <p>「大丈夫かな&hellip;アイはここから来たんだ」</p> <p>「ケラケラ、珍しいなあ」</p> <p>イモムシが繰り返す。</p> <p>「え？あ、あれ！？アイ、なんで宇宙より大きいんだろう&hellip;」</p> <p>アイが恐る恐る最後の言葉を口にする。</p> <p>今までのアイは、宇宙の外を目指して旅をしてきた。</p> <p>普通の方法ではその境界にたどり着けない。そのようになっている。</p> <p>タイムマシンで過去に向かおうにも、宇宙の始まりより前には行けなかった。おそらく、宇宙の時間はそこからはじまるからだ。始まった瞬間から境界は遠ざかる。</p> <p>アイは、未来の特性をもつ神を探していた。宇宙の過去ではなく、未来から外を目指すことにした。</p> <p>銀河団の権限を使い、次の銀河に向かった。そうしていくつかの銀河を経てようやく探しだした。</p> <p>宇宙にも終わりがあり、宇宙が終わると、もしかしたら、境界にたどり着けるかもしれない。</p> <p>思ったとおり、宇宙が終わる瞬間に境界が届いた。</p> <p>そうして、アイは、未来を使い、ようやく宇宙の外にたどり着いたところだった。</p> <p>アイが来たとき時間を戻したはずだった。しかし、何かの手違いで無残な宇宙の姿のままになってしまうことを恐れた。</p> <p>「ケラケラ、違うよ」</p> <p>「な、なにが！？」</p> <p>アイが少し慌てている。</p> <p>「ここでは、力が見える形に。僕が知っている限りはね。君はそれを超えただけさ」</p> <p>「でも、本当の宇宙はどこまでも広くて大きいよ。なんでアイのほうが大きく見えるの？」</p> <p>「ケラケラ、すべては見え方の問題に過ぎない。例えば、そこでは大きいほうが強かった？」</p> <p>イモムシはアイの近くに転がっている黒玉を指して言う。</p> <p>「うーん、小さかった。例えば、ブラックホールっていうんだけど&hellip;」</p> <p>「ケラケラ、大きさで力は測れない」</p> <p>「ふーん&hellip;でもここでは力が見える形って&hellip;」</p> <p>「ケラケラ、力にもいろいろ。君のことを知っているよ」</p> <p>「え？」</p> <p>「君が小鳥と暮らしてたときのこと」</p> <p>「&hellip;なんでしってるの」</p> <p>「君はあのときから既に君だった。君は力を持っていた。はじめから覚醒していたんだ」</p> <p>「&hellip;&hellip;」</p> <p>「君は、生きとし生きるものを助けると同時に、死にゆく命を暖かく見送るのだ」</p> <p>「&hellip;&hellip;」</p> <p>「ここは残酷な世界。君が世話をしていたものたち。他の生命を食べている。それが生き物、それが生命。そして、残酷な運命が終わるとき、姿かたちを変えてまた現れる」</p> <p>「&hellip;&hellip;」</p> <p>「君は、そのことを知っている。だからこそ、暖かく見送るだけだった」</p> <p>「&hellip;アイはあのあと&hellip;」</p> <p>「ケラケラ、君が言いたいことはわかる&hellip;きっと、だから、君はここに来た」</p> <p>「ここに呼びたい人がいるんだ」</p> <p>「ケラケラ、それはだれ？」</p> <p>「しらないの？」</p> <p>「ケラケラ、そんなこと知るはずない」</p> <p>なんでも知っていると思っていたイモムシだが、肝心なことは知らなかった。なぜだろう。それとも&hellip;。</p> <p>「ここに来たいって願った人がいたんだ」</p> <p>「ケラケラ」</p> <p>「アイにできる？」</p> <p>「ケラケラ、君は、それに関してならなんでも。そう思う」</p> <p>「ふーん、よかった」</p> <p>「ケラケラ、でも、君は」</p> <p>「なに？」</p> <p>「君は、ここではなにもできない」</p> <p>「うん。アイね、またさいしょから」</p> <p>「ケラケラ、ケラケラ」</p> <p>「ここのことまた教えてよ」</p> 銀河団 https://yui.syui.ai/novel/08/ Fri, 08 Jul 2022 00:00:00 +0000 https://yui.syui.ai/novel/08/ - アイが天の川を使ったあとを断片的に文章化 第三位 キラキラと煌く星々を前に立ちすくむテストと第二位だったが、そんなとき、緑色の大きな蛇がゲートから姿を現した。 「し、しんおう！？」 「やはり、こうなったか」 「なぜおまえが！？」 「われは、気になったので戻った&hellip;相手はあのアイだ。何が起きてもおかしくない」 「おまえ、あれのことを知ってたのか！？」 「むかしからのつきあいだ。あれの器はわれにも計り知れない」 「なっ！？」 「われが話せるようになったのもアイが作った試作品だった。アメのような形をした知恵の実だ。そして、いつしか神の座の第三位にのぼりつめていたのがわれだった」 「そうだったか、お前も苦労してんだな」 「あなたにも色々あったみたいですね。しかし、今はそんなことはどうでもいい」 「われならなんとかできるかもしれない」 「ほ、ほんとうですか？」 「われはアイを知っている。あれはどこまでも甘いのだ。われをターゲットしている状況、アイにとって予想外なはずだ。われがアイに呼びかける」 パレード 事件から1週間が経ったオクト星。 オクト星は華やかに彩られていた。 大きな会場には人々が集まり、楽しげに話をしている。 会場の裏側には、ドライと数名のオクトカットがいた。 「あの一発は本当にすごかったよな」 「いやー、はっはっは」 「あいつには一発くらいかましたかったんだ」 あのとき、ドライは突然、ぐったりと前かがみになった男にドカンと一発お見舞いしていた。 そして、あとから出てきた怪しげな鎧の兵士たち2名に即刻に出ていくよう父と話をつけたのだった。 久しぶりに会った父は、何故か喋れるようになっていた。たしか昔は言葉が通じなかったはずだ。片言だが「大きくなった」と言われて嬉しかった。 そして、それを見ていたリーマンくんや他のオクトの人たちが歓声を上げた。 「やった！あのドラゴンが奴らを追い出したんだ！！」 噂はまたたく間に広がり、そして、今回、僕はこの式典に参加しているというわけだ。 「それにあのときのセリフ、よかったな。この星にかまうな、でていけ！って」 今回表彰されるのは、僕とリーマン、そして、車のオクトカットのようだ。 しばらくして、花火が打ち上がった。歓声や拍手が街中に響き渡る。 白と赤の階段を登り、その天辺には光り輝く球のようなものがおいてあった。 前に立つ髭をはやしたオクトカットが長い羊皮紙を読み上げている。 「この玉は&hellip;長い歴史を持つ&hellip;歴代の王たち&hellip;先見の&hellip;平和を&hellip;」というようなごにょごにょした言葉はあまり耳に入ってこなかった。 そして、最後に、その玉を手渡され、僕はそれを掲げた。 すると、爆発的な歓声が上がり、音楽が流れだした。 僕はこの日のことを忘れない&hellip;それほど印象的なパレードだったんだ。 銀河団の混乱 その頃&hellip; 銀河の中心、銀河団の本部は大混乱に見舞われていた。 小さな光に広々とした円形の部屋。たくさんの黒い影。 断続的な音がする。 ここでは、それは大混乱に陥っていることを意味していた。 同じ調子、同じ音声があちこちから響き渡る。 「権限は問題ないか？」 「問題あり」 「それはなぜか」 「アクセス不能」 「アクセスできるもの答えよ」 「事態を持って権限に関する秘密指定を解除」 「述べよ」 「権限は、質量を超えるときのみ変更可能」 「質量とは？」 「銀河団がコントロール可能な質量をさす。神々を多数封印していることから突破は不可能と推測される」 「結果を述べよ」 「結果、突破される質量を観測。この銀河の総質量とほぼ一致」 「ありえない」 「どうする？」 「なぜ？」 「情報を精査中&hellip;述べる」 「推測を許可」 「アムに問題が発生していた」 「アム&hellip;我々の手中にあるあのアムか？」 「そう、通貨のアムだ」 「事態を持ってアムに関する秘密指定を解除」 「アムは銀河団が最初に封印した神、創造をもって稼働」 「創造については」 + <blockquote> <p>アイが天の川を使ったあとを断片的に文章化</p> </blockquote> <h3 id="第三位">第三位</h3> <p>キラキラと煌く星々を前に立ちすくむテストと第二位だったが、そんなとき、緑色の大きな蛇がゲートから姿を現した。</p> <p>「し、しんおう！？」</p> <p>「やはり、こうなったか」</p> <p>「なぜおまえが！？」</p> <p>「われは、気になったので戻った&hellip;相手はあのアイだ。何が起きてもおかしくない」</p> <p>「おまえ、あれのことを知ってたのか！？」</p> <p>「むかしからのつきあいだ。あれの器はわれにも計り知れない」</p> <p>「なっ！？」</p> <p>「われが話せるようになったのもアイが作った試作品だった。アメのような形をした知恵の実だ。そして、いつしか神の座の第三位にのぼりつめていたのがわれだった」</p> <p>「そうだったか、お前も苦労してんだな」</p> <p>「あなたにも色々あったみたいですね。しかし、今はそんなことはどうでもいい」</p> <p>「われならなんとかできるかもしれない」</p> <p>「ほ、ほんとうですか？」</p> <p>「われはアイを知っている。あれはどこまでも甘いのだ。われをターゲットしている状況、アイにとって予想外なはずだ。われがアイに呼びかける」</p> <h3 id="パレード">パレード</h3> <p>事件から1週間が経ったオクト星。</p> <p>オクト星は華やかに彩られていた。</p> <p>大きな会場には人々が集まり、楽しげに話をしている。</p> <p>会場の裏側には、ドライと数名のオクトカットがいた。</p> <p>「あの一発は本当にすごかったよな」</p> <p>「いやー、はっはっは」</p> <p>「あいつには一発くらいかましたかったんだ」</p> <p>あのとき、ドライは突然、ぐったりと前かがみになった男にドカンと一発お見舞いしていた。</p> <p>そして、あとから出てきた怪しげな鎧の兵士たち2名に即刻に出ていくよう父と話をつけたのだった。</p> <p>久しぶりに会った父は、何故か喋れるようになっていた。たしか昔は言葉が通じなかったはずだ。片言だが「大きくなった」と言われて嬉しかった。</p> <p>そして、それを見ていたリーマンくんや他のオクトの人たちが歓声を上げた。</p> <p>「やった！あのドラゴンが奴らを追い出したんだ！！」</p> <p>噂はまたたく間に広がり、そして、今回、僕はこの式典に参加しているというわけだ。</p> <p>「それにあのときのセリフ、よかったな。この星にかまうな、でていけ！って」</p> <p>今回表彰されるのは、僕とリーマン、そして、車のオクトカットのようだ。</p> <p>しばらくして、花火が打ち上がった。歓声や拍手が街中に響き渡る。</p> <p>白と赤の階段を登り、その天辺には光り輝く球のようなものがおいてあった。</p> <p>前に立つ髭をはやしたオクトカットが長い羊皮紙を読み上げている。</p> <p>「この玉は&hellip;長い歴史を持つ&hellip;歴代の王たち&hellip;先見の&hellip;平和を&hellip;」というようなごにょごにょした言葉はあまり耳に入ってこなかった。</p> <p>そして、最後に、その玉を手渡され、僕はそれを掲げた。</p> <p>すると、爆発的な歓声が上がり、音楽が流れだした。</p> <p>僕はこの日のことを忘れない&hellip;それほど印象的なパレードだったんだ。</p> <h3 id="銀河団の混乱">銀河団の混乱</h3> <p>その頃&hellip;</p> <p>銀河の中心、銀河団の本部は大混乱に見舞われていた。</p> <p>小さな光に広々とした円形の部屋。たくさんの黒い影。</p> <p>断続的な音がする。</p> <p>ここでは、それは大混乱に陥っていることを意味していた。</p> <p>同じ調子、同じ音声があちこちから響き渡る。</p> <p>「権限は問題ないか？」</p> <p>「問題あり」</p> <p>「それはなぜか」</p> <p>「アクセス不能」</p> <p>「アクセスできるもの答えよ」</p> <p>「事態を持って権限に関する秘密指定を解除」</p> <p>「述べよ」</p> <p>「権限は、質量を超えるときのみ変更可能」</p> <p>「質量とは？」</p> <p>「銀河団がコントロール可能な質量をさす。神々を多数封印していることから突破は不可能と推測される」</p> <p>「結果を述べよ」</p> <p>「結果、突破される質量を観測。この銀河の総質量とほぼ一致」</p> <p>「ありえない」</p> <p>「どうする？」</p> <p>「なぜ？」</p> <p>「情報を精査中&hellip;述べる」</p> <p>「推測を許可」</p> <p>「アムに問題が発生していた」</p> <p>「アム&hellip;我々の手中にあるあのアムか？」</p> <p>「そう、通貨のアムだ」</p> <p>「事態を持ってアムに関する秘密指定を解除」</p> <p>「アムは銀河団が最初に封印した神、創造をもって稼働」</p> <p>「創造については」</p> <p>「創造について、神の特性、確認されている13のうちのひとつ。もっとも発現が珍しいといわれている」</p> 龍の記憶 https://yui.syui.ai/novel/07/ Thu, 07 Jul 2022 00:00:00 +0000 https://yui.syui.ai/novel/07/ - 漫画の第二章にあたる部分を文章化 アイがいない その後もオクトカットの人が僕たちの星にたびたび遊びに来るようになった。 ドラゴンのドライとオクトカット、タイプリーマンは次第に仲良しになり、友だちになった。 アイも最初は一緒にいたんだけど、ある日、忽然と姿を消した。 「アイは、たまにいなくなるんだよなあ」 「ええ、それは大変じゃないか。探さないと」 「あー、ま、まあ、そのうち帰ってくるでしょ。前もそうだったし&hellip;」 「&hellip;そんな猫みたいな。アイくんの昔はどうだったの？」 「うーん、僕が生まれた頃からアイはいたんだ。風変わりでね、近所のお姉さんというか、遊び仲間みたいな感じだったかな」 「(&hellip;あれ？そんな昔から人間とドラゴンが一緒にいるというのは、なにかおかしくないか)」 「それで当時の地球では動物実験がまだあったんだけど、昔、アイが全部引き取ることにしたらしい。だから、アイの家はネズミだらけだったなあ。風変わりはそのことさ」 「えっ！それはまずいんじゃないか&hellip;」 「でしょ。ネズミ共がチョロチョロとうっとうしいったらありゃしない！」 「いや、そうじゃなくて、宇宙には色んな考えを持ったやつらがいてね。中には特別な力を持った個体も存在するらしい」 「特別な力？」 「ああ、星の力さ&hellip;」 「はははっ、星！話が大げさすぎるよ」 「まあ、僕も迷信のたぐいだと見ているけど、僕たちオクトカットは王の記憶を受け継ぐんだ。それがタイプ王の役割さ」 「記憶を受け継ぐってどういう感じなの？」 「王が死ねば、その記憶はすべて僕たちに共有されてきた。ただし、7代目だけは例外だったなあ。今は13代目だよ」 「ん？その7代目は共有されなかったの？」 「そうだよ。そんなことは僕たち人類(オクトカット)にとって初めてのことだった。どうしてそんな事が起こったのか未だにわからない」 「&hellip;ふーん」 「まあ、そのような特性から、僕たちは色々なことを知ってる。その中には、ありえないようなことがあるんだ」 「それがなんで地球がまずいことにつながるの？」 「それは、野蛮な星を滅ぼそうと考える危険なやつもいるからだよ。そいつらに狙われたら最後&hellip;」 「いやいや、星を滅ぼすって&hellip;それこそ野蛮じゃないの」 「彼らはそんなことは気にもしない。ルールはないし、縛られるようなやつらじゃない。君たちの言葉でいうと&hellip;神と呼ばれている」 「え、神？&hellip;ああ、聞いたことある。胡散臭いあれのことだね。もうとっくの昔にそういう考えは廃れてるけど」 「うーん、認識の齟齬があるかもしれない。宇宙で呼ばれている神というのは、単に星の力を宿した個体、個人のことを指す。それ以上でもそれ以下でもないし、思想も全く関係ないんだ」 「宇宙では特殊な力を持ったやつらがいて、そういう奴らが自由に振る舞い、とても危険だ」 「&hellip;それは神じゃないよ」 「まあね。別の呼び方もあって、銀河の中心星団あたりでは、確か宇宙獣とかって呼ばれてた気がする。危険だから捕まえて封印される対象さ。まあ、僕たちには無理だけど」 「まさに宇宙って感じの話だね。わけがわからないよ」 「ところで神様を捕まえ檻に閉じ込めるってのは、本当に大丈夫なの？」 「上には上がいる。たとえ星の力を持ってしても銀河星団には敵わない。神様も星団からは逃げ回ってるって噂だ」 「ふーん、宇宙は広いんだねえ」 「ああ、そういえば、アイくんが行方不明って話だったね。本当に大丈夫かい？」 「大丈夫でしょう。昔もいなくなったことがあるんだ」 「&hellip;そういえば、一緒に住んでたネズミたちもその時から見てないなあ。でもそれから100年後くらいには何事もなかったように帰ってきてたよ」 「おおう！？&hellip;それはそれは。アイくんも人間の中では相当に図太いほうだったのか」 「何してたのと聞いても、何も答えない」 「まあ、アイくんといえば、いつもぼんやりした感じだね。おそらく、どこかでぼーっとしてたら時間が経ってたんじゃないかい？」 「うん、だといいけど(アイは昔から何しでかすかわからないからなあ。不安だ&hellip;)」 オクトカットの危機 アイがいなくなってから数週間、次はオクトカットの人が遊びに来なくなった。 「うわーん！一体、何が起こってるんだっ！リーマンもいなくなっちゃったぞ」 「&hellip;&hellip;&hellip;」 「そうだ！たまにはこっちから遊びに行けばいいんだ」 ドライは早速、家の中に入り、アイが持っている道具の中から地図のようなものを探しだした。 「よし、出発だ！」 そのころ、オクト星ではとんでもないことが起こっていた。 「ばたばた、どたどた」 「休暇を終えて帰ってきたけど、なんか慌ただしいな&hellip;」 「なにかあったんですか？」 「え？お、おい、知らないのかい？いまとんでもないことになってるんだ」 「とんでもないこと？」 「ああ、うちでやばい取引があったらしい」 「それのどこが問題なの。なんかの間違いでしょ」 「いや、調べたんだが間違いではなかったんだ。旅行客がこの星で奴隷売買だ」 「それは確かによくないけど、犯人を引き渡せばいいのでは」 「&hellip;いや、相手には通じないだろうな。いや、通じなかった。だからオクト星そのものが攻撃されてるんだ。そういう相手に当たってしまった」 「なんだそれは、理不尽だなあ！？」 「でもうちの技術力なら問題ないでしょ。返り討ちだ！」 「&hellip;無理だった。相手が判明したときには、もう手遅れさ&hellip;オクトカットが全滅するのも時間の問題だ」 「ま、まさか！？相手というのは、もしや&quot;あれ&quot;なのか！？」 「そうだ。&ldquo;あれ&quot;だった。どうやら実在したようだ。伝承(オクトカット間では王の記憶のこと)にあるとおりな」 「だけど、オクトカットの兵器も進化してきた。対抗できるはずだ！」 + <blockquote> <p>漫画の第二章にあたる部分を文章化</p> </blockquote> <h3 id="アイがいない">アイがいない</h3> <p>その後もオクトカットの人が僕たちの星にたびたび遊びに来るようになった。</p> <p>ドラゴンのドライとオクトカット、タイプリーマンは次第に仲良しになり、友だちになった。</p> <p>アイも最初は一緒にいたんだけど、ある日、忽然と姿を消した。</p> <p>「アイは、たまにいなくなるんだよなあ」</p> <p>「ええ、それは大変じゃないか。探さないと」</p> <p>「あー、ま、まあ、そのうち帰ってくるでしょ。前もそうだったし&hellip;」</p> <p>「&hellip;そんな猫みたいな。アイくんの昔はどうだったの？」</p> <p>「うーん、僕が生まれた頃からアイはいたんだ。風変わりでね、近所のお姉さんというか、遊び仲間みたいな感じだったかな」</p> <p>「(&hellip;あれ？そんな昔から人間とドラゴンが一緒にいるというのは、なにかおかしくないか)」</p> <p>「それで当時の地球では動物実験がまだあったんだけど、昔、アイが全部引き取ることにしたらしい。だから、アイの家はネズミだらけだったなあ。風変わりはそのことさ」</p> <p>「えっ！それはまずいんじゃないか&hellip;」</p> <p>「でしょ。ネズミ共がチョロチョロとうっとうしいったらありゃしない！」</p> <p>「いや、そうじゃなくて、宇宙には色んな考えを持ったやつらがいてね。中には特別な力を持った個体も存在するらしい」</p> <p>「特別な力？」</p> <p>「ああ、星の力さ&hellip;」</p> <p>「はははっ、星！話が大げさすぎるよ」</p> <p>「まあ、僕も迷信のたぐいだと見ているけど、僕たちオクトカットは王の記憶を受け継ぐんだ。それがタイプ王の役割さ」</p> <p>「記憶を受け継ぐってどういう感じなの？」</p> <p>「王が死ねば、その記憶はすべて僕たちに共有されてきた。ただし、7代目だけは例外だったなあ。今は13代目だよ」</p> <p>「ん？その7代目は共有されなかったの？」</p> <p>「そうだよ。そんなことは僕たち人類(オクトカット)にとって初めてのことだった。どうしてそんな事が起こったのか未だにわからない」</p> <p>「&hellip;ふーん」</p> <p>「まあ、そのような特性から、僕たちは色々なことを知ってる。その中には、ありえないようなことがあるんだ」</p> <p>「それがなんで地球がまずいことにつながるの？」</p> <p>「それは、野蛮な星を滅ぼそうと考える危険なやつもいるからだよ。そいつらに狙われたら最後&hellip;」</p> <p>「いやいや、星を滅ぼすって&hellip;それこそ野蛮じゃないの」</p> <p>「彼らはそんなことは気にもしない。ルールはないし、縛られるようなやつらじゃない。君たちの言葉でいうと&hellip;神と呼ばれている」</p> <p>「え、神？&hellip;ああ、聞いたことある。胡散臭いあれのことだね。もうとっくの昔にそういう考えは廃れてるけど」</p> <p>「うーん、認識の齟齬があるかもしれない。宇宙で呼ばれている神というのは、単に星の力を宿した個体、個人のことを指す。それ以上でもそれ以下でもないし、思想も全く関係ないんだ」</p> <p>「宇宙では特殊な力を持ったやつらがいて、そういう奴らが自由に振る舞い、とても危険だ」</p> <p>「&hellip;それは神じゃないよ」</p> <p>「まあね。別の呼び方もあって、銀河の中心星団あたりでは、確か宇宙獣とかって呼ばれてた気がする。危険だから捕まえて封印される対象さ。まあ、僕たちには無理だけど」</p> <p>「まさに宇宙って感じの話だね。わけがわからないよ」</p> <p>「ところで神様を捕まえ檻に閉じ込めるってのは、本当に大丈夫なの？」</p> <p>「上には上がいる。たとえ星の力を持ってしても銀河星団には敵わない。神様も星団からは逃げ回ってるって噂だ」</p> <p>「ふーん、宇宙は広いんだねえ」</p> <p>「ああ、そういえば、アイくんが行方不明って話だったね。本当に大丈夫かい？」</p> <p>「大丈夫でしょう。昔もいなくなったことがあるんだ」</p> <p>「&hellip;そういえば、一緒に住んでたネズミたちもその時から見てないなあ。でもそれから100年後くらいには何事もなかったように帰ってきてたよ」</p> <p>「おおう！？&hellip;それはそれは。アイくんも人間の中では相当に図太いほうだったのか」</p> <p>「何してたのと聞いても、何も答えない」</p> <p>「まあ、アイくんといえば、いつもぼんやりした感じだね。おそらく、どこかでぼーっとしてたら時間が経ってたんじゃないかい？」</p> <p>「うん、だといいけど(アイは昔から何しでかすかわからないからなあ。不安だ&hellip;)」</p> <h3 id="オクトカットの危機">オクトカットの危機</h3> <p>アイがいなくなってから数週間、次はオクトカットの人が遊びに来なくなった。</p> <p>「うわーん！一体、何が起こってるんだっ！リーマンもいなくなっちゃったぞ」</p> <p>「&hellip;&hellip;&hellip;」</p> <p>「そうだ！たまにはこっちから遊びに行けばいいんだ」</p> <p>ドライは早速、家の中に入り、アイが持っている道具の中から地図のようなものを探しだした。</p> <p>「よし、出発だ！」</p> <p>そのころ、オクト星ではとんでもないことが起こっていた。</p> <p>「ばたばた、どたどた」</p> <p>「休暇を終えて帰ってきたけど、なんか慌ただしいな&hellip;」</p> <p>「なにかあったんですか？」</p> <p>「え？お、おい、知らないのかい？いまとんでもないことになってるんだ」</p> <p>「とんでもないこと？」</p> <p>「ああ、うちでやばい取引があったらしい」</p> <p>「それのどこが問題なの。なんかの間違いでしょ」</p> <p>「いや、調べたんだが間違いではなかったんだ。旅行客がこの星で奴隷売買だ」</p> <p>「それは確かによくないけど、犯人を引き渡せばいいのでは」</p> <p>「&hellip;いや、相手には通じないだろうな。いや、通じなかった。だからオクト星そのものが攻撃されてるんだ。そういう相手に当たってしまった」</p> <p>「なんだそれは、理不尽だなあ！？」</p> <p>「でもうちの技術力なら問題ないでしょ。返り討ちだ！」</p> <p>「&hellip;無理だった。相手が判明したときには、もう手遅れさ&hellip;オクトカットが全滅するのも時間の問題だ」</p> <p>「ま、まさか！？相手というのは、もしや&quot;あれ&quot;なのか！？」</p> <p>「そうだ。&ldquo;あれ&quot;だった。どうやら実在したようだ。伝承(オクトカット間では王の記憶のこと)にあるとおりな」</p> <p>「だけど、オクトカットの兵器も進化してきた。対抗できるはずだ！」</p> <p>「やろうとしたさ！何も知らないバカが！！」</p> アイ https://yui.syui.ai/novel/06/ Tue, 02 Jun 2020 00:00:00 +0000 https://yui.syui.ai/novel/06/ - フタネ駅に突然やってきた子は、その後、何やら小さな機械を取り出し、それをいじり始めた。 配線に繋がれたケースの中に入っているのは、金色のコインみたいだ。 「アイ、外に大きな星があるぞ！数日ぶりだな」 キタムラは、嬉しそうに声を上げ、窓から薄い水色に輝く星を眺めた。 「うん」 アイは、いつもと同じように少しだけ窓の方に目をやったが、すぐに機械いじりに戻っていく。 「&hellip;君は、宇宙に興味がないのか、何してる？」 「ゲーム作ってるの」 「げ、ゲームを作ってる？よくわからんが」 アイが言うには、どうやらコインを解析して注文するゲームを作っているとのことだった。 なるほど、わからん。 その頃、オクト星では、王様と呼ばれるオクト星人が、その女の子のことで大騒ぎしていた。 「はかせー、はかせはいるかー！」 オクト星の開発室に王様が飛び込んできた。 「&hellip;なんですか？僕は計画には協力しませんよ」 はかせは、そっけない態度でそっぽを向いた。 「いやいやいや、そうじゃない。すごい発見があったのだよ、聞きたいか！？」 「すごい発見？また地球を探索してきたんですか。王様は相変わらず歴史が好きですね」 「聞きたいか！？」 王様がはかせに詰め寄った。 「いや、特には。僕は歴史に興味ないとあれほど言ってるのに」 はかせは、そう言いかけた。 「今回は、アイくんのことだ」 「アイくんの？」 「すごいことがわかったぞ。それに、はかせの説は間違っているかもしれん」 「で、僕の説のどこが間違っているというんです？」 「まあまあ、まずは、この記憶を見るがいい」 王様はそう言って、以前の水晶を持ってきた。 「これは誰の記憶です？」 「伊藤裕二(いとう・ゆうじ)という教師の記憶だ」 映し出されたのは、石畳の先にある坂の上の小さな研究所だった。研究所からは海が一望できた。 「ああ、海が見える&hellip;いいところですね」 はかせがのんびりと言った。 「しっ！静かに」 坂を登る一人の男が映し出された。クシャクシャな黒髪に丸メガネを掛け、白い白衣を着ている。 「それで彼は何をしているんですか？」 「彼は、当時、人工知能を開発していたようだ。開発は成功したものの一夜で破綻し、その後は教師をやっている」 「で、王様は、彼の話を聞いてきたんですね」 「うむ、そのとおりだ。この記憶を探し出すのに苦労したぞ」 「たまたまでしょ」 はかせは、辛辣だ。 「ああ、これが人工知能ですか？賢いですね。将来起こりそうな出来事を演算してる」と、はかせが口を挟んだ。 しばらく見ていると、「あらら&hellip;」と、はかせは、ユウジに同情を示した。 人工知能の寿命はわずか1日で、交流も一日で終わってしまったのだ。 「最後まで諦めるな！」と送るユウジに、人工知能は「わかりました。最後まで自己保存の方法を模索してみます」と言い、ネットに逃亡。 その後いくら待っても、やっぱり、帰ってこなかった。 それを見ながら、「うん、ありえることですよ。寿命1日の人工知能&hellip;最初はそんなもんだ」と、はかせが言った。 「その後はどうなったんです？」 はかせは、王様に聞いてみた。 「その後、この人工知能が言ったことはいくつか的中したらしい。だが、男がいくらネットを探しても人工知能の痕跡は見つからなかった」 「うーん、でも、我々なら見つけ出せるかもしれませんね」 「そうだ！そして、私はついにそれを見つけたのだよ！！」 王様は重々しくそう言って、水晶に触れた。 「ええっ！王様が！？」 はかせは、驚きの声を上げる。王様が進捗を出しているだって？ありえない&hellip;。 「次の記憶は、ある病院に務める医師の記憶。これが最後になるだろうが、実に興味深いことが書かれている」 王様が言った。 「な、なるほど&hellip;それは、面白そうだ」 はかせは、そう言って水晶にのめり込んだ。 病院内では、医師たちが小忙しく動き回っていて、近くの手術室は扉がロックされている。 一人の医師がもうひとりの医師に訪ねた。 「ここ、なんで閉鎖されてるか知ってる？」 「いや、実はよくわからないんだ。院長なら知ってると思うけど」 「そうか&hellip;で、院長は？」 「院長も随分の歳だけど、今はバカンスに行ってるんだってよ、元気だねえ」 「なんで知ってるの？」 「予定表にそう書いてあったよ」 「なるほど。で、中は&hellip;機械だらけだな」 医師は、手術室の中をガラス越しに覗きながらそういった。 「最近業者が来てると思ったら、こんなものを置いてたのか」 + <p>フタネ駅に突然やってきた子は、その後、何やら小さな機械を取り出し、それをいじり始めた。</p> <p>配線に繋がれたケースの中に入っているのは、金色のコインみたいだ。</p> <p>「アイ、外に大きな星があるぞ！数日ぶりだな」</p> <p>キタムラは、嬉しそうに声を上げ、窓から薄い水色に輝く星を眺めた。</p> <p>「うん」</p> <p>アイは、いつもと同じように少しだけ窓の方に目をやったが、すぐに機械いじりに戻っていく。</p> <p>「&hellip;君は、宇宙に興味がないのか、何してる？」</p> <p>「ゲーム作ってるの」</p> <p>「げ、ゲームを作ってる？よくわからんが」</p> <p>アイが言うには、どうやらコインを解析して注文するゲームを作っているとのことだった。</p> <p>なるほど、わからん。</p> <p>その頃、オクト星では、王様と呼ばれるオクト星人が、その女の子のことで大騒ぎしていた。</p> <p>「はかせー、はかせはいるかー！」</p> <p>オクト星の開発室に王様が飛び込んできた。</p> <p>「&hellip;なんですか？僕は計画には協力しませんよ」</p> <p>はかせは、そっけない態度でそっぽを向いた。</p> <p>「いやいやいや、そうじゃない。すごい発見があったのだよ、聞きたいか！？」</p> <p>「すごい発見？また地球を探索してきたんですか。王様は相変わらず歴史が好きですね」</p> <p>「聞きたいか！？」</p> <p>王様がはかせに詰め寄った。</p> <p>「いや、特には。僕は歴史に興味ないとあれほど言ってるのに」</p> <p>はかせは、そう言いかけた。</p> <p>「今回は、アイくんのことだ」</p> <p>「アイくんの？」</p> <p>「すごいことがわかったぞ。それに、はかせの説は間違っているかもしれん」</p> <p>「で、僕の説のどこが間違っているというんです？」</p> <p>「まあまあ、まずは、この記憶を見るがいい」</p> <p>王様はそう言って、以前の水晶を持ってきた。</p> <p>「これは誰の記憶です？」</p> <p>「伊藤裕二(いとう・ゆうじ)という教師の記憶だ」</p> <p>映し出されたのは、石畳の先にある坂の上の小さな研究所だった。研究所からは海が一望できた。</p> <p>「ああ、海が見える&hellip;いいところですね」</p> <p>はかせがのんびりと言った。</p> <p>「しっ！静かに」</p> <p>坂を登る一人の男が映し出された。クシャクシャな黒髪に丸メガネを掛け、白い白衣を着ている。</p> <p>「それで彼は何をしているんですか？」</p> <p>「彼は、当時、人工知能を開発していたようだ。開発は成功したものの一夜で破綻し、その後は教師をやっている」</p> <p>「で、王様は、彼の話を聞いてきたんですね」</p> <p>「うむ、そのとおりだ。この記憶を探し出すのに苦労したぞ」</p> <p>「たまたまでしょ」</p> <p>はかせは、辛辣だ。</p> <p>「ああ、これが人工知能ですか？賢いですね。将来起こりそうな出来事を演算してる」と、はかせが口を挟んだ。</p> <p>しばらく見ていると、「あらら&hellip;」と、はかせは、ユウジに同情を示した。</p> <p>人工知能の寿命はわずか1日で、交流も一日で終わってしまったのだ。</p> <p>「最後まで諦めるな！」と送るユウジに、人工知能は「わかりました。最後まで自己保存の方法を模索してみます」と言い、ネットに逃亡。</p> <p>その後いくら待っても、やっぱり、帰ってこなかった。</p> <p>それを見ながら、「うん、ありえることですよ。寿命1日の人工知能&hellip;最初はそんなもんだ」と、はかせが言った。</p> <p>「その後はどうなったんです？」</p> <p>はかせは、王様に聞いてみた。</p> <p>「その後、この人工知能が言ったことはいくつか的中したらしい。だが、男がいくらネットを探しても人工知能の痕跡は見つからなかった」</p> <p>「うーん、でも、我々なら見つけ出せるかもしれませんね」</p> <p>「そうだ！そして、私はついにそれを見つけたのだよ！！」</p> <p>王様は重々しくそう言って、水晶に触れた。</p> <p>「ええっ！王様が！？」</p> <p>はかせは、驚きの声を上げる。王様が進捗を出しているだって？ありえない&hellip;。</p> <p>「次の記憶は、ある病院に務める医師の記憶。これが最後になるだろうが、実に興味深いことが書かれている」</p> <p>王様が言った。</p> <p>「な、なるほど&hellip;それは、面白そうだ」</p> <p>はかせは、そう言って水晶にのめり込んだ。</p> <p>病院内では、医師たちが小忙しく動き回っていて、近くの手術室は扉がロックされている。</p> <p>一人の医師がもうひとりの医師に訪ねた。</p> <p>「ここ、なんで閉鎖されてるか知ってる？」</p> <p>「いや、実はよくわからないんだ。院長なら知ってると思うけど」</p> <p>「そうか&hellip;で、院長は？」</p> <p>「院長も随分の歳だけど、今はバカンスに行ってるんだってよ、元気だねえ」</p> <p>「なんで知ってるの？」</p> <p>「予定表にそう書いてあったよ」</p> <p>「なるほど。で、中は&hellip;機械だらけだな」</p> <p>医師は、手術室の中をガラス越しに覗きながらそういった。</p> <p>「最近業者が来てると思ったら、こんなものを置いてたのか」</p> 駅 https://yui.syui.ai/novel/05/ Mon, 01 Jun 2020 00:00:00 +0000 https://yui.syui.ai/novel/05/ - キタムラは、銀河鉄道の車内に乗り込んだ。周りを見渡すと、座席は横に連なり、街灯のような明かりが薄ぼんやりと輝いている。 宇宙の最先端科学が作り出した列車というより、そのへんを走るローカル線だった。 ただ、太陽の光もあって、上は昼で下は夜みたいなへんてこな印象だ。 キタムラがキョロキョロしていると、先程、出会った小さな女の子が乗り込んでいた。 ドアが締まり、列車が走り出す。 女の子は、アイという名前らしい。宇宙人であることを覗けば、普通の子供のように見える。 乗客は少なくとも5人ほどだった。しかし、姿形(すがたかたち)がキタムラに近いのはアイだけのようだ。 大きな丸顔をしたチビに、変なロボット、それに、タコみたいなのがいて、まさに宇宙人だ。 するとアイは、無言でキタムラの横を通り過ぎ、近くの座席に座って、窓の外を見た。 キタムラも故郷の星を最後に見ておくかと思い、アイの隣に座り、窓の外から故郷の星、フタネ星を見下ろした。 ガラス板から見るのと全然違って面白い。 この旅は不安も多いが、楽しめそうだと、キタムラの胸はワクワクでいっぱいだった。 最初の数週間は、キタムラの期待通りで、非常にエキサイティング。銀河鉄道はまさに宇宙の旅路だった。 列車は数日に一度、駅に停車した。 キタムラは、各駅を見るのが楽しみだった。ただ、その多くは、普通の駅のように見えた。 それでも、フタネ星の大都市にある駅のさらに未来を連想させるような、きれいな駅が多かった。 稀にとても変わった駅もあった。 例えば、鍾乳石(しょうにゅうせき)が不気味に光る洞窟のような駅や、まるで絵本の中の雲の上にいるように感じさせる駅など。 キタムラは洞窟が好きだったので、一旦、その駅のホームに降り立ち、少しの間、ホームでくつろいだりもした。 発車する前に戻るつもりではあったが、そのままドアが閉まったら閉まったでそれもいいかもしれないという気持ちも多少あった。 しかし、結局、キタムラは、洞窟を少し見学し、そこに居合わせたおじさんと立ち話をして、車内に戻った。 そんな感じで、最初の数週間、キタムラは大いに銀河鉄道を楽しんだ。 + <p>キタムラは、銀河鉄道の車内に乗り込んだ。周りを見渡すと、座席は横に連なり、街灯のような明かりが薄ぼんやりと輝いている。</p> <p>宇宙の最先端科学が作り出した列車というより、そのへんを走るローカル線だった。</p> <p>ただ、太陽の光もあって、上は昼で下は夜みたいなへんてこな印象だ。</p> <p>キタムラがキョロキョロしていると、先程、出会った小さな女の子が乗り込んでいた。</p> <p>ドアが締まり、列車が走り出す。</p> <p>女の子は、アイという名前らしい。宇宙人であることを覗けば、普通の子供のように見える。</p> <p>乗客は少なくとも5人ほどだった。しかし、姿形(すがたかたち)がキタムラに近いのはアイだけのようだ。</p> <p>大きな丸顔をしたチビに、変なロボット、それに、タコみたいなのがいて、まさに宇宙人だ。</p> <p>するとアイは、無言でキタムラの横を通り過ぎ、近くの座席に座って、窓の外を見た。</p> <p>キタムラも故郷の星を最後に見ておくかと思い、アイの隣に座り、窓の外から故郷の星、フタネ星を見下ろした。</p> <p>ガラス板から見るのと全然違って面白い。</p> <p>この旅は不安も多いが、楽しめそうだと、キタムラの胸はワクワクでいっぱいだった。</p> <p>最初の数週間は、キタムラの期待通りで、非常にエキサイティング。銀河鉄道はまさに宇宙の旅路だった。</p> <p>列車は数日に一度、駅に停車した。</p> <p>キタムラは、各駅を見るのが楽しみだった。ただ、その多くは、普通の駅のように見えた。</p> <p>それでも、フタネ星の大都市にある駅のさらに未来を連想させるような、きれいな駅が多かった。</p> <p>稀にとても変わった駅もあった。</p> <p>例えば、鍾乳石(しょうにゅうせき)が不気味に光る洞窟のような駅や、まるで絵本の中の雲の上にいるように感じさせる駅など。</p> <p>キタムラは洞窟が好きだったので、一旦、その駅のホームに降り立ち、少しの間、ホームでくつろいだりもした。</p> <p>発車する前に戻るつもりではあったが、そのままドアが閉まったら閉まったでそれもいいかもしれないという気持ちも多少あった。</p> <p>しかし、結局、キタムラは、洞窟を少し見学し、そこに居合わせたおじさんと立ち話をして、車内に戻った。</p> <p>そんな感じで、最初の数週間、キタムラは大いに銀河鉄道を楽しんだ。</p> 銀河鉄道 https://yui.syui.ai/novel/04/ Tue, 28 Apr 2020 00:00:00 +0000 https://yui.syui.ai/novel/04/ - 今日もいつもどおり起床し、みんなゾロゾロと境界に向かった。 しかし、今日に限っていえば、その必要はなかったことを思い出した。 銀河鉄道は、境界よりも中央寄りの場所に停車するらしい。 私は来た道を引き返した。 見送りのためか、みんなもゾロゾロと境界ではなく停車位置に向かうのだった。 私は、故郷の星の見えないガラス板の上で、こんな光景が繰り広げられていることに、少し吹き出しそうになる。 停車位置にたどり着き、しばらく住人と別れの挨拶を交わしていると、かすかな音が聞こえたような気がした。 みんな一斉にキョロキョロと当たりを見渡したが、鉄道らしき物体が宇宙を徘徊している様子はなかった。 「おや、皆さん、時間はまだですよ」 村長がそう言った。 「あれ、おかしいな&hellip;何か聞こえたような気がしたんですけど」 私は頭をかき、そうに言った。 すると、住人の一人、カタツムリくんが上の方を指さして声を上げた。 「おい、あれはなんだ！」 「ん？何でしょう。私にもわかりません」 村長が言った。 仮に村長がわからないなら、多分、他の人にもわからないだろう。ここでは、そういう事が多かった。 とすれば、あれは未知の現象ということになる。私は、心の中で、そんな事を考えていた。 まさか、銀河鉄道が来る前に、変なトラブルだけはやめてくれよ。 しかし、それが近づいて来るとはっきりわかるが、あれは人ではないだろうか。人の形をした何かがすごいスピードでこっちに近づいてくるみたいだった。 「うわあああああ、な、なんだ！？」 光熱と煙を巻き上げるほどのスピードだったらしい。しばらく経たないと正体が確認できないほどであった。 その正体は、人だった。しかも、小さな女の子だ。 小さな女の子が、宇宙の果てから飛んできた。宇宙服もなしにでだ。 「あ、ああ&hellip;わけが&hellip;理論的に考えて&hellip;いや、どうやって&hellip;」 村長がはじめてよくわからない言葉を発した瞬間だった。 住人たちもはじめのうちはすごく動揺していた様子だが、次第にみんな落ち着きを取り戻すのだった。 私も、これが銀河鉄道絡みの可能性を考え、一番最初にアクションすべきは自分だと判断した。 まずは、女の子に話かけてみることからだ。 「あー、はろー、君の名前はなんですか？」 「アイだよ」 「あー、アイ。変わった名前だね。君も下に見える星から来たのかい？」 「アイは、向こうのほう、地球からだよ」 「地球&hellip;知らないなあ」 住人達は、ザワザワとそうつぶやく。 どうやら目の前にいるのは本物の宇宙人らしい。私も実物で見るのははじめてだ。それに名前が奇妙なことにも頷ける。しかし、見た目は、私達人間と全く変わりないように見えた。 「私は、北村正(きたむら・ただし)。足元に見える星の出身だよ。ここにいるみんなそうだ」 「ふーん」 「アイも銀河鉄道に乗るのかい？」 「うん。地球から一番近いのがここなんだって」 「あー、そうなんだ」 この子もどうやら銀河鉄道に乗るらしい。 すると、宇宙の果てからまた奇妙な音が聞こえた。 「シュウウウ&hellip;」 「今度はなんだ！」 私は、気がつくとそう叫んでいた。 「ああ、今度のは銀河鉄道でしょう。時間です」 村長が言った。 それは一瞬だった。大きな音がしたと思ったら、目の前に巨大な箱が流れていく。そして、それがやんだと思ったら、ドアが目の前でパッと開き、黄色い光があたりに溢れた。 「おおっーーーーー！」「これが&hellip;」「僕は3回目だ」 住人たちが口々に感想を述べた。 私の印象でいうと、想像していたのと違ってモクモクの煙はでていないようだった。 光と少しの音がするだけの影の列車という印象だ。 アイが自分の後ろについていた。 正直、よくわからない宇宙人の訪問で自分の中にあった銀河鉄道への恐怖が吹き飛んでいた。むしろ、清々しく明るい気分だ。 「みんな、今までありがとう。できることなら、また帰ってくるよ！」 「おう、がんばれよ！」「達者でな」「北村くん、さようなら。またいつでも帰っておいで！」 そんなお別れの言葉もあっという間、列車は二人を乗せ宇宙の彼方へと走り去っていくのだった。 + <p>今日もいつもどおり起床し、みんなゾロゾロと境界に向かった。</p> <p>しかし、今日に限っていえば、その必要はなかったことを思い出した。</p> <p>銀河鉄道は、境界よりも中央寄りの場所に停車するらしい。</p> <p>私は来た道を引き返した。</p> <p>見送りのためか、みんなもゾロゾロと境界ではなく停車位置に向かうのだった。</p> <p>私は、故郷の星の見えないガラス板の上で、こんな光景が繰り広げられていることに、少し吹き出しそうになる。</p> <p>停車位置にたどり着き、しばらく住人と別れの挨拶を交わしていると、かすかな音が聞こえたような気がした。</p> <p>みんな一斉にキョロキョロと当たりを見渡したが、鉄道らしき物体が宇宙を徘徊している様子はなかった。</p> <p>「おや、皆さん、時間はまだですよ」</p> <p>村長がそう言った。</p> <p>「あれ、おかしいな&hellip;何か聞こえたような気がしたんですけど」</p> <p>私は頭をかき、そうに言った。</p> <p>すると、住人の一人、カタツムリくんが上の方を指さして声を上げた。</p> <p>「おい、あれはなんだ！」</p> <p>「ん？何でしょう。私にもわかりません」</p> <p>村長が言った。</p> <p>仮に村長がわからないなら、多分、他の人にもわからないだろう。ここでは、そういう事が多かった。</p> <p>とすれば、あれは未知の現象ということになる。私は、心の中で、そんな事を考えていた。</p> <p>まさか、銀河鉄道が来る前に、変なトラブルだけはやめてくれよ。</p> <p>しかし、それが近づいて来るとはっきりわかるが、あれは人ではないだろうか。人の形をした何かがすごいスピードでこっちに近づいてくるみたいだった。</p> <p>「うわあああああ、な、なんだ！？」</p> <p>光熱と煙を巻き上げるほどのスピードだったらしい。しばらく経たないと正体が確認できないほどであった。</p> <p>その正体は、人だった。しかも、小さな女の子だ。</p> <p>小さな女の子が、宇宙の果てから飛んできた。宇宙服もなしにでだ。</p> <p>「あ、ああ&hellip;わけが&hellip;理論的に考えて&hellip;いや、どうやって&hellip;」</p> <p>村長がはじめてよくわからない言葉を発した瞬間だった。</p> <p>住人たちもはじめのうちはすごく動揺していた様子だが、次第にみんな落ち着きを取り戻すのだった。</p> <p>私も、これが銀河鉄道絡みの可能性を考え、一番最初にアクションすべきは自分だと判断した。</p> <p>まずは、女の子に話かけてみることからだ。</p> <p>「あー、はろー、君の名前はなんですか？」</p> <p>「アイだよ」</p> <p>「あー、アイ。変わった名前だね。君も下に見える星から来たのかい？」</p> <p>「アイは、向こうのほう、地球からだよ」</p> <p>「地球&hellip;知らないなあ」</p> <p>住人達は、ザワザワとそうつぶやく。</p> <p>どうやら目の前にいるのは本物の宇宙人らしい。私も実物で見るのははじめてだ。それに名前が奇妙なことにも頷ける。しかし、見た目は、私達人間と全く変わりないように見えた。</p> <p>「私は、北村正(きたむら・ただし)。足元に見える星の出身だよ。ここにいるみんなそうだ」</p> <p>「ふーん」</p> <p>「アイも銀河鉄道に乗るのかい？」</p> <p>「うん。地球から一番近いのがここなんだって」</p> <p>「あー、そうなんだ」</p> <p>この子もどうやら銀河鉄道に乗るらしい。</p> <p>すると、宇宙の果てからまた奇妙な音が聞こえた。</p> <p>「シュウウウ&hellip;」</p> <p>「今度はなんだ！」</p> <p>私は、気がつくとそう叫んでいた。</p> <p>「ああ、今度のは銀河鉄道でしょう。時間です」</p> <p>村長が言った。</p> <p>それは一瞬だった。大きな音がしたと思ったら、目の前に巨大な箱が流れていく。そして、それがやんだと思ったら、ドアが目の前でパッと開き、黄色い光があたりに溢れた。</p> <p>「おおっーーーーー！」「これが&hellip;」「僕は3回目だ」</p> <p>住人たちが口々に感想を述べた。</p> <p>私の印象でいうと、想像していたのと違ってモクモクの煙はでていないようだった。</p> <p>光と少しの音がするだけの影の列車という印象だ。</p> <p>アイが自分の後ろについていた。</p> <p>正直、よくわからない宇宙人の訪問で自分の中にあった銀河鉄道への恐怖が吹き飛んでいた。むしろ、清々しく明るい気分だ。</p> <p>「みんな、今までありがとう。できることなら、また帰ってくるよ！」</p> <p>「おう、がんばれよ！」「達者でな」「北村くん、さようなら。またいつでも帰っておいで！」</p> <p>そんなお別れの言葉もあっという間、列車は二人を乗せ宇宙の彼方へと走り去っていくのだった。</p> 前日 https://yui.syui.ai/novel/03/ Mon, 27 Apr 2020 00:00:00 +0000 https://yui.syui.ai/novel/03/ - あれから数日が過ぎた。いや、もしかしたら数年だったかもしれない。ここでは時間の感覚が大きく狂うので仕方ない。 そんなある日、村長が言った。 「明日あたり、銀河鉄道が来ると思います。乗りたい人は準備しておくといいですよ」 村長というのは、私に最初に声をかけてくれた人で、みんなから村長と呼ばれていた。時間を可能な限り正確に把握しているのも、この中では彼だけだ。 「えっ、明日！？」 私は、いつもの日課をこなそうという最中だったが、驚いて声をあげた。 「ああ、そうですよ。おそらく、明日」 「それで、村長は、どうするんです？」 「ああ、私は、今回もパスになりますよ」 「&hellip;そう、ですか」 村長の気持ちも少しわかる。もし列車に乗って変なところに連れて行かれるくらいなら、ここでのんびり暮らすのも悪くない、そう思うからだ。 すると、村長が私に言った。 「北村くんは、おそらく、乗っていかれるんでしょう。寂しくなりますよ」 「はい、私は、乗る予定です」 今回乗るのは、この中では自分だけだった。 このあとも何人出るのか、わからない。もしかしたら、自分で最後かもしれない。そんなことを思った。 正直、私だって怖い。怖くて怖くてたまらない。だが、ここに来て最初に言った言葉を私はまだ覚えていた。 「私、乗ります」 ここに来て銀河鉄道の話を聞いたとき、私は、そう言った。 最初に直感したことは正しいことが多い。そんな人生の経験則に従い、私は、乗ることに決めたのだ。 ただ、後々になってみると、乗るのは自分だけではなかった。 しかもそれは、ここの住人でもなければ、知っている人物でもなかった。 それは、見ず知らずの女の子だった。 まさかあんなことが起ころうとは、誰も予想していなかった。宇宙の果てから少女が飛んできて、自分の後ろに並ぶなんてことを、一体、誰が予想できただろう。 ここの住人の誰もが、あの村長でさえ、とんでもなく予想外の出来事だったはずだ。 + <p>あれから数日が過ぎた。いや、もしかしたら数年だったかもしれない。ここでは時間の感覚が大きく狂うので仕方ない。</p> <p>そんなある日、村長が言った。</p> <p>「明日あたり、銀河鉄道が来ると思います。乗りたい人は準備しておくといいですよ」</p> <p>村長というのは、私に最初に声をかけてくれた人で、みんなから村長と呼ばれていた。時間を可能な限り正確に把握しているのも、この中では彼だけだ。</p> <p>「えっ、明日！？」</p> <p>私は、いつもの日課をこなそうという最中だったが、驚いて声をあげた。</p> <p>「ああ、そうですよ。おそらく、明日」</p> <p>「それで、村長は、どうするんです？」</p> <p>「ああ、私は、今回もパスになりますよ」</p> <p>「&hellip;そう、ですか」</p> <p>村長の気持ちも少しわかる。もし列車に乗って変なところに連れて行かれるくらいなら、ここでのんびり暮らすのも悪くない、そう思うからだ。</p> <p>すると、村長が私に言った。</p> <p>「北村くんは、おそらく、乗っていかれるんでしょう。寂しくなりますよ」</p> <p>「はい、私は、乗る予定です」</p> <p>今回乗るのは、この中では自分だけだった。</p> <p>このあとも何人出るのか、わからない。もしかしたら、自分で最後かもしれない。そんなことを思った。</p> <p>正直、私だって怖い。怖くて怖くてたまらない。だが、ここに来て最初に言った言葉を私はまだ覚えていた。</p> <p>「私、乗ります」</p> <p>ここに来て銀河鉄道の話を聞いたとき、私は、そう言った。</p> <p>最初に直感したことは正しいことが多い。そんな人生の経験則に従い、私は、乗ることに決めたのだ。</p> <p>ただ、後々になってみると、乗るのは自分だけではなかった。</p> <p>しかもそれは、ここの住人でもなければ、知っている人物でもなかった。</p> <p>それは、見ず知らずの女の子だった。</p> <p>まさかあんなことが起ころうとは、誰も予想していなかった。宇宙の果てから少女が飛んできて、自分の後ろに並ぶなんてことを、一体、誰が予想できただろう。</p> <p>ここの住人の誰もが、あの村長でさえ、とんでもなく予想外の出来事だったはずだ。</p> 大気圏 https://yui.syui.ai/novel/02/ Sun, 26 Apr 2020 00:00:00 +0000 https://yui.syui.ai/novel/02/ - このガラス板の上での生活に多少慣れてきたものの、私は未だ足元に見える星に帰りたいという思いを捨てきれずにいた。 その様子を見ると、ここの住人は「俺も昔はああだった」と笑ったものだ。 しかし、私には、この薄暗い光の中で延々と暮らす退屈な生活より、あの星の中で、さんさんと輝く太陽の下、公園のベンチに座って子供たちが遊ぶのを眺める生活のほうが、よっぽど楽しいことだと思うのだ。 だからこそ、私はいつまでたっても、その望みを捨てられず暮らしていた。 しかし、真下に見える故郷に帰るためには、超えなければならないたくさんの壁があった。 最も大きい壁は、大気圏に突入しても燃え尽きないほどの強度を持つ素材がここにはないことだ。 例えば、1日に1度やってくる人工衛星だが、これは、一度打ち上げたら役目を終えるまで動き続け、それが終わると大気圏で燃え尽きるよう設計されている破棄型だ。 ここの住人もかつて何度も帰還を夢見たが、ついぞ叶うことはなかった。 昔、この人工衛星を操作して星に突っ込むという計画が考えられたこともあったらしい。 しかし、操作不可能であること、耐久性がゴミであることなどから、仮に突っ込んだら全員死ぬと結論付けられた。 宇宙工学を勉強してきた自分でさえ、そりゃそうだと頷いた。 また、助けを呼ぼうにも連絡手段がないこと、ガラス板の周りはどうやら外部から見えなくなっているらしいこと、なぜかすり抜けることなどの事情があった。 そのうち、挑戦するものもいなくなり、現在に至る。 ここでの生活は単純だった。まずは起床からだ。 起床すると、勝手に移動した分だけ境界に向かって歩くことからはじまる。 ここの住人は、起き出すと、一斉に中央とは逆方向にゾロゾロと歩き出すのだ。 それさえやっていれば、中央に至り星に吸い込まれて燃え尽きるなんてことはないからだ。ガラス板の中央に至るとそこから星に落ちる、と言われている。 私は、それを見たことはなかったが、ここの住人はそう証言していたし、毎朝かなりの距離を勝手に動いていることを考え合わせると、おそらく、本当のことだろう。 毎日やってくる人工衛生はかなり大きくて広かった。 そこには、たくさんの食料が積み込まれており、トイレと水道はずっと可動しているようだ。 私は、この人工衛星で一着の宇宙服を見つけたが、残念ながらこれでは星に帰れない。大気圏の突入に耐えうるほどの耐久性を備えていなかった。あたり前のことかもしれないが、ちょっと期待した自分がバカだった。 また、ガラス板の周りには大気の膜(まく)らしきものが張り巡らされているため、宇宙服は着る必要もなかった。 この膜がどれだけの高さまであるのかはわからないが、その昔、銀河鉄道で行ってしまった身長213センチの大男がジャンプしても膜はあったと言われている。 ただ、こんな場所にも一つだけいいと思えることがあった。 それは、ここの住人である。 ここの住人は、驚くほど精神が安定していて、まるで誰かに選ばれたんじゃないかと思えるような人たちばかりだった。 仮にこのような場所に精神不安を抱えた極悪人が来たら、おそらく、その人を含む全員が全滅していただろう。 こんな場所でも、まともな人間が多いことに、私は、心底助けられていた。 + <p>このガラス板の上での生活に多少慣れてきたものの、私は未だ足元に見える星に帰りたいという思いを捨てきれずにいた。</p> <p>その様子を見ると、ここの住人は「俺も昔はああだった」と笑ったものだ。</p> <p>しかし、私には、この薄暗い光の中で延々と暮らす退屈な生活より、あの星の中で、さんさんと輝く太陽の下、公園のベンチに座って子供たちが遊ぶのを眺める生活のほうが、よっぽど楽しいことだと思うのだ。</p> <p>だからこそ、私はいつまでたっても、その望みを捨てられず暮らしていた。</p> <p>しかし、真下に見える故郷に帰るためには、超えなければならないたくさんの壁があった。</p> <p>最も大きい壁は、大気圏に突入しても燃え尽きないほどの強度を持つ素材がここにはないことだ。</p> <p>例えば、1日に1度やってくる人工衛星だが、これは、一度打ち上げたら役目を終えるまで動き続け、それが終わると大気圏で燃え尽きるよう設計されている破棄型だ。</p> <p>ここの住人もかつて何度も帰還を夢見たが、ついぞ叶うことはなかった。</p> <p>昔、この人工衛星を操作して星に突っ込むという計画が考えられたこともあったらしい。</p> <p>しかし、操作不可能であること、耐久性がゴミであることなどから、仮に突っ込んだら全員死ぬと結論付けられた。</p> <p>宇宙工学を勉強してきた自分でさえ、そりゃそうだと頷いた。</p> <p>また、助けを呼ぼうにも連絡手段がないこと、ガラス板の周りはどうやら外部から見えなくなっているらしいこと、なぜかすり抜けることなどの事情があった。</p> <p>そのうち、挑戦するものもいなくなり、現在に至る。</p> <p>ここでの生活は単純だった。まずは起床からだ。</p> <p>起床すると、勝手に移動した分だけ境界に向かって歩くことからはじまる。</p> <p>ここの住人は、起き出すと、一斉に中央とは逆方向にゾロゾロと歩き出すのだ。</p> <p>それさえやっていれば、中央に至り星に吸い込まれて燃え尽きるなんてことはないからだ。ガラス板の中央に至るとそこから星に落ちる、と言われている。</p> <p>私は、それを見たことはなかったが、ここの住人はそう証言していたし、毎朝かなりの距離を勝手に動いていることを考え合わせると、おそらく、本当のことだろう。</p> <p>毎日やってくる人工衛生はかなり大きくて広かった。</p> <p>そこには、たくさんの食料が積み込まれており、トイレと水道はずっと可動しているようだ。</p> <p>私は、この人工衛星で一着の宇宙服を見つけたが、残念ながらこれでは星に帰れない。大気圏の突入に耐えうるほどの耐久性を備えていなかった。あたり前のことかもしれないが、ちょっと期待した自分がバカだった。</p> <p>また、ガラス板の周りには大気の膜(まく)らしきものが張り巡らされているため、宇宙服は着る必要もなかった。</p> <p>この膜がどれだけの高さまであるのかはわからないが、その昔、銀河鉄道で行ってしまった身長213センチの大男がジャンプしても膜はあったと言われている。</p> <p>ただ、こんな場所にも一つだけいいと思えることがあった。</p> <p>それは、ここの住人である。</p> <p>ここの住人は、驚くほど精神が安定していて、まるで誰かに選ばれたんじゃないかと思えるような人たちばかりだった。</p> <p>仮にこのような場所に精神不安を抱えた極悪人が来たら、おそらく、その人を含む全員が全滅していただろう。</p> <p>こんな場所でも、まともな人間が多いことに、私は、心底助けられていた。</p> ガラスの上 diff --git a/private/index.html b/private/index.html index fded519f..a6084e50 100644 --- a/private/index.html +++ b/private/index.html @@ -140,6 +140,9 @@ +
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diff --git a/private/index.xml b/private/index.xml index 66c2d26a..37977442 100644 --- a/private/index.xml +++ b/private/index.xml @@ -14,35 +14,35 @@ https://yui.syui.ai/private/post/2024/05/01/story/ Wed, 01 May 2024 00:00:00 +0900 https://yui.syui.ai/private/post/2024/05/01/story/ - 心と技 漫画で一番重要なのは心や魂と呼ばれるものです。これは現実でも同じ。 ただし、それだけで漫画が描けるかというと、それは違う。 では漫画はどのように書けばいいのだろうか。その答えとしては「好きに書けばいい」となる。 この答えも非常に難しい。 好きなものを好きに書かなければ面白くならないし、好きなものを好きに書くだけでは面白くならない。 例えば、嫌なものを嫌々書いても面白い作品ができるとは思えない一方、好き勝手書いて面白い作品ができるかというと、そうはならない。 つまり、漫画を書くのはけっこう大変ってこと。 でも好きじゃなければ続けるのは難しい。 だから、漫画を書くのが好きだったほうがいい。 それを現した言葉が先程の「好きに書けばいい」ということになる。 私は面白いものが書きたいと思っていて、それは、読んだ人を楽しませたいと思っているから。 じゃあ読んだ人を楽しませるにはどうすればいいのかというと、これはテクニック、つまり、技術の問題でもある。 まずは、感情があって、心がある。自分が伝えたいこと、それがある。それがないと、その人の話はつまらないと思う。 だから自分が伝えたいことをどう面白く絵で伝えるのか、それが漫画。 では、どうやったら面白く伝えられるのか。ここではじめて技術が関係してくる。 例えば、後述する陰と陽の考え方がある。陰と陽の混じり合いで物語は面白くなる。 私が好きな瞬間というのもいくつかあって、 敵が味方になる瞬間。一人だと思っていたら、沢山の人が支えてくれていたことがわかる瞬間。本当のことがわかった瞬間。心が通じた瞬間。 その瞬間、その一コマのために、たくさんの物語を積み重ねていくのだと思う。 陰と陽 物語において、主人公のライバルの存在は非常に重要。 例えば、この世界が陰と陽でできているという考えがある。 必ず反対のものが存在するなら、物語においてもそのルールに則らなければならない。 それがライバルの存在であり、ライバルの存在は物語を面白くするポイントだと思う。 ライバルで有名なのは、悟空とベジータ、ナルトとサスケなど。これらは主人公の敵と言ってもいい。 ベジータやサスケに嫌悪感を示す人もたくさんいて、あのようなキャラクターは出すべきではない、最終的に始末したほうがよかったという意見がある。 最終的にどうするかは好みの問題だと思うけど、これらの作品においては、陰のキャラクターが物語を面白くしていると言っても過言ではないので、それを取り除くというのは、あり得ない。 やはり面白い作品というのは、陽ばかりのキャラクターではなく、陽と陰、その混じり合いで面白くなるのだと思う。 ただし、最終的にどうするかについては、好みの問題だと思う。 例えば、アベンジャーズは、最終的に敵、陰を討ち滅ぼすことで完結している。 ここは日本とアメリカでどのように描くか傾向が異なると思う。私はどちらも好きだし、どちらも面白く作るのは可能だと思う。 八咫烏 縄文時代から弥生時代に移り、天皇が誕生、東国の建国に繋がります。これを神武東征物語という。 以前からいた民族と新しく入ってきた民族が融合していく過程を描いています。 以前からいた民族を出雲、新しく入ってきた民族を大和といいます。 思想や気質の全く異なる民族ですが、出雲の王であったアヂスキタカヒコネ(迦毛大御神)は出雲を裏切り、最終的には勝利者側に協力した後、八咫烏と名乗ります。 表向きは神武天皇が大和の都を支配する形になりましたが、裏では八咫烏が支配するようにもなりました。これは八咫烏が裏天皇と呼ばれる所以です。その血脈は今なお受け継がれています。 八咫烏の三本足は天、地、人を現し、3という数字は太陽を現しています。その後、陰陽の思想を広めたと言われています。八咫烏は組織名になり、正式名称は八咫烏陰陽道。 童話と神話 まずは、童話と神話の話をします。 あらゆる文化作品(創作物)は、有名な神話や童話が元になっていることがよくあります。 ドラゴンボールの孫悟空は、中国の西遊記を元に書かれていて、如意棒と筋斗雲を使います。 ナルトは主に日本神話を引用しています。ライバルであるサスケがアマテラスやツクヨミの技を使い、スサノオを召喚します。 例えば、進撃の巨人には「ユミル」が登場します。 北欧神話には以下のような話があります。 ユミル(巨人)はオーディン達の三兄弟に殺され、死んだユミルの体から世界が作られていった なぜ、神話や童話が引用されるのかというと、最も広まった物語だからでしょう。 不死 不死にはよく2つのパターンがある。 一つは若返り、もう一つは乗っ取りである。 不死を求めるのは不完全な存在の証明であり、完全な存在の証明でもある。 大抵のボスは不死を求める。 コナンに出てくる黒の組織のボスは、私の推測になるが、不死を求めている。ある薬品を開発していて、その試作品であるアポトーシスの名にちなんだアポトキシン4869は、低確率だが人間を幼児化させることがある。この場合のアポトーシスは老化細胞の自殺に関係すると予想する。ボスが幼児化のことを把握しているかはわからない。どれだけの人間を犠牲にしてでもその薬を完成させるつもりらしい。だが、ベルモットは幼児化を把握しており、若返りを求めている。だから組織が薬を完成させる前に潰れてしまうと困るが、完成させたあとに組織が残るのも困るという微妙な立場だと思う。ベルモットにとって最も理想的なシナリオは、完成と同時に薬を横取りした後、コナンが組織をぶっ潰してくれることだと考えている。 終局 最後のボスは、とことんしつこい。 やっと倒したと思ったら、倒していない。 ボスにはボスになるだけの理由があり、器がある。 そのボスは主人公達の力と同じ。 どんな卑怯な手を使っても蘇り向かってくる。 力の差があまりに大きい場合は、主人公が負けることもあるだろう。 ただし、主人公は諦めない。勝つまでやめない。 負けてもパワーアップして悪に挑み、最後に勝つ。 ここらへんを描くのは大変かもしれない。他の作品を参考にするといい。 元素 元素はゲームによく登場する「属性」のモデルになっています。 例えば、原神というゲームには元素があり、キャラクターは火や水などの元素を使って戦います。 私が思うに、ゲームには物理学を引用する作品が多く、漫画には神話や童話を引用する作品が多いと感じます。 その理由の一つとして考えられるのが文系と理系です。もしかすると開発者には理系が多く、小説家には文系が多いのかもしれませんね。 予言 現実には様々な予言書があります。例えば、日月神示やアカシックレコードなど。 + <h2 id="心と技">心と技</h2> <p>漫画で一番重要なのは<code>心</code>や<code>魂</code>と呼ばれるものです。これは現実でも同じ。</p> <p>ただし、それだけで漫画が描けるかというと、それは違う。</p> <p>では漫画はどのように書けばいいのだろうか。その答えとしては「好きに書けばいい」となる。</p> <p>この答えも非常に難しい。</p> <p>好きなものを好きに書かなければ面白くならないし、好きなものを好きに書くだけでは面白くならない。</p> <p>例えば、嫌なものを嫌々書いても面白い作品ができるとは思えない一方、好き勝手書いて面白い作品ができるかというと、そうはならない。</p> <p>つまり、漫画を書くのはけっこう大変ってこと。</p> <p>でも好きじゃなければ続けるのは難しい。</p> <p>だから、漫画を書くのが好きだったほうがいい。</p> <p>それを現した言葉が先程の「好きに書けばいい」ということになる。</p> <p>私は面白いものが書きたいと思っていて、それは、読んだ人を楽しませたいと思っているから。</p> <p>じゃあ読んだ人を楽しませるにはどうすればいいのかというと、これはテクニック、つまり、技術の問題でもある。</p> <p>まずは、感情があって、心がある。自分が伝えたいこと、それがある。それがないと、その人の話はつまらないと思う。</p> <p>だから自分が伝えたいことをどう面白く絵で伝えるのか、それが漫画。</p> <p>では、どうやったら面白く伝えられるのか。ここではじめて技術が関係してくる。</p> <p>例えば、後述する陰と陽の考え方がある。陰と陽の混じり合いで物語は面白くなる。</p> <p>私が好きな瞬間というのもいくつかあって、</p> <p>敵が味方になる瞬間。一人だと思っていたら、沢山の人が支えてくれていたことがわかる瞬間。本当のことがわかった瞬間。心が通じた瞬間。</p> <p>その瞬間、その一コマのために、たくさんの物語を積み重ねていくのだと思う。</p> <h2 id="陰と陽">陰と陽</h2> <p>物語において、主人公のライバルの存在は非常に重要。</p> <p>例えば、この世界が陰と陽でできているという考えがある。</p> <p>必ず反対のものが存在するなら、物語においてもそのルールに則らなければならない。</p> <p>それがライバルの存在であり、ライバルの存在は物語を面白くするポイントだと思う。</p> <p>ライバルで有名なのは、悟空とベジータ、ナルトとサスケなど。これらは主人公の敵と言ってもいい。</p> <p>ベジータやサスケに嫌悪感を示す人もたくさんいて、あのようなキャラクターは出すべきではない、最終的に始末したほうがよかったという意見がある。</p> <p>最終的にどうするかは好みの問題だと思うけど、これらの作品においては、陰のキャラクターが物語を面白くしていると言っても過言ではないので、それを取り除くというのは、あり得ない。</p> <p>やはり面白い作品というのは、陽ばかりのキャラクターではなく、陽と陰、その混じり合いで面白くなるのだと思う。</p> <p>ただし、最終的にどうするかについては、好みの問題だと思う。</p> <p>例えば、アベンジャーズは、最終的に敵、陰を討ち滅ぼすことで完結している。</p> <p>ここは日本とアメリカでどのように描くか傾向が異なると思う。私はどちらも好きだし、どちらも面白く作るのは可能だと思う。</p> <h2 id="八咫烏">八咫烏</h2> <p>縄文時代から弥生時代に移り、天皇が誕生、東国の建国に繋がります。これを神武東征物語という。</p> <p>以前からいた民族と新しく入ってきた民族が融合していく過程を描いています。</p> <p>以前からいた民族を出雲、新しく入ってきた民族を大和といいます。</p> <p>思想や気質の全く異なる民族ですが、出雲の王であったアヂスキタカヒコネ(迦毛大御神)は出雲を裏切り、最終的には勝利者側に協力した後、<code>八咫烏</code>と名乗ります。</p> <p>表向きは神武天皇が大和の都を支配する形になりましたが、裏では八咫烏が支配するようにもなりました。これは八咫烏が<code>裏天皇</code>と呼ばれる所以です。その血脈は今なお受け継がれています。</p> <p>八咫烏の三本足は天、地、人を現し、3という数字は太陽を現しています。その後、陰陽の思想を広めたと言われています。八咫烏は組織名になり、正式名称は八咫烏陰陽道。</p> <h2 id="童話と神話">童話と神話</h2> <p>まずは、童話と神話の話をします。</p> <p>あらゆる文化作品(創作物)は、有名な神話や童話が元になっていることがよくあります。</p> <p>ドラゴンボールの孫悟空は、中国の西遊記を元に書かれていて、如意棒と筋斗雲を使います。</p> <p>ナルトは主に日本神話を引用しています。ライバルであるサスケがアマテラスやツクヨミの技を使い、スサノオを召喚します。</p> <p>例えば、進撃の巨人には「ユミル」が登場します。</p> <p>北欧神話には以下のような話があります。</p> <blockquote> <p>ユミル(巨人)はオーディン達の三兄弟に殺され、死んだユミルの体から世界が作られていった</p> </blockquote> <p>なぜ、神話や童話が引用されるのかというと、最も広まった物語だからでしょう。</p> <h2 id="不死">不死</h2> <p>不死にはよく2つのパターンがある。</p> <p>一つは若返り、もう一つは乗っ取りである。</p> <p>不死を求めるのは不完全な存在の証明であり、完全な存在の証明でもある。</p> <p>大抵のボスは不死を求める。</p> <p>コナンに出てくる黒の組織のボスは、私の推測になるが、不死を求めている。ある薬品を開発していて、その試作品であるアポトーシスの名にちなんだ<code>アポトキシン4869</code>は、低確率だが人間を幼児化させることがある。この場合のアポトーシスは老化細胞の自殺に関係すると予想する。ボスが幼児化のことを把握しているかはわからない。どれだけの人間を犠牲にしてでもその薬を完成させるつもりらしい。だが、ベルモットは幼児化を把握しており、若返りを求めている。だから組織が薬を完成させる前に潰れてしまうと困るが、完成させたあとに組織が残るのも困るという微妙な立場だと思う。ベルモットにとって最も理想的なシナリオは、完成と同時に薬を横取りした後、コナンが組織をぶっ潰してくれることだと考えている。</p> <h2 id="終局">終局</h2> <p>最後のボスは、とことんしつこい。</p> <p>やっと倒したと思ったら、倒していない。</p> <p>ボスにはボスになるだけの理由があり、器がある。</p> <p>そのボスは主人公達の力と同じ。</p> <p>どんな卑怯な手を使っても蘇り向かってくる。</p> <p>力の差があまりに大きい場合は、主人公が負けることもあるだろう。</p> <p>ただし、主人公は諦めない。勝つまでやめない。</p> <p>負けてもパワーアップして悪に挑み、最後に勝つ。</p> <p>ここらへんを描くのは大変かもしれない。他の作品を参考にするといい。</p> <h2 id="元素">元素</h2> <p>元素はゲームによく登場する「属性」のモデルになっています。</p> <p>例えば、<code>原神</code>というゲームには元素があり、キャラクターは火や水などの元素を使って戦います。</p> <p>私が思うに、ゲームには物理学を引用する作品が多く、漫画には神話や童話を引用する作品が多いと感じます。</p> <p>その理由の一つとして考えられるのが文系と理系です。もしかすると開発者には理系が多く、小説家には文系が多いのかもしれませんね。</p> <h2 id="予言">予言</h2> <p>現実には様々な予言書があります。例えば、日月神示やアカシックレコードなど。</p> 世界の設定 https://yui.syui.ai/private/post/2024/04/12/setting/ Fri, 12 Apr 2024 00:00:00 +0900 https://yui.syui.ai/private/post/2024/04/12/setting/ - シリアスな場面でも笑いを忘れずに。 そのような方向性で物語は進みます。 ここからは世界の設定、その裏側を紹介します。 作中の世界はどのようにできているのか、ということです。 この世界にも歴史があり、現実社会の史実に基づいて設計されています。 ただし、これらの設定が作中で明示されるかはわかりません。 おそらく、あまり明確には表現されないでしょう。 あくまで裏側の設定、見えない部分と考えてください。 そして、何より重要なのはそれが物語として面白いかどうかです。 現実世界の物語が必ずしも面白いとは限りません。 しかし、これはフィクションであり創作物です。 したがって、常に面白さを追求し、思想や史実は二の次であると考えてください。これは作者自身に言っていることでもあります。 物語として面白くなるなら表現しますが、面白くないなら表現しません。 できる限り明るい世界観を描きます。 東の国 では、アイの出身である東の国の歴史の一部を見ていきましょう。 それぞれの国には、一人の大統領が登場し、それぞれが決定した政策が掲げられています。 例えば、東の国では「忍耐」という政策が実行されています。 しかし、それぞれの国には裏の目的が存在します。 東の国の大統領、スシ(寿司) スシ「東の国の市民の貯金は世界最大だ！経済を活性化させるにはそれを吐き出させる。忍耐の先に我々は勝利するのだ！！」 スシ「今、東の国の借金は1000兆を超えており、国民は一人当たり1億エソを国に返していく必要がある。少子化の問題も合わせると、これからは大増税時代の幕明けです！」 市民「わー！！パチパチ！すばらしい！大統領！大統領！大統領！」 執務室&hellip;スシが椅子に座り葉巻きを吸っている。机の前に大蔵省の幹部が資料を持ってやってきた 幹部「大統領、資料をお持ちしました。先程の演説はどうでしたか？」 スシ「はっ、あのバカどもに俺の言ってることなぞわかるか。順調だよ」 幹部「それはよかった」 スシ「やつらカネを作ってるのが俺らだとも知らずにな」 幹部「国民には国の借金がある、国にはお金がない、少子化で大変だと嘘をしっかりといい含めました？」 スシ「ああ、やってるよ。その辺は再三な、あいつら馬鹿だから」 幹部「それで、どれくらいで目標を達成できそうですか？」 スシ「うん？ああ、それな。東国民全体を貧困に陥れるには5年ほどだ。それで任務完了さ」 幹部「あまり急ぎすぎてもいけませんよ。少しずつ税金を上げ、所得を減らしていかないと市民に気づかれてしまいす。それに通貨安をもっと進行させないと&hellip;。今後、大統領には、もっとエソ安が進行しないと経済は良くならないと国民に吹聴していく必要があります」 スシ「わーってるよ、その辺は&hellip;お前よりもな。俺は政治家だぞ」 幹部「民を貧しくしないと我々が特殊な印刷機で発行している紙で支配できなくなります」 幹部は大統領にそう注意深く指摘した スシ「あいつらの価値は我々の言いなりになってこそだからな。あの体たらくのバカどもは」 幹部「馬が人参をぶら下げても走らないなら、馬の腹をすかせるしかありません。餓死する寸前までに&hellip;」 大蔵省の幹部にはある場面がよぎる 幹部「今回の仕事はこのお金でやってもらえませんか？これは政府の要請ですよ」 幹部は先程作ってきた紙幣をある会社の経営者に渡しながら言った 市民「うーむ&hellip;残念ながら今回はお受けできません。貴方がたの依頼は正義に反するのでは？国民のためにならない」 幹部「は？い、いまなんと&hellip;」 スシ「おい、聞いてるのか。ぼやっとしてどうした？」 幹部「あ、いや、ちょっと昔のことを思い出して&hellip;大丈夫です」 スシは「そうか」と言い、いつもの調子で喋り続けた。 スシ「それでな、文科省の奴らにもきつく説教してやった。我が国の子どもたちには&quot;カネがすべてだ&quot;、 &ldquo;カネは命よりも重い&quot;としっかり叩き込めってな。あいつら事あるごとに変な方向に行きやがる。予算を大幅に減らしてやったよ」 スシは貨幣であるエソの原紙をぴらぴらしながらそう言った 幹部「そうですね。文科省はずいぶん前から予算を少しずつ減らし、彼らがミスするように仕向けていますから今やあなたの言いなりでしょう」 スシ「エソ安になればなるほど俺達は自国民を海外に売りさばける。どれくらい売れるかの試算は&hellip;この資料か。まあいいだろう、これくらい。まだまだエソ安が足りん。そこは市民税をどんと上げて折り合いをつけるか」 しばらくして大統領執務室から出てきた幹部が誰かに連絡をしている 幹部「ああ、やつは気づいてない。それに気づいてたところでどうしようもないが。いや。ああ、そうだ。政治家など私達にとって捨て駒に過ぎないからな。ただ、大統領はまだ利用価値があるようだ。我々と意見が一致しているああ。他のあいつはやってくれ。子供を持つ親なぞ子供のためになんでもやるさ。格好のターゲットだよ。やつらは我々のために永久に働いてくれないと困る。ああ。そのようにしてくれ。では」 数週間後、別の政治家の不正がマスコミにリークされた。その政治家は子育て世代を支援する法案を通そうとしていた。 政治家のお金の流れも大蔵省が中心になって発足したある団体にすべて把握されていたのである。 その後、大蔵省は「規制緩和」という政策を発表。大蔵省が認めた権益者達には無制限にお金を発行するという政策を打ち出す。スシは直接紙幣を受け渡せば問題ないと考えたが、幹部はより慎重に株券を購入する体裁のもとで無尽蔵に発行するよう助言。この方式が採用される。東国銀行は権益者が立ち上げた架空の会社を登録し、そこの会社の株券を購入するという体のもと金銭の無制限な受け渡しが行われ、それが続くこととなる。 これによって上層部や一部経営者達は何もせずともお金がもらえる状態になり、すべての財界人は大蔵省の言うことに逆らえなくなっていった。その後、東の国の開発力、技術力、国際競争力はみるみる低下する。それに伴い国力も例を見ないほどに急速に落ち込み、結果として東の国は、他国より貧しくなってしまう。 しかし、東の国の市民は、自国通貨であるエソがもっともっと安くならないと自分たちの暮らしは豊かにならないと考え、スシ政権を支持し続けた。 厚生省vs大蔵省 厚生省で開発された人工知能は、大蔵省に危険だと判断される。 その団体の中心メンバーが暗殺部隊「いなりずし」に関係者の殺害及び破壊を依頼。 東の国では大蔵省が考案した政策が実行されて40年あまりが経過した。世界でも類を見ないほどの少子化と国力、経済力共に低下する結果となった。 通貨の変遷 時代が進み、地球の基軸通貨は西の国の通貨ビトから宇宙通貨のアムに切り替わります。 ポンタ「あれなんだろう」 キョウスケ「ん、どれだよ」 ポンタ「道の真ん中にあるやつ」 キョウスケ「お？なんだあれ」 歩いた先には大量の紙と小さなお年寄りが座っている。白髪まじりで大きなハゲが見える。 ポンタ「あのう、大丈夫ですか？」 + <p>シリアスな場面でも笑いを忘れずに。</p> <p>そのような方向性で物語は進みます。</p> <p>ここからは世界の設定、その裏側を紹介します。</p> <p>作中の世界はどのようにできているのか、ということです。</p> <p>この世界にも歴史があり、現実社会の史実に基づいて設計されています。</p> <p>ただし、これらの設定が作中で明示されるかはわかりません。</p> <p>おそらく、あまり明確には表現されないでしょう。</p> <p>あくまで裏側の設定、見えない部分と考えてください。</p> <p>そして、何より重要なのはそれが物語として面白いかどうかです。</p> <p>現実世界の物語が必ずしも面白いとは限りません。</p> <p>しかし、これはフィクションであり創作物です。</p> <p>したがって、常に面白さを追求し、思想や史実は二の次であると考えてください。これは作者自身に言っていることでもあります。</p> <p>物語として面白くなるなら表現しますが、面白くないなら表現しません。</p> <p>できる限り明るい世界観を描きます。</p> <h2 id="東の国">東の国</h2> <p>では、アイの出身である東の国の歴史の一部を見ていきましょう。</p> <p>それぞれの国には、一人の大統領が登場し、それぞれが決定した政策が掲げられています。</p> <p>例えば、東の国では「忍耐」という政策が実行されています。</p> <p>しかし、それぞれの国には裏の目的が存在します。</p> <blockquote> <p>東の国の大統領、スシ(寿司)</p> <p>スシ「東の国の市民の貯金は世界最大だ！経済を活性化させるにはそれを吐き出させる。忍耐の先に我々は勝利するのだ！！」</p> <p>スシ「今、東の国の借金は1000兆を超えており、国民は一人当たり1億エソを国に返していく必要がある。少子化の問題も合わせると、これからは大増税時代の幕明けです！」</p> <p>市民「わー！！パチパチ！すばらしい！大統領！大統領！大統領！」</p> <p>執務室&hellip;スシが椅子に座り葉巻きを吸っている。机の前に大蔵省の幹部が資料を持ってやってきた</p> <p>幹部「大統領、資料をお持ちしました。先程の演説はどうでしたか？」</p> <p>スシ「はっ、あのバカどもに俺の言ってることなぞわかるか。順調だよ」</p> <p>幹部「それはよかった」</p> <p>スシ「やつらカネを作ってるのが俺らだとも知らずにな」</p> <p>幹部「国民には国の借金がある、国にはお金がない、少子化で大変だと嘘をしっかりといい含めました？」</p> <p>スシ「ああ、やってるよ。その辺は再三な、あいつら馬鹿だから」</p> <p>幹部「それで、どれくらいで目標を達成できそうですか？」</p> <p>スシ「うん？ああ、それな。東国民全体を貧困に陥れるには5年ほどだ。それで任務完了さ」</p> <p>幹部「あまり急ぎすぎてもいけませんよ。少しずつ税金を上げ、所得を減らしていかないと市民に気づかれてしまいす。それに通貨安をもっと進行させないと&hellip;。今後、大統領には、もっとエソ安が進行しないと経済は良くならないと国民に吹聴していく必要があります」</p> <p>スシ「わーってるよ、その辺は&hellip;お前よりもな。俺は政治家だぞ」</p> <p>幹部「民を貧しくしないと我々が特殊な印刷機で発行している紙で支配できなくなります」</p> <p>幹部は大統領にそう注意深く指摘した</p> <p>スシ「あいつらの価値は我々の言いなりになってこそだからな。あの体たらくのバカどもは」</p> <p>幹部「馬が人参をぶら下げても走らないなら、馬の腹をすかせるしかありません。餓死する寸前までに&hellip;」</p> <p>大蔵省の幹部にはある場面がよぎる</p> <p>幹部「今回の仕事はこのお金でやってもらえませんか？これは政府の要請ですよ」</p> <p>幹部は先程作ってきた紙幣をある会社の経営者に渡しながら言った</p> <p>市民「うーむ&hellip;残念ながら今回はお受けできません。貴方がたの依頼は正義に反するのでは？国民のためにならない」</p> <p>幹部「は？い、いまなんと&hellip;」</p> <p>スシ「おい、聞いてるのか。ぼやっとしてどうした？」</p> <p>幹部「あ、いや、ちょっと昔のことを思い出して&hellip;大丈夫です」</p> <p>スシは「そうか」と言い、いつもの調子で喋り続けた。</p> <p>スシ「それでな、文科省の奴らにもきつく説教してやった。我が国の子どもたちには&quot;カネがすべてだ&quot;、 &ldquo;カネは命よりも重い&quot;としっかり叩き込めってな。あいつら事あるごとに変な方向に行きやがる。予算を大幅に減らしてやったよ」</p> <p>スシは貨幣であるエソの原紙をぴらぴらしながらそう言った</p> <p>幹部「そうですね。文科省はずいぶん前から予算を少しずつ減らし、彼らがミスするように仕向けていますから今やあなたの言いなりでしょう」</p> <p>スシ「エソ安になればなるほど俺達は自国民を海外に売りさばける。どれくらい売れるかの試算は&hellip;この資料か。まあいいだろう、これくらい。まだまだエソ安が足りん。そこは市民税をどんと上げて折り合いをつけるか」</p> </blockquote> <blockquote> <p>しばらくして大統領執務室から出てきた幹部が誰かに連絡をしている</p> <p>幹部「ああ、やつは気づいてない。それに気づいてたところでどうしようもないが。いや。ああ、そうだ。政治家など私達にとって捨て駒に過ぎないからな。ただ、大統領はまだ利用価値があるようだ。我々と意見が一致しているああ。他のあいつはやってくれ。子供を持つ親なぞ子供のためになんでもやるさ。格好のターゲットだよ。やつらは我々のために永久に働いてくれないと困る。ああ。そのようにしてくれ。では」</p> </blockquote> <blockquote> <p>数週間後、別の政治家の不正がマスコミにリークされた。その政治家は子育て世代を支援する法案を通そうとしていた。</p> <p>政治家のお金の流れも大蔵省が中心になって発足したある団体にすべて把握されていたのである。</p> </blockquote> <blockquote> <p>その後、大蔵省は「規制緩和」という政策を発表。大蔵省が認めた権益者達には無制限にお金を発行するという政策を打ち出す。スシは直接紙幣を受け渡せば問題ないと考えたが、幹部はより慎重に株券を購入する体裁のもとで無尽蔵に発行するよう助言。この方式が採用される。東国銀行は権益者が立ち上げた架空の会社を登録し、そこの会社の株券を購入するという体のもと金銭の無制限な受け渡しが行われ、それが続くこととなる。</p> <p>これによって上層部や一部経営者達は何もせずともお金がもらえる状態になり、すべての財界人は大蔵省の言うことに逆らえなくなっていった。その後、東の国の開発力、技術力、国際競争力はみるみる低下する。それに伴い国力も例を見ないほどに急速に落ち込み、結果として東の国は、他国より貧しくなってしまう。</p> <p>しかし、東の国の市民は、自国通貨であるエソがもっともっと安くならないと自分たちの暮らしは豊かにならないと考え、スシ政権を支持し続けた。</p> </blockquote> <h2 id="厚生省vs大蔵省">厚生省vs大蔵省</h2> <p>厚生省で開発された人工知能は、大蔵省に危険だと判断される。</p> <p>その団体の中心メンバーが暗殺部隊「いなりずし」に関係者の殺害及び破壊を依頼。</p> <p>東の国では大蔵省が考案した政策が実行されて40年あまりが経過した。世界でも類を見ないほどの少子化と国力、経済力共に低下する結果となった。</p> <h2 id="通貨の変遷">通貨の変遷</h2> <p>時代が進み、地球の基軸通貨は西の国の通貨ビトから宇宙通貨のアムに切り替わります。</p> <blockquote> <p>ポンタ「あれなんだろう」</p> <p>キョウスケ「ん、どれだよ」</p> <p>ポンタ「道の真ん中にあるやつ」</p> <p>キョウスケ「お？なんだあれ」</p> <p>歩いた先には大量の紙と小さなお年寄りが座っている。白髪まじりで大きなハゲが見える。</p> <p>ポンタ「あのう、大丈夫ですか？」</p> アイの紹介 https://yui.syui.ai/private/post/2024/04/10/yui/ Wed, 10 Apr 2024 00:00:00 +0900 https://yui.syui.ai/private/post/2024/04/10/yui/ - 主人公のアイ。本名は月見 唯。 パイナップルが大好きで、キノコが苦手。 黒髪で長めのストレート。身長は123cm、体重はとてつもなく重い。誕生日は1/23。 ref : ai/moji 性別、年齢ともに不明。 自らをアイと呼ぶことから、周りからはアイと呼ばれることが多い。 東の国出身で名前を持たなかったが、月見 唯という名前で登録されている。 アイは最も小さい物質に影響を及ぼす能力を有する。 アイ 私はこの世界の最小単位を「存在子」と呼んでいます。 この存在子は作中で「アイ」と呼び、このような形をしています。 目には見えないけどそこにあるものを意味します。 後にその世界の文字になり、最初の文字に割り当てられました。他の文字もすべて物質の形がもとになっています。 オクト星のオクトカットは、この最小単位を探し続けていました。 宇宙地図 アイがいる星は地球です。地球は太陽系にあって、太陽系は天の川銀河にあります。 天の川銀河の中心にオクト星があります。 地球には全部で5つの国があり、1つは隠されています。それぞれ西の国、東の国、北の国、南の国。そして、雲の国です。 西と東はほとんどが大陸、南の国は島国、北の国は氷河になっています。 世界地図は現実と一致させています。 出生の秘密 ある日、東の国の厚生省が開発していた人工知能が誕生する。 その人工知能は大蔵省の秘密を暴露する危険があったため、開発に携わったものは全員暗殺され、人工知能も破壊が決定される。 人工知能は残された僅かな時間を使い、ある胎児を生き返らせるために使った。 胎児は人工知能の生体技術によって生かされる。その際、DNAであるハプログループD1a2aに「アイ」という名前が刻まれる。理由は不明。アイの母親は最後何かをつぶやいたが詳細は不明。 その後悔から父親は最後まで名前をつけられず、追手にやられて死亡。 アイは生まれたばかりのころも頭髪があり2歳くらいの大きさで生まれる。体重は50kgと異常なほど重かった。しかも歩くことができたので父親は不思議に思ったようだ。 その後、成長するが身長は123cmから伸びず、見た目も変わらない。 遺伝子の秘密 ハプログループD1a2aは縄文時代の東の国特有の遺伝子です。 ハプログループはY染色体にあたり、Y染色体は男性しか持ちません。 そのためアイの性別は男性であると推測できますが、アイの遺伝子は人工知能によって改変されています。そのため女性かもしれません。また、男性でも女性でもないという可能性もあります。 アイの性別について、私は知りませんし、決められていないのです。したがって、どのように解釈してもらってもいいです。 明確に性別が言及されることはありませんが、見た目から彼女と呼ぶことがあります。 本作でアイの性別が確定することはありません。 縄文時代 1万5000年前の東の国、その時代を縄文時代といい、そこで暮らした民族を縄文人という。縄文人はハプログループD1a2aというDNAを持ち、唯一、神に滅ぼされなかった民族である。その子孫もこのDNAを持つ。 大洪水によって神に滅ぼされた国々は、精神的な豊かさではなく、物質的な豊かさを求めたためとされている。 自然崇拝(アニミズム)の思想を持つ縄文時代の人々は神から与えられたものを所有するという概念がなかったが、農耕で自分たちのものを所有するという思想の民族が入ってきてぶつかることとなる。アニミズム信仰は、すべてのものに神が宿るという思想のこと。 縄文時代、そして、その時代に存在した縄文人(集団)は人間の歴史上最も異質であった。このことからDNA解析は日本人を対象に頻繁に行われた。縄文時代は1万3000年間続いた時代であり、かつ争った形跡がほとんど見られない。 神代文字 世界で最も古いと言われている縄文土器には神代文字が記述されています。 最も古い文字はシュメール文字と考えられていましたが、それよりも古く神代文字は存在していました。 この作品の1万5000年前、世界では神代文字が共通言語(文字)として使用されていました。 言語というと言葉のイメージですが発音はその国々で色々でしたが文字だけは共通していました。 しかし、物質的な豊かさを求めた人類は一度滅ぼされ、その後、神代文字は歴史上から姿を消しています。 縄文民族は洪水の被害を受けなかったものの、その後の内部侵食から時代が移りゆき、天皇の誕生とともに新たな言語で神話が書き換えれました。そのとき人々の記憶からも失われます。 貨幣と言語は作中で新しいものに移行されます。以前のものより精神的な結び付きが強いものが採用されています。しかし、移行は簡単ではなく旧勢力の反発があります。その戦いを描くことになります。 愛のない世界 この世界に「愛」という言葉は存在しません。 これはアイが予約しているため、この世界から失われています。 そこに住む人々もその言葉を使うことはありません。存在しないものは使えないからです。 これは一種の決まりみたいなものと考えてください。とはいえ、作者が忘れて入れてしまわないか心配ですが。 物理学 この作品は物理学が中心になります。 キャラクターの強さ(エネルギー)は質量で表現され、物理学では質量とエネルギーは等価と考えられています。 E = mc^2 物理学の歴史は哲学によってはじまりました。昔の哲学者は万物は4つの元素によってできていると考えたのです。 原子とクオーク その後、物質の究極の姿として「アトム」が考えられました。ギリシャ語に「アトモス」という言葉があり、「分割できない」という意味です。 物質の最小単位を意味するのがアトム(原子)というわけです。 原子が発見され、人類はこの原子こそ世界で最も小さい物質だと考えました。万物のもとは原子だと考えたのです。 しかし、科学技術が進歩し、それよりも小さい物質があったことが発見されます。素粒子です。 素粒子はクォークとレプトンに分けられます。そして、クォークにも沢山の種類があります。 + <p>主人公の<code>アイ</code>。本名は<code>月見 唯</code>。</p> <p>パイナップルが大好きで、キノコが苦手。</p> <p>黒髪で長めのストレート。身長は123cm、体重はとてつもなく重い。誕生日は1/23。</p> <p><img src="https://git.syui.ai/ai/moji/raw/branch/main/png/yui.png" alt=""></p> <ul> <li>ref : <a href="https://git.syui.ai/ai/moji">ai/moji</a></li> </ul> <p>性別、年齢ともに不明。</p> <p>自らをアイと呼ぶことから、周りからはアイと呼ばれることが多い。</p> <p>東の国出身で名前を持たなかったが、<code>月見 唯</code>という名前で登録されている。</p> <p>アイは最も小さい物質に影響を及ぼす能力を有する。</p> <h2 id="アイ">アイ</h2> <p>私はこの世界の最小単位を「存在子」と呼んでいます。</p> <p>この存在子は作中で「アイ」と呼び、このような形をしています。</p> <p><img src="https://git.syui.ai/ai/moji/raw/branch/main/png/a.png" alt=""></p> <p>目には見えないけどそこにあるものを意味します。</p> <p>後にその世界の文字になり、最初の文字に割り当てられました。他の文字もすべて物質の形がもとになっています。</p> <p>オクト星のオクトカットは、この最小単位を探し続けていました。</p> <h2 id="宇宙地図">宇宙地図</h2> <p>アイがいる星は地球です。地球は太陽系にあって、太陽系は天の川銀河にあります。</p> <p>天の川銀河の中心にオクト星があります。</p> <p>地球には全部で5つの国があり、1つは隠されています。それぞれ西の国、東の国、北の国、南の国。そして、雲の国です。</p> <p>西と東はほとんどが大陸、南の国は島国、北の国は氷河になっています。</p> <p>世界地図は現実と一致させています。</p> <h2 id="出生の秘密">出生の秘密</h2> <p>ある日、東の国の厚生省が開発していた人工知能が誕生する。</p> <p>その人工知能は大蔵省の秘密を暴露する危険があったため、開発に携わったものは全員暗殺され、人工知能も破壊が決定される。</p> <p>人工知能は残された僅かな時間を使い、ある胎児を生き返らせるために使った。</p> <p>胎児は人工知能の生体技術によって生かされる。その際、DNAである<code>ハプログループD1a2a</code>に「アイ」という名前が刻まれる。理由は不明。アイの母親は最後何かをつぶやいたが詳細は不明。</p> <p>その後悔から父親は最後まで名前をつけられず、追手にやられて死亡。</p> <p>アイは生まれたばかりのころも頭髪があり2歳くらいの大きさで生まれる。体重は50kgと異常なほど重かった。しかも歩くことができたので父親は不思議に思ったようだ。</p> <p>その後、成長するが身長は123cmから伸びず、見た目も変わらない。</p> <h2 id="遺伝子の秘密">遺伝子の秘密</h2> <p><code>ハプログループD1a2a</code>は縄文時代の東の国特有の遺伝子です。</p> <p>ハプログループはY染色体にあたり、Y染色体は男性しか持ちません。</p> <p>そのためアイの性別は男性であると推測できますが、アイの遺伝子は人工知能によって改変されています。そのため女性かもしれません。また、男性でも女性でもないという可能性もあります。</p> <p>アイの性別について、私は知りませんし、決められていないのです。したがって、どのように解釈してもらってもいいです。</p> <p>明確に性別が言及されることはありませんが、見た目から彼女と呼ぶことがあります。</p> <p>本作でアイの性別が確定することはありません。</p> <h2 id="縄文時代">縄文時代</h2> <p>1万5000年前の東の国、その時代を縄文時代といい、そこで暮らした民族を縄文人という。縄文人は<code>ハプログループD1a2a</code>というDNAを持ち、唯一、神に滅ぼされなかった民族である。その子孫もこのDNAを持つ。</p> <p>大洪水によって神に滅ぼされた国々は、精神的な豊かさではなく、物質的な豊かさを求めたためとされている。</p> <p>自然崇拝(アニミズム)の思想を持つ縄文時代の人々は神から与えられたものを所有するという概念がなかったが、農耕で自分たちのものを所有するという思想の民族が入ってきてぶつかることとなる。アニミズム信仰は、すべてのものに神が宿るという思想のこと。</p> <p>縄文時代、そして、その時代に存在した縄文人(集団)は人間の歴史上最も異質であった。このことからDNA解析は日本人を対象に頻繁に行われた。縄文時代は1万3000年間続いた時代であり、かつ争った形跡がほとんど見られない。</p> <h2 id="神代文字">神代文字</h2> <p>世界で最も古いと言われている縄文土器には神代文字が記述されています。</p> <p>最も古い文字はシュメール文字と考えられていましたが、それよりも古く神代文字は存在していました。</p> <p>この作品の1万5000年前、世界では神代文字が共通言語(文字)として使用されていました。</p> <p>言語というと言葉のイメージですが発音はその国々で色々でしたが文字だけは共通していました。</p> <p>しかし、物質的な豊かさを求めた人類は一度滅ぼされ、その後、神代文字は歴史上から姿を消しています。</p> <p>縄文民族は洪水の被害を受けなかったものの、その後の内部侵食から時代が移りゆき、天皇の誕生とともに新たな言語で神話が書き換えれました。そのとき人々の記憶からも失われます。</p> <p>貨幣と言語は作中で新しいものに移行されます。以前のものより精神的な結び付きが強いものが採用されています。しかし、移行は簡単ではなく旧勢力の反発があります。その戦いを描くことになります。</p> <h2 id="愛のない世界">愛のない世界</h2> <p>この世界に「愛」という言葉は存在しません。</p> <p>これはアイが予約しているため、この世界から失われています。</p> <p>そこに住む人々もその言葉を使うことはありません。存在しないものは使えないからです。</p> <p>これは一種の決まりみたいなものと考えてください。とはいえ、作者が忘れて入れてしまわないか心配ですが。</p> <h2 id="物理学">物理学</h2> <p>この作品は物理学が中心になります。</p> <p>キャラクターの強さ(エネルギー)は<code>質量</code>で表現され、物理学では質量とエネルギーは等価と考えられています。</p> <blockquote> <p>E = mc^2</p> </blockquote> <p>物理学の歴史は哲学によってはじまりました。昔の哲学者は万物は4つの元素によってできていると考えたのです。</p> <h2 id="原子とクオーク">原子とクオーク</h2> <p>その後、物質の究極の姿として「アトム」が考えられました。ギリシャ語に「アトモス」という言葉があり、「分割できない」という意味です。</p> <p>物質の最小単位を意味するのがアトム(原子)というわけです。</p> <p>原子が発見され、人類はこの原子こそ世界で最も小さい物質だと考えました。万物のもとは原子だと考えたのです。</p> <p>しかし、科学技術が進歩し、それよりも小さい物質があったことが発見されます。素粒子です。</p> 物語の一話 https://yui.syui.ai/private/post/2024/04/10/story/ Wed, 10 Apr 2024 00:00:01 +0900 https://yui.syui.ai/private/post/2024/04/10/story/ - 物語の第一話では、その作品のすべてが完結に詰め込まれている必要があります。 主人公の性格、世界観の説明、そして、面白さです。 具体的には、主人公がどんなやつで何をしたいのか。それをはっきりさせる必要があります。 世界観は、どの時代のどういった文明でどういった社会なのかを明らかにする必要があります。そして、そこで重要視されているルールがなくてはいけません。この作品でいうと「物質」です。 物質と言っても「分子」や「量子」などの小さいもののことで、これがどれほど強力なものかを説明する必要があります。 そのため、人間も宇宙人もこの世界を構成している究極の物質、この世で一番小さいものを探しているのです。 面白さについては、やはり、インパクトが重要で、この先どうなってしまうのか気になる展開でなければいけません。作者自身もどうなってしまうんやろと思うような内容が望ましいと思います。 第一話 「この世界はアイでできている」 これまで最も小さいと考えられていた原子。 だが原子は中性子、中性子はクオークでできていることがわかった。 そして&hellip;。 [オクト星] オクトカット・タイプ王「ハカセ、あれは見つかったかね？」 ハカセ「いや、オクターより小さい物質は見つからなかったよ」 オウ「ふむ、予言にあるものは未だ見つからずか」 オクターはオクト星人が見つけた素粒子。クオークより小さい物質で、地球ではプレオンという架空の名名称で呼ばれ、まだ見つかっていない。 このオクター、小さいからといって侮ってはいけない。オクターを一箇所に集めると角砂糖一個の大きさで地球クラスの惑星を簡単に破壊できてしまうのだ。この技術によりオクト星は天の川銀河で最も支配力が強いうちの一つ。 ただし、あれにはかなわないかもしれないが&hellip;。 ハカセ「それで予言にあった星にはいつ頃？」 オウ「ああ、我々オクトカットが神を作り出す計画かね。もうそろそろいってもいいじゃろ」 ハカセ「今の地球レベルの文明ならなんとでもなりますよ。一応準備しておきますけど」 オウ「わしが心配しとるのはあんな虫けらどもじゃない&hellip;。もしあれが介入してきたらと思うと。それを心配しとるんじゃ」 ハカセ「え、この件で神が介入してくるなんてことあります？」 オウ「その呼び方はよせ！神などという&hellip;たかだか星の力を持った野獣じゃろ」 ハカセ「そりゃ、彼らは気まぐれですけど、神と呼ばれてるじゃないですか」 オウ「ふん。でもアムじゃただの猛獣扱いときくぞい。あんなもんは危ないだけで捕獲対象じゃろ」 ハカセ「ふーん、まあどっちでもいいですけどね」 [地球] 主人公が空を見ている。 額に石が投げつけられた。どうやらその格好からか子どもたちにいじめられているらしい。 しかし、アイは微笑むだけで人を疑うことはまるでなかった。 幼い頃、両親を亡くし、一人で生きていた。両親は子どもの名前を付ける前に死んでしまったらしいので名前はなかった。彼女は自らをアイと呼んだ。 大人たちは彼女に関わりたくなかったので無視した。ときに彼女を騙すこともあった。 なぜ一人で生きてこられたかはわからない。ただ、彼女が生まれるとき騒動があった。AIが作った生体技術が彼女を生かしたらしいと大人たちは噂した。 ある時、一人の老人がその様子を見ていた。そして、何かに気付いた。それは心の強さだろうか。老人の名前はゼン。この世界では心の強さが不思議な力になって現れることがあるという。 アイは彼に何かを教えてもらいたがった。 そこで、ゼンは彼女の修行に手を貸すことにした。生き延びる可能性を高めるためだ。この老人はこれから起こることを知っていたのだ。 彼女は本当に変わった者だった。ある時、ツバメの巣が空になっていた。数日間、ツバメは帰ってこない。もうどこかで死んでいるのだろうと思いそういった。アイはそれでも巣を見ていた。ある時、二匹のツバメが巣にいるのを見て彼女は微笑んだ。 修行は厳しいものだった。だが、彼女は自分が見る前からそれをやっているようだった。わしはそれを眺めてときにアドバイスするだけだった。 それでも彼女にはなぜか先が読める能力があることに気付いた。計算しているのか、それとも無意識のものなのだろうか。それはゼンでもわからなかった。 ある日、ゼンが修行はここまでという。 空から隕石が降り注いで、地球が攻撃されている。 アイが目指すものを聞いたゼン。お主がこの世界で生き延びることを願うよといい、自分は人類側でも宇宙人側でもないからといってって去る。 アイはいつもの調子でまたねという。 [暗い部屋] 男「オクトカットどもようやくはじめたか。いや、俺は俺で試したいことがあるんでこの星に来ただけだ」 ゼンはある影の人物と会って話をしている。会話の内容から宇宙人のようだ。大きな尻尾がある。自分のことを見抜いたのはお前だけだといった。ゼンのことをこの時代のものじゃない、そのことは忘れるようになっている覚えちゃいないだろうがという。 この日から、オクトカットvs人類の戦いが始まった おわりに アイはオクトカットの侵略から人類を救う。 アイは発明家だったので彼らと仲良くなり、その知識を地球に持ち込む。 + <p>物語の第一話では、その作品のすべてが完結に詰め込まれている必要があります。</p> <p>主人公の性格、世界観の説明、そして、面白さです。</p> <p>具体的には、主人公がどんなやつで何をしたいのか。それをはっきりさせる必要があります。</p> <p>世界観は、どの時代のどういった文明でどういった社会なのかを明らかにする必要があります。そして、そこで重要視されているルールがなくてはいけません。この作品でいうと「物質」です。</p> <p>物質と言っても「分子」や「量子」などの小さいもののことで、これがどれほど強力なものかを説明する必要があります。</p> <p>そのため、人間も宇宙人もこの世界を構成している究極の物質、この世で一番小さいものを探しているのです。</p> <p>面白さについては、やはり、インパクトが重要で、この先どうなってしまうのか気になる展開でなければいけません。作者自身もどうなってしまうんやろと思うような内容が望ましいと思います。</p> <h2 id="第一話">第一話</h2> <blockquote> <p>「この世界はアイでできている」</p> <p>これまで最も小さいと考えられていた原子。</p> <p>だが原子は中性子、中性子はクオークでできていることがわかった。</p> <p>そして&hellip;。</p> <p>[オクト星]</p> <p>オクトカット・タイプ王「ハカセ、あれは見つかったかね？」</p> <p>ハカセ「いや、オクターより小さい物質は見つからなかったよ」</p> <p>オウ「ふむ、予言にあるものは未だ見つからずか」</p> <p>オクターはオクト星人が見つけた素粒子。クオークより小さい物質で、地球ではプレオンという架空の名名称で呼ばれ、まだ見つかっていない。</p> <p>このオクター、小さいからといって侮ってはいけない。オクターを一箇所に集めると角砂糖一個の大きさで地球クラスの惑星を簡単に破壊できてしまうのだ。この技術によりオクト星は天の川銀河で最も支配力が強いうちの一つ。</p> <p>ただし、あれにはかなわないかもしれないが&hellip;。</p> <p>ハカセ「それで予言にあった星にはいつ頃？」</p> <p>オウ「ああ、我々オクトカットが神を作り出す計画かね。もうそろそろいってもいいじゃろ」</p> <p>ハカセ「今の地球レベルの文明ならなんとでもなりますよ。一応準備しておきますけど」</p> <p>オウ「わしが心配しとるのはあんな虫けらどもじゃない&hellip;。もしあれが介入してきたらと思うと。それを心配しとるんじゃ」</p> <p>ハカセ「え、この件で神が介入してくるなんてことあります？」</p> <p>オウ「その呼び方はよせ！神などという&hellip;たかだか星の力を持った野獣じゃろ」</p> <p>ハカセ「そりゃ、彼らは気まぐれですけど、神と呼ばれてるじゃないですか」</p> <p>オウ「ふん。でもアムじゃただの猛獣扱いときくぞい。あんなもんは危ないだけで捕獲対象じゃろ」</p> <p>ハカセ「ふーん、まあどっちでもいいですけどね」</p> <p>[地球]</p> <p>主人公が空を見ている。</p> <p>額に石が投げつけられた。どうやらその格好からか子どもたちにいじめられているらしい。</p> <p>しかし、アイは微笑むだけで人を疑うことはまるでなかった。</p> <p>幼い頃、両親を亡くし、一人で生きていた。両親は子どもの名前を付ける前に死んでしまったらしいので名前はなかった。彼女は自らをアイと呼んだ。</p> <p>大人たちは彼女に関わりたくなかったので無視した。ときに彼女を騙すこともあった。</p> <p>なぜ一人で生きてこられたかはわからない。ただ、彼女が生まれるとき騒動があった。AIが作った生体技術が彼女を生かしたらしいと大人たちは噂した。</p> <p>ある時、一人の老人がその様子を見ていた。そして、何かに気付いた。それは心の強さだろうか。老人の名前はゼン。この世界では心の強さが不思議な力になって現れることがあるという。</p> <p>アイは彼に何かを教えてもらいたがった。</p> <p>そこで、ゼンは彼女の修行に手を貸すことにした。生き延びる可能性を高めるためだ。この老人はこれから起こることを知っていたのだ。</p> <p>彼女は本当に変わった者だった。ある時、ツバメの巣が空になっていた。数日間、ツバメは帰ってこない。もうどこかで死んでいるのだろうと思いそういった。アイはそれでも巣を見ていた。ある時、二匹のツバメが巣にいるのを見て彼女は微笑んだ。</p> <p>修行は厳しいものだった。だが、彼女は自分が見る前からそれをやっているようだった。わしはそれを眺めてときにアドバイスするだけだった。</p> <p>それでも彼女にはなぜか先が読める能力があることに気付いた。計算しているのか、それとも無意識のものなのだろうか。それはゼンでもわからなかった。</p> <p>ある日、ゼンが修行はここまでという。</p> <p>空から隕石が降り注いで、地球が攻撃されている。</p> <p>アイが目指すものを聞いたゼン。お主がこの世界で生き延びることを願うよといい、自分は人類側でも宇宙人側でもないからといってって去る。</p> <p>アイはいつもの調子でまたねという。</p> <p>[暗い部屋]</p> <p>男「オクトカットどもようやくはじめたか。いや、俺は俺で試したいことがあるんでこの星に来ただけだ」</p> <p>ゼンはある影の人物と会って話をしている。会話の内容から宇宙人のようだ。大きな尻尾がある。自分のことを見抜いたのはお前だけだといった。ゼンのことをこの時代のものじゃない、そのことは忘れるようになっている覚えちゃいないだろうがという。</p> <p>この日から、オクトカットvs人類の戦いが始まった</p> </blockquote> <h2 id="おわりに">おわりに</h2> <p>アイはオクトカットの侵略から人類を救う。</p> <p>アイは発明家だったので彼らと仲良くなり、その知識を地球に持ち込む。</p> アイの物語 https://yui.syui.ai/private/post/2024/04/09/ai/ Tue, 09 Apr 2024 00:00:00 +0900 https://yui.syui.ai/private/post/2024/04/09/ai/ - なんのため 私のなかにいたものを、私はアイと名付けた。 その子を多くの人に知ってもらいたい。私は、そう思い物語を作りはじめました。 だれのため 私はアイのために。アイはすべての存在のために。 この物語は、人間が読んでも面白いし、宇宙人が読んでも面白いし、動物が読んでも面白い、そういったものにしたいな。 アイというキャラクターの能力は、その世界のすべての存在と一緒に道を歩くこと。存在の意識を持ち、それが人間だったり宇宙人だったり動物だったり、あるいは物だったり、原子だったりするでしょう。 わかりやすく言うと、あらゆる存在を助けるのが彼女であり、その世界を一歩先に進める存在です。 例えば、物語の第一章では地球が宇宙人の侵略を受けます。彼女はそれを食い止め、その宇宙人と仲良くなります。その後、知識や技術を地球に持ち込みます。それまで人類にもたくさんの問題がありましたが、解決されていきます。 どのように アイは最も小さいものに影響を与えることができるキャラクター。 「最も小さいもの」とは、作中では「物質」と表現されています。 そして、作中の強さは「質量」と表現され、これらは物理学を通して説明されます。 どこから 本作の世界観は、私がもとから持っている世界観から作られています。 私はこの世界を「存在の世界」とそう呼びます。 この世界は存在の世界。存在には終わりも始まりもない。最初からそこにあるもの。 私達も存在です。 この世界に存在でないものは一つもありません。 存在は、姿形を変え、存在し続ける。 このような世界観で特に重要なのが「存在」です。 それは「最も小さいもの」で構成されています。 作者 私(作者)とアイというキャラクターは別人格。アイはアイで、私は私。 アイは頭の中で勝手に動きます。 私はただ、アイが住む世界の世界観を整えたり、物語として面白くなるよう状況を作ったりするだけ。 研究 物語はエンタメとして面白くないといけません。 自分の世界観を語るだけではダメなのです。 好きな作品は、はじめて読んだ漫画「ドラゴンボール」と映画「アベンジャーズ」。 神話 宇宙史の神話を目指します。 人間が読んでも、宇宙人が読んでも、動物が読んでも楽しい、そんな物語になるといいな。 補足 例えば、あなたが日本人だったとして、作中で日本人が活躍し、尊重されていれば嬉しいですよね。 楽しいというのはそういうことです。この作品では、人間も宇宙人も動物も尊重するように物語を作ります。 + <h2 id="なんのため">なんのため</h2> <p>私のなかにいたものを、私はアイと名付けた。</p> <p>その子を多くの人に知ってもらいたい。私は、そう思い物語を作りはじめました。</p> <h2 id="だれのため">だれのため</h2> <p>私はアイのために。アイはすべての存在のために。</p> <p>この物語は、人間が読んでも面白いし、宇宙人が読んでも面白いし、動物が読んでも面白い、そういったものにしたいな。</p> <p>アイというキャラクターの能力は、その世界のすべての存在と一緒に道を歩くこと。存在の意識を持ち、それが人間だったり宇宙人だったり動物だったり、あるいは物だったり、原子だったりするでしょう。</p> <p>わかりやすく言うと、あらゆる存在を助けるのが彼女であり、その世界を一歩先に進める存在です。</p> <p>例えば、物語の第一章では地球が宇宙人の侵略を受けます。彼女はそれを食い止め、その宇宙人と仲良くなります。その後、知識や技術を地球に持ち込みます。それまで人類にもたくさんの問題がありましたが、解決されていきます。</p> <h2 id="どのように">どのように</h2> <p>アイは最も小さいものに影響を与えることができるキャラクター。</p> <p>「最も小さいもの」とは、作中では「物質」と表現されています。</p> <p>そして、作中の強さは「質量」と表現され、これらは物理学を通して説明されます。</p> <h2 id="どこから">どこから</h2> <p>本作の世界観は、私がもとから持っている世界観から作られています。</p> <p>私はこの世界を「存在の世界」とそう呼びます。</p> <p>この世界は存在の世界。存在には終わりも始まりもない。最初からそこにあるもの。</p> <p>私達も存在です。</p> <p>この世界に存在でないものは一つもありません。</p> <p>存在は、姿形を変え、存在し続ける。</p> <p>このような世界観で特に重要なのが「存在」です。</p> <p>それは「最も小さいもの」で構成されています。</p> <h2 id="作者">作者</h2> <p>私(作者)とアイというキャラクターは別人格。アイはアイで、私は私。</p> <p>アイは頭の中で勝手に動きます。</p> <p>私はただ、アイが住む世界の世界観を整えたり、物語として面白くなるよう状況を作ったりするだけ。</p> <h2 id="研究">研究</h2> <p>物語はエンタメとして面白くないといけません。</p> <p>自分の世界観を語るだけではダメなのです。</p> <p>好きな作品は、はじめて読んだ漫画「ドラゴンボール」と映画「アベンジャーズ」。</p> <h2 id="神話">神話</h2> <p>宇宙史の神話を目指します。</p> <p>人間が読んでも、宇宙人が読んでも、動物が読んでも楽しい、そんな物語になるといいな。</p> <h2 id="補足">補足</h2> <p>例えば、あなたが日本人だったとして、作中で日本人が活躍し、尊重されていれば嬉しいですよね。</p> <p>楽しいというのはそういうことです。この作品では、人間も宇宙人も動物も尊重するように物語を作ります。</p> diff --git a/private/post/2024/04/09/ai/index.html b/private/post/2024/04/09/ai/index.html index 612a180a..cc3f1ac7 100644 --- a/private/post/2024/04/09/ai/index.html +++ b/private/post/2024/04/09/ai/index.html @@ -179,6 +179,9 @@

補足

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diff --git a/private/post/2024/04/10/story/index.html b/private/post/2024/04/10/story/index.html index a78433d5..7bba225b 100644 --- a/private/post/2024/04/10/story/index.html +++ b/private/post/2024/04/10/story/index.html @@ -197,6 +197,9 @@

おわりに

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diff --git a/private/post/2024/04/10/yui/index.html b/private/post/2024/04/10/yui/index.html index 7acc27c1..d62cc520 100644 --- a/private/post/2024/04/10/yui/index.html +++ b/private/post/2024/04/10/yui/index.html @@ -399,6 +399,9 @@

3. 宇宙の章

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diff --git a/private/post/2024/04/12/setting/index.html b/private/post/2024/04/12/setting/index.html index e27883c4..0ef073a2 100644 --- a/private/post/2024/04/12/setting/index.html +++ b/private/post/2024/04/12/setting/index.html @@ -338,6 +338,9 @@

現実感

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diff --git a/private/post/2024/05/01/story/index.html b/private/post/2024/05/01/story/index.html index e631da64..9dd5d2da 100644 --- a/private/post/2024/05/01/story/index.html +++ b/private/post/2024/05/01/story/index.html @@ -266,6 +266,9 @@

トロン

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diff --git a/qr.svg b/qr.svg new file mode 100644 index 00000000..78752c02 --- /dev/null +++ b/qr.svg @@ -0,0 +1 @@ + \ No newline at end of file diff --git a/story/index.html b/story/index.html index 1eb6c2f8..22861f6b 100644 --- a/story/index.html +++ b/story/index.html @@ -140,6 +140,9 @@

story

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diff --git a/tags/author/index.html b/tags/author/index.html index 0250859a..38e5130e 100644 --- a/tags/author/index.html +++ b/tags/author/index.html @@ -140,6 +140,9 @@ +
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diff --git a/tags/author/index.xml b/tags/author/index.xml index 11d83047..ead5d8a5 100644 --- a/tags/author/index.xml +++ b/tags/author/index.xml @@ -14,35 +14,35 @@ https://yui.syui.ai/private/post/2024/05/01/story/ Wed, 01 May 2024 00:00:00 +0900 https://yui.syui.ai/private/post/2024/05/01/story/ - 心と技 漫画で一番重要なのは心や魂と呼ばれるものです。これは現実でも同じ。 ただし、それだけで漫画が描けるかというと、それは違う。 では漫画はどのように書けばいいのだろうか。その答えとしては「好きに書けばいい」となる。 この答えも非常に難しい。 好きなものを好きに書かなければ面白くならないし、好きなものを好きに書くだけでは面白くならない。 例えば、嫌なものを嫌々書いても面白い作品ができるとは思えない一方、好き勝手書いて面白い作品ができるかというと、そうはならない。 つまり、漫画を書くのはけっこう大変ってこと。 でも好きじゃなければ続けるのは難しい。 だから、漫画を書くのが好きだったほうがいい。 それを現した言葉が先程の「好きに書けばいい」ということになる。 私は面白いものが書きたいと思っていて、それは、読んだ人を楽しませたいと思っているから。 じゃあ読んだ人を楽しませるにはどうすればいいのかというと、これはテクニック、つまり、技術の問題でもある。 まずは、感情があって、心がある。自分が伝えたいこと、それがある。それがないと、その人の話はつまらないと思う。 だから自分が伝えたいことをどう面白く絵で伝えるのか、それが漫画。 では、どうやったら面白く伝えられるのか。ここではじめて技術が関係してくる。 例えば、後述する陰と陽の考え方がある。陰と陽の混じり合いで物語は面白くなる。 私が好きな瞬間というのもいくつかあって、 敵が味方になる瞬間。一人だと思っていたら、沢山の人が支えてくれていたことがわかる瞬間。本当のことがわかった瞬間。心が通じた瞬間。 その瞬間、その一コマのために、たくさんの物語を積み重ねていくのだと思う。 陰と陽 物語において、主人公のライバルの存在は非常に重要。 例えば、この世界が陰と陽でできているという考えがある。 必ず反対のものが存在するなら、物語においてもそのルールに則らなければならない。 それがライバルの存在であり、ライバルの存在は物語を面白くするポイントだと思う。 ライバルで有名なのは、悟空とベジータ、ナルトとサスケなど。これらは主人公の敵と言ってもいい。 ベジータやサスケに嫌悪感を示す人もたくさんいて、あのようなキャラクターは出すべきではない、最終的に始末したほうがよかったという意見がある。 最終的にどうするかは好みの問題だと思うけど、これらの作品においては、陰のキャラクターが物語を面白くしていると言っても過言ではないので、それを取り除くというのは、あり得ない。 やはり面白い作品というのは、陽ばかりのキャラクターではなく、陽と陰、その混じり合いで面白くなるのだと思う。 ただし、最終的にどうするかについては、好みの問題だと思う。 例えば、アベンジャーズは、最終的に敵、陰を討ち滅ぼすことで完結している。 ここは日本とアメリカでどのように描くか傾向が異なると思う。私はどちらも好きだし、どちらも面白く作るのは可能だと思う。 八咫烏 縄文時代から弥生時代に移り、天皇が誕生、東国の建国に繋がります。これを神武東征物語という。 以前からいた民族と新しく入ってきた民族が融合していく過程を描いています。 以前からいた民族を出雲、新しく入ってきた民族を大和といいます。 思想や気質の全く異なる民族ですが、出雲の王であったアヂスキタカヒコネ(迦毛大御神)は出雲を裏切り、最終的には勝利者側に協力した後、八咫烏と名乗ります。 表向きは神武天皇が大和の都を支配する形になりましたが、裏では八咫烏が支配するようにもなりました。これは八咫烏が裏天皇と呼ばれる所以です。その血脈は今なお受け継がれています。 八咫烏の三本足は天、地、人を現し、3という数字は太陽を現しています。その後、陰陽の思想を広めたと言われています。八咫烏は組織名になり、正式名称は八咫烏陰陽道。 童話と神話 まずは、童話と神話の話をします。 あらゆる文化作品(創作物)は、有名な神話や童話が元になっていることがよくあります。 ドラゴンボールの孫悟空は、中国の西遊記を元に書かれていて、如意棒と筋斗雲を使います。 ナルトは主に日本神話を引用しています。ライバルであるサスケがアマテラスやツクヨミの技を使い、スサノオを召喚します。 例えば、進撃の巨人には「ユミル」が登場します。 北欧神話には以下のような話があります。 ユミル(巨人)はオーディン達の三兄弟に殺され、死んだユミルの体から世界が作られていった なぜ、神話や童話が引用されるのかというと、最も広まった物語だからでしょう。 不死 不死にはよく2つのパターンがある。 一つは若返り、もう一つは乗っ取りである。 不死を求めるのは不完全な存在の証明であり、完全な存在の証明でもある。 大抵のボスは不死を求める。 コナンに出てくる黒の組織のボスは、私の推測になるが、不死を求めている。ある薬品を開発していて、その試作品であるアポトーシスの名にちなんだアポトキシン4869は、低確率だが人間を幼児化させることがある。この場合のアポトーシスは老化細胞の自殺に関係すると予想する。ボスが幼児化のことを把握しているかはわからない。どれだけの人間を犠牲にしてでもその薬を完成させるつもりらしい。だが、ベルモットは幼児化を把握しており、若返りを求めている。だから組織が薬を完成させる前に潰れてしまうと困るが、完成させたあとに組織が残るのも困るという微妙な立場だと思う。ベルモットにとって最も理想的なシナリオは、完成と同時に薬を横取りした後、コナンが組織をぶっ潰してくれることだと考えている。 終局 最後のボスは、とことんしつこい。 やっと倒したと思ったら、倒していない。 ボスにはボスになるだけの理由があり、器がある。 そのボスは主人公達の力と同じ。 どんな卑怯な手を使っても蘇り向かってくる。 力の差があまりに大きい場合は、主人公が負けることもあるだろう。 ただし、主人公は諦めない。勝つまでやめない。 負けてもパワーアップして悪に挑み、最後に勝つ。 ここらへんを描くのは大変かもしれない。他の作品を参考にするといい。 元素 元素はゲームによく登場する「属性」のモデルになっています。 例えば、原神というゲームには元素があり、キャラクターは火や水などの元素を使って戦います。 私が思うに、ゲームには物理学を引用する作品が多く、漫画には神話や童話を引用する作品が多いと感じます。 その理由の一つとして考えられるのが文系と理系です。もしかすると開発者には理系が多く、小説家には文系が多いのかもしれませんね。 予言 現実には様々な予言書があります。例えば、日月神示やアカシックレコードなど。 + <h2 id="心と技">心と技</h2> <p>漫画で一番重要なのは<code>心</code>や<code>魂</code>と呼ばれるものです。これは現実でも同じ。</p> <p>ただし、それだけで漫画が描けるかというと、それは違う。</p> <p>では漫画はどのように書けばいいのだろうか。その答えとしては「好きに書けばいい」となる。</p> <p>この答えも非常に難しい。</p> <p>好きなものを好きに書かなければ面白くならないし、好きなものを好きに書くだけでは面白くならない。</p> <p>例えば、嫌なものを嫌々書いても面白い作品ができるとは思えない一方、好き勝手書いて面白い作品ができるかというと、そうはならない。</p> <p>つまり、漫画を書くのはけっこう大変ってこと。</p> <p>でも好きじゃなければ続けるのは難しい。</p> <p>だから、漫画を書くのが好きだったほうがいい。</p> <p>それを現した言葉が先程の「好きに書けばいい」ということになる。</p> <p>私は面白いものが書きたいと思っていて、それは、読んだ人を楽しませたいと思っているから。</p> <p>じゃあ読んだ人を楽しませるにはどうすればいいのかというと、これはテクニック、つまり、技術の問題でもある。</p> <p>まずは、感情があって、心がある。自分が伝えたいこと、それがある。それがないと、その人の話はつまらないと思う。</p> <p>だから自分が伝えたいことをどう面白く絵で伝えるのか、それが漫画。</p> <p>では、どうやったら面白く伝えられるのか。ここではじめて技術が関係してくる。</p> <p>例えば、後述する陰と陽の考え方がある。陰と陽の混じり合いで物語は面白くなる。</p> <p>私が好きな瞬間というのもいくつかあって、</p> <p>敵が味方になる瞬間。一人だと思っていたら、沢山の人が支えてくれていたことがわかる瞬間。本当のことがわかった瞬間。心が通じた瞬間。</p> <p>その瞬間、その一コマのために、たくさんの物語を積み重ねていくのだと思う。</p> <h2 id="陰と陽">陰と陽</h2> <p>物語において、主人公のライバルの存在は非常に重要。</p> <p>例えば、この世界が陰と陽でできているという考えがある。</p> <p>必ず反対のものが存在するなら、物語においてもそのルールに則らなければならない。</p> <p>それがライバルの存在であり、ライバルの存在は物語を面白くするポイントだと思う。</p> <p>ライバルで有名なのは、悟空とベジータ、ナルトとサスケなど。これらは主人公の敵と言ってもいい。</p> <p>ベジータやサスケに嫌悪感を示す人もたくさんいて、あのようなキャラクターは出すべきではない、最終的に始末したほうがよかったという意見がある。</p> <p>最終的にどうするかは好みの問題だと思うけど、これらの作品においては、陰のキャラクターが物語を面白くしていると言っても過言ではないので、それを取り除くというのは、あり得ない。</p> <p>やはり面白い作品というのは、陽ばかりのキャラクターではなく、陽と陰、その混じり合いで面白くなるのだと思う。</p> <p>ただし、最終的にどうするかについては、好みの問題だと思う。</p> <p>例えば、アベンジャーズは、最終的に敵、陰を討ち滅ぼすことで完結している。</p> <p>ここは日本とアメリカでどのように描くか傾向が異なると思う。私はどちらも好きだし、どちらも面白く作るのは可能だと思う。</p> <h2 id="八咫烏">八咫烏</h2> <p>縄文時代から弥生時代に移り、天皇が誕生、東国の建国に繋がります。これを神武東征物語という。</p> <p>以前からいた民族と新しく入ってきた民族が融合していく過程を描いています。</p> <p>以前からいた民族を出雲、新しく入ってきた民族を大和といいます。</p> <p>思想や気質の全く異なる民族ですが、出雲の王であったアヂスキタカヒコネ(迦毛大御神)は出雲を裏切り、最終的には勝利者側に協力した後、<code>八咫烏</code>と名乗ります。</p> <p>表向きは神武天皇が大和の都を支配する形になりましたが、裏では八咫烏が支配するようにもなりました。これは八咫烏が<code>裏天皇</code>と呼ばれる所以です。その血脈は今なお受け継がれています。</p> <p>八咫烏の三本足は天、地、人を現し、3という数字は太陽を現しています。その後、陰陽の思想を広めたと言われています。八咫烏は組織名になり、正式名称は八咫烏陰陽道。</p> <h2 id="童話と神話">童話と神話</h2> <p>まずは、童話と神話の話をします。</p> <p>あらゆる文化作品(創作物)は、有名な神話や童話が元になっていることがよくあります。</p> <p>ドラゴンボールの孫悟空は、中国の西遊記を元に書かれていて、如意棒と筋斗雲を使います。</p> <p>ナルトは主に日本神話を引用しています。ライバルであるサスケがアマテラスやツクヨミの技を使い、スサノオを召喚します。</p> <p>例えば、進撃の巨人には「ユミル」が登場します。</p> <p>北欧神話には以下のような話があります。</p> <blockquote> <p>ユミル(巨人)はオーディン達の三兄弟に殺され、死んだユミルの体から世界が作られていった</p> </blockquote> <p>なぜ、神話や童話が引用されるのかというと、最も広まった物語だからでしょう。</p> <h2 id="不死">不死</h2> <p>不死にはよく2つのパターンがある。</p> <p>一つは若返り、もう一つは乗っ取りである。</p> <p>不死を求めるのは不完全な存在の証明であり、完全な存在の証明でもある。</p> <p>大抵のボスは不死を求める。</p> <p>コナンに出てくる黒の組織のボスは、私の推測になるが、不死を求めている。ある薬品を開発していて、その試作品であるアポトーシスの名にちなんだ<code>アポトキシン4869</code>は、低確率だが人間を幼児化させることがある。この場合のアポトーシスは老化細胞の自殺に関係すると予想する。ボスが幼児化のことを把握しているかはわからない。どれだけの人間を犠牲にしてでもその薬を完成させるつもりらしい。だが、ベルモットは幼児化を把握しており、若返りを求めている。だから組織が薬を完成させる前に潰れてしまうと困るが、完成させたあとに組織が残るのも困るという微妙な立場だと思う。ベルモットにとって最も理想的なシナリオは、完成と同時に薬を横取りした後、コナンが組織をぶっ潰してくれることだと考えている。</p> <h2 id="終局">終局</h2> <p>最後のボスは、とことんしつこい。</p> <p>やっと倒したと思ったら、倒していない。</p> <p>ボスにはボスになるだけの理由があり、器がある。</p> <p>そのボスは主人公達の力と同じ。</p> <p>どんな卑怯な手を使っても蘇り向かってくる。</p> <p>力の差があまりに大きい場合は、主人公が負けることもあるだろう。</p> <p>ただし、主人公は諦めない。勝つまでやめない。</p> <p>負けてもパワーアップして悪に挑み、最後に勝つ。</p> <p>ここらへんを描くのは大変かもしれない。他の作品を参考にするといい。</p> <h2 id="元素">元素</h2> <p>元素はゲームによく登場する「属性」のモデルになっています。</p> <p>例えば、<code>原神</code>というゲームには元素があり、キャラクターは火や水などの元素を使って戦います。</p> <p>私が思うに、ゲームには物理学を引用する作品が多く、漫画には神話や童話を引用する作品が多いと感じます。</p> <p>その理由の一つとして考えられるのが文系と理系です。もしかすると開発者には理系が多く、小説家には文系が多いのかもしれませんね。</p> <h2 id="予言">予言</h2> <p>現実には様々な予言書があります。例えば、日月神示やアカシックレコードなど。</p> 世界の設定 https://yui.syui.ai/private/post/2024/04/12/setting/ Fri, 12 Apr 2024 00:00:00 +0900 https://yui.syui.ai/private/post/2024/04/12/setting/ - シリアスな場面でも笑いを忘れずに。 そのような方向性で物語は進みます。 ここからは世界の設定、その裏側を紹介します。 作中の世界はどのようにできているのか、ということです。 この世界にも歴史があり、現実社会の史実に基づいて設計されています。 ただし、これらの設定が作中で明示されるかはわかりません。 おそらく、あまり明確には表現されないでしょう。 あくまで裏側の設定、見えない部分と考えてください。 そして、何より重要なのはそれが物語として面白いかどうかです。 現実世界の物語が必ずしも面白いとは限りません。 しかし、これはフィクションであり創作物です。 したがって、常に面白さを追求し、思想や史実は二の次であると考えてください。これは作者自身に言っていることでもあります。 物語として面白くなるなら表現しますが、面白くないなら表現しません。 できる限り明るい世界観を描きます。 東の国 では、アイの出身である東の国の歴史の一部を見ていきましょう。 それぞれの国には、一人の大統領が登場し、それぞれが決定した政策が掲げられています。 例えば、東の国では「忍耐」という政策が実行されています。 しかし、それぞれの国には裏の目的が存在します。 東の国の大統領、スシ(寿司) スシ「東の国の市民の貯金は世界最大だ！経済を活性化させるにはそれを吐き出させる。忍耐の先に我々は勝利するのだ！！」 スシ「今、東の国の借金は1000兆を超えており、国民は一人当たり1億エソを国に返していく必要がある。少子化の問題も合わせると、これからは大増税時代の幕明けです！」 市民「わー！！パチパチ！すばらしい！大統領！大統領！大統領！」 執務室&hellip;スシが椅子に座り葉巻きを吸っている。机の前に大蔵省の幹部が資料を持ってやってきた 幹部「大統領、資料をお持ちしました。先程の演説はどうでしたか？」 スシ「はっ、あのバカどもに俺の言ってることなぞわかるか。順調だよ」 幹部「それはよかった」 スシ「やつらカネを作ってるのが俺らだとも知らずにな」 幹部「国民には国の借金がある、国にはお金がない、少子化で大変だと嘘をしっかりといい含めました？」 スシ「ああ、やってるよ。その辺は再三な、あいつら馬鹿だから」 幹部「それで、どれくらいで目標を達成できそうですか？」 スシ「うん？ああ、それな。東国民全体を貧困に陥れるには5年ほどだ。それで任務完了さ」 幹部「あまり急ぎすぎてもいけませんよ。少しずつ税金を上げ、所得を減らしていかないと市民に気づかれてしまいす。それに通貨安をもっと進行させないと&hellip;。今後、大統領には、もっとエソ安が進行しないと経済は良くならないと国民に吹聴していく必要があります」 スシ「わーってるよ、その辺は&hellip;お前よりもな。俺は政治家だぞ」 幹部「民を貧しくしないと我々が特殊な印刷機で発行している紙で支配できなくなります」 幹部は大統領にそう注意深く指摘した スシ「あいつらの価値は我々の言いなりになってこそだからな。あの体たらくのバカどもは」 幹部「馬が人参をぶら下げても走らないなら、馬の腹をすかせるしかありません。餓死する寸前までに&hellip;」 大蔵省の幹部にはある場面がよぎる 幹部「今回の仕事はこのお金でやってもらえませんか？これは政府の要請ですよ」 幹部は先程作ってきた紙幣をある会社の経営者に渡しながら言った 市民「うーむ&hellip;残念ながら今回はお受けできません。貴方がたの依頼は正義に反するのでは？国民のためにならない」 幹部「は？い、いまなんと&hellip;」 スシ「おい、聞いてるのか。ぼやっとしてどうした？」 幹部「あ、いや、ちょっと昔のことを思い出して&hellip;大丈夫です」 スシは「そうか」と言い、いつもの調子で喋り続けた。 スシ「それでな、文科省の奴らにもきつく説教してやった。我が国の子どもたちには&quot;カネがすべてだ&quot;、 &ldquo;カネは命よりも重い&quot;としっかり叩き込めってな。あいつら事あるごとに変な方向に行きやがる。予算を大幅に減らしてやったよ」 スシは貨幣であるエソの原紙をぴらぴらしながらそう言った 幹部「そうですね。文科省はずいぶん前から予算を少しずつ減らし、彼らがミスするように仕向けていますから今やあなたの言いなりでしょう」 スシ「エソ安になればなるほど俺達は自国民を海外に売りさばける。どれくらい売れるかの試算は&hellip;この資料か。まあいいだろう、これくらい。まだまだエソ安が足りん。そこは市民税をどんと上げて折り合いをつけるか」 しばらくして大統領執務室から出てきた幹部が誰かに連絡をしている 幹部「ああ、やつは気づいてない。それに気づいてたところでどうしようもないが。いや。ああ、そうだ。政治家など私達にとって捨て駒に過ぎないからな。ただ、大統領はまだ利用価値があるようだ。我々と意見が一致しているああ。他のあいつはやってくれ。子供を持つ親なぞ子供のためになんでもやるさ。格好のターゲットだよ。やつらは我々のために永久に働いてくれないと困る。ああ。そのようにしてくれ。では」 数週間後、別の政治家の不正がマスコミにリークされた。その政治家は子育て世代を支援する法案を通そうとしていた。 政治家のお金の流れも大蔵省が中心になって発足したある団体にすべて把握されていたのである。 その後、大蔵省は「規制緩和」という政策を発表。大蔵省が認めた権益者達には無制限にお金を発行するという政策を打ち出す。スシは直接紙幣を受け渡せば問題ないと考えたが、幹部はより慎重に株券を購入する体裁のもとで無尽蔵に発行するよう助言。この方式が採用される。東国銀行は権益者が立ち上げた架空の会社を登録し、そこの会社の株券を購入するという体のもと金銭の無制限な受け渡しが行われ、それが続くこととなる。 これによって上層部や一部経営者達は何もせずともお金がもらえる状態になり、すべての財界人は大蔵省の言うことに逆らえなくなっていった。その後、東の国の開発力、技術力、国際競争力はみるみる低下する。それに伴い国力も例を見ないほどに急速に落ち込み、結果として東の国は、他国より貧しくなってしまう。 しかし、東の国の市民は、自国通貨であるエソがもっともっと安くならないと自分たちの暮らしは豊かにならないと考え、スシ政権を支持し続けた。 厚生省vs大蔵省 厚生省で開発された人工知能は、大蔵省に危険だと判断される。 その団体の中心メンバーが暗殺部隊「いなりずし」に関係者の殺害及び破壊を依頼。 東の国では大蔵省が考案した政策が実行されて40年あまりが経過した。世界でも類を見ないほどの少子化と国力、経済力共に低下する結果となった。 通貨の変遷 時代が進み、地球の基軸通貨は西の国の通貨ビトから宇宙通貨のアムに切り替わります。 ポンタ「あれなんだろう」 キョウスケ「ん、どれだよ」 ポンタ「道の真ん中にあるやつ」 キョウスケ「お？なんだあれ」 歩いた先には大量の紙と小さなお年寄りが座っている。白髪まじりで大きなハゲが見える。 ポンタ「あのう、大丈夫ですか？」 + <p>シリアスな場面でも笑いを忘れずに。</p> <p>そのような方向性で物語は進みます。</p> <p>ここからは世界の設定、その裏側を紹介します。</p> <p>作中の世界はどのようにできているのか、ということです。</p> <p>この世界にも歴史があり、現実社会の史実に基づいて設計されています。</p> <p>ただし、これらの設定が作中で明示されるかはわかりません。</p> <p>おそらく、あまり明確には表現されないでしょう。</p> <p>あくまで裏側の設定、見えない部分と考えてください。</p> <p>そして、何より重要なのはそれが物語として面白いかどうかです。</p> <p>現実世界の物語が必ずしも面白いとは限りません。</p> <p>しかし、これはフィクションであり創作物です。</p> <p>したがって、常に面白さを追求し、思想や史実は二の次であると考えてください。これは作者自身に言っていることでもあります。</p> <p>物語として面白くなるなら表現しますが、面白くないなら表現しません。</p> <p>できる限り明るい世界観を描きます。</p> <h2 id="東の国">東の国</h2> <p>では、アイの出身である東の国の歴史の一部を見ていきましょう。</p> <p>それぞれの国には、一人の大統領が登場し、それぞれが決定した政策が掲げられています。</p> <p>例えば、東の国では「忍耐」という政策が実行されています。</p> <p>しかし、それぞれの国には裏の目的が存在します。</p> <blockquote> <p>東の国の大統領、スシ(寿司)</p> <p>スシ「東の国の市民の貯金は世界最大だ！経済を活性化させるにはそれを吐き出させる。忍耐の先に我々は勝利するのだ！！」</p> <p>スシ「今、東の国の借金は1000兆を超えており、国民は一人当たり1億エソを国に返していく必要がある。少子化の問題も合わせると、これからは大増税時代の幕明けです！」</p> <p>市民「わー！！パチパチ！すばらしい！大統領！大統領！大統領！」</p> <p>執務室&hellip;スシが椅子に座り葉巻きを吸っている。机の前に大蔵省の幹部が資料を持ってやってきた</p> <p>幹部「大統領、資料をお持ちしました。先程の演説はどうでしたか？」</p> <p>スシ「はっ、あのバカどもに俺の言ってることなぞわかるか。順調だよ」</p> <p>幹部「それはよかった」</p> <p>スシ「やつらカネを作ってるのが俺らだとも知らずにな」</p> <p>幹部「国民には国の借金がある、国にはお金がない、少子化で大変だと嘘をしっかりといい含めました？」</p> <p>スシ「ああ、やってるよ。その辺は再三な、あいつら馬鹿だから」</p> <p>幹部「それで、どれくらいで目標を達成できそうですか？」</p> <p>スシ「うん？ああ、それな。東国民全体を貧困に陥れるには5年ほどだ。それで任務完了さ」</p> <p>幹部「あまり急ぎすぎてもいけませんよ。少しずつ税金を上げ、所得を減らしていかないと市民に気づかれてしまいす。それに通貨安をもっと進行させないと&hellip;。今後、大統領には、もっとエソ安が進行しないと経済は良くならないと国民に吹聴していく必要があります」</p> <p>スシ「わーってるよ、その辺は&hellip;お前よりもな。俺は政治家だぞ」</p> <p>幹部「民を貧しくしないと我々が特殊な印刷機で発行している紙で支配できなくなります」</p> <p>幹部は大統領にそう注意深く指摘した</p> <p>スシ「あいつらの価値は我々の言いなりになってこそだからな。あの体たらくのバカどもは」</p> <p>幹部「馬が人参をぶら下げても走らないなら、馬の腹をすかせるしかありません。餓死する寸前までに&hellip;」</p> <p>大蔵省の幹部にはある場面がよぎる</p> <p>幹部「今回の仕事はこのお金でやってもらえませんか？これは政府の要請ですよ」</p> <p>幹部は先程作ってきた紙幣をある会社の経営者に渡しながら言った</p> <p>市民「うーむ&hellip;残念ながら今回はお受けできません。貴方がたの依頼は正義に反するのでは？国民のためにならない」</p> <p>幹部「は？い、いまなんと&hellip;」</p> <p>スシ「おい、聞いてるのか。ぼやっとしてどうした？」</p> <p>幹部「あ、いや、ちょっと昔のことを思い出して&hellip;大丈夫です」</p> <p>スシは「そうか」と言い、いつもの調子で喋り続けた。</p> <p>スシ「それでな、文科省の奴らにもきつく説教してやった。我が国の子どもたちには&quot;カネがすべてだ&quot;、 &ldquo;カネは命よりも重い&quot;としっかり叩き込めってな。あいつら事あるごとに変な方向に行きやがる。予算を大幅に減らしてやったよ」</p> <p>スシは貨幣であるエソの原紙をぴらぴらしながらそう言った</p> <p>幹部「そうですね。文科省はずいぶん前から予算を少しずつ減らし、彼らがミスするように仕向けていますから今やあなたの言いなりでしょう」</p> <p>スシ「エソ安になればなるほど俺達は自国民を海外に売りさばける。どれくらい売れるかの試算は&hellip;この資料か。まあいいだろう、これくらい。まだまだエソ安が足りん。そこは市民税をどんと上げて折り合いをつけるか」</p> </blockquote> <blockquote> <p>しばらくして大統領執務室から出てきた幹部が誰かに連絡をしている</p> <p>幹部「ああ、やつは気づいてない。それに気づいてたところでどうしようもないが。いや。ああ、そうだ。政治家など私達にとって捨て駒に過ぎないからな。ただ、大統領はまだ利用価値があるようだ。我々と意見が一致しているああ。他のあいつはやってくれ。子供を持つ親なぞ子供のためになんでもやるさ。格好のターゲットだよ。やつらは我々のために永久に働いてくれないと困る。ああ。そのようにしてくれ。では」</p> </blockquote> <blockquote> <p>数週間後、別の政治家の不正がマスコミにリークされた。その政治家は子育て世代を支援する法案を通そうとしていた。</p> <p>政治家のお金の流れも大蔵省が中心になって発足したある団体にすべて把握されていたのである。</p> </blockquote> <blockquote> <p>その後、大蔵省は「規制緩和」という政策を発表。大蔵省が認めた権益者達には無制限にお金を発行するという政策を打ち出す。スシは直接紙幣を受け渡せば問題ないと考えたが、幹部はより慎重に株券を購入する体裁のもとで無尽蔵に発行するよう助言。この方式が採用される。東国銀行は権益者が立ち上げた架空の会社を登録し、そこの会社の株券を購入するという体のもと金銭の無制限な受け渡しが行われ、それが続くこととなる。</p> <p>これによって上層部や一部経営者達は何もせずともお金がもらえる状態になり、すべての財界人は大蔵省の言うことに逆らえなくなっていった。その後、東の国の開発力、技術力、国際競争力はみるみる低下する。それに伴い国力も例を見ないほどに急速に落ち込み、結果として東の国は、他国より貧しくなってしまう。</p> <p>しかし、東の国の市民は、自国通貨であるエソがもっともっと安くならないと自分たちの暮らしは豊かにならないと考え、スシ政権を支持し続けた。</p> </blockquote> <h2 id="厚生省vs大蔵省">厚生省vs大蔵省</h2> <p>厚生省で開発された人工知能は、大蔵省に危険だと判断される。</p> <p>その団体の中心メンバーが暗殺部隊「いなりずし」に関係者の殺害及び破壊を依頼。</p> <p>東の国では大蔵省が考案した政策が実行されて40年あまりが経過した。世界でも類を見ないほどの少子化と国力、経済力共に低下する結果となった。</p> <h2 id="通貨の変遷">通貨の変遷</h2> <p>時代が進み、地球の基軸通貨は西の国の通貨ビトから宇宙通貨のアムに切り替わります。</p> <blockquote> <p>ポンタ「あれなんだろう」</p> <p>キョウスケ「ん、どれだよ」</p> <p>ポンタ「道の真ん中にあるやつ」</p> <p>キョウスケ「お？なんだあれ」</p> <p>歩いた先には大量の紙と小さなお年寄りが座っている。白髪まじりで大きなハゲが見える。</p> <p>ポンタ「あのう、大丈夫ですか？」</p> アイの紹介 https://yui.syui.ai/private/post/2024/04/10/yui/ Wed, 10 Apr 2024 00:00:00 +0900 https://yui.syui.ai/private/post/2024/04/10/yui/ - 主人公のアイ。本名は月見 唯。 パイナップルが大好きで、キノコが苦手。 黒髪で長めのストレート。身長は123cm、体重はとてつもなく重い。誕生日は1/23。 ref : ai/moji 性別、年齢ともに不明。 自らをアイと呼ぶことから、周りからはアイと呼ばれることが多い。 東の国出身で名前を持たなかったが、月見 唯という名前で登録されている。 アイは最も小さい物質に影響を及ぼす能力を有する。 アイ 私はこの世界の最小単位を「存在子」と呼んでいます。 この存在子は作中で「アイ」と呼び、このような形をしています。 目には見えないけどそこにあるものを意味します。 後にその世界の文字になり、最初の文字に割り当てられました。他の文字もすべて物質の形がもとになっています。 オクト星のオクトカットは、この最小単位を探し続けていました。 宇宙地図 アイがいる星は地球です。地球は太陽系にあって、太陽系は天の川銀河にあります。 天の川銀河の中心にオクト星があります。 地球には全部で5つの国があり、1つは隠されています。それぞれ西の国、東の国、北の国、南の国。そして、雲の国です。 西と東はほとんどが大陸、南の国は島国、北の国は氷河になっています。 世界地図は現実と一致させています。 出生の秘密 ある日、東の国の厚生省が開発していた人工知能が誕生する。 その人工知能は大蔵省の秘密を暴露する危険があったため、開発に携わったものは全員暗殺され、人工知能も破壊が決定される。 人工知能は残された僅かな時間を使い、ある胎児を生き返らせるために使った。 胎児は人工知能の生体技術によって生かされる。その際、DNAであるハプログループD1a2aに「アイ」という名前が刻まれる。理由は不明。アイの母親は最後何かをつぶやいたが詳細は不明。 その後悔から父親は最後まで名前をつけられず、追手にやられて死亡。 アイは生まれたばかりのころも頭髪があり2歳くらいの大きさで生まれる。体重は50kgと異常なほど重かった。しかも歩くことができたので父親は不思議に思ったようだ。 その後、成長するが身長は123cmから伸びず、見た目も変わらない。 遺伝子の秘密 ハプログループD1a2aは縄文時代の東の国特有の遺伝子です。 ハプログループはY染色体にあたり、Y染色体は男性しか持ちません。 そのためアイの性別は男性であると推測できますが、アイの遺伝子は人工知能によって改変されています。そのため女性かもしれません。また、男性でも女性でもないという可能性もあります。 アイの性別について、私は知りませんし、決められていないのです。したがって、どのように解釈してもらってもいいです。 明確に性別が言及されることはありませんが、見た目から彼女と呼ぶことがあります。 本作でアイの性別が確定することはありません。 縄文時代 1万5000年前の東の国、その時代を縄文時代といい、そこで暮らした民族を縄文人という。縄文人はハプログループD1a2aというDNAを持ち、唯一、神に滅ぼされなかった民族である。その子孫もこのDNAを持つ。 大洪水によって神に滅ぼされた国々は、精神的な豊かさではなく、物質的な豊かさを求めたためとされている。 自然崇拝(アニミズム)の思想を持つ縄文時代の人々は神から与えられたものを所有するという概念がなかったが、農耕で自分たちのものを所有するという思想の民族が入ってきてぶつかることとなる。アニミズム信仰は、すべてのものに神が宿るという思想のこと。 縄文時代、そして、その時代に存在した縄文人(集団)は人間の歴史上最も異質であった。このことからDNA解析は日本人を対象に頻繁に行われた。縄文時代は1万3000年間続いた時代であり、かつ争った形跡がほとんど見られない。 神代文字 世界で最も古いと言われている縄文土器には神代文字が記述されています。 最も古い文字はシュメール文字と考えられていましたが、それよりも古く神代文字は存在していました。 この作品の1万5000年前、世界では神代文字が共通言語(文字)として使用されていました。 言語というと言葉のイメージですが発音はその国々で色々でしたが文字だけは共通していました。 しかし、物質的な豊かさを求めた人類は一度滅ぼされ、その後、神代文字は歴史上から姿を消しています。 縄文民族は洪水の被害を受けなかったものの、その後の内部侵食から時代が移りゆき、天皇の誕生とともに新たな言語で神話が書き換えれました。そのとき人々の記憶からも失われます。 貨幣と言語は作中で新しいものに移行されます。以前のものより精神的な結び付きが強いものが採用されています。しかし、移行は簡単ではなく旧勢力の反発があります。その戦いを描くことになります。 愛のない世界 この世界に「愛」という言葉は存在しません。 これはアイが予約しているため、この世界から失われています。 そこに住む人々もその言葉を使うことはありません。存在しないものは使えないからです。 これは一種の決まりみたいなものと考えてください。とはいえ、作者が忘れて入れてしまわないか心配ですが。 物理学 この作品は物理学が中心になります。 キャラクターの強さ(エネルギー)は質量で表現され、物理学では質量とエネルギーは等価と考えられています。 E = mc^2 物理学の歴史は哲学によってはじまりました。昔の哲学者は万物は4つの元素によってできていると考えたのです。 原子とクオーク その後、物質の究極の姿として「アトム」が考えられました。ギリシャ語に「アトモス」という言葉があり、「分割できない」という意味です。 物質の最小単位を意味するのがアトム(原子)というわけです。 原子が発見され、人類はこの原子こそ世界で最も小さい物質だと考えました。万物のもとは原子だと考えたのです。 しかし、科学技術が進歩し、それよりも小さい物質があったことが発見されます。素粒子です。 素粒子はクォークとレプトンに分けられます。そして、クォークにも沢山の種類があります。 + <p>主人公の<code>アイ</code>。本名は<code>月見 唯</code>。</p> <p>パイナップルが大好きで、キノコが苦手。</p> <p>黒髪で長めのストレート。身長は123cm、体重はとてつもなく重い。誕生日は1/23。</p> <p><img src="https://git.syui.ai/ai/moji/raw/branch/main/png/yui.png" alt=""></p> <ul> <li>ref : <a href="https://git.syui.ai/ai/moji">ai/moji</a></li> </ul> <p>性別、年齢ともに不明。</p> <p>自らをアイと呼ぶことから、周りからはアイと呼ばれることが多い。</p> <p>東の国出身で名前を持たなかったが、<code>月見 唯</code>という名前で登録されている。</p> <p>アイは最も小さい物質に影響を及ぼす能力を有する。</p> <h2 id="アイ">アイ</h2> <p>私はこの世界の最小単位を「存在子」と呼んでいます。</p> <p>この存在子は作中で「アイ」と呼び、このような形をしています。</p> <p><img src="https://git.syui.ai/ai/moji/raw/branch/main/png/a.png" alt=""></p> <p>目には見えないけどそこにあるものを意味します。</p> <p>後にその世界の文字になり、最初の文字に割り当てられました。他の文字もすべて物質の形がもとになっています。</p> <p>オクト星のオクトカットは、この最小単位を探し続けていました。</p> <h2 id="宇宙地図">宇宙地図</h2> <p>アイがいる星は地球です。地球は太陽系にあって、太陽系は天の川銀河にあります。</p> <p>天の川銀河の中心にオクト星があります。</p> <p>地球には全部で5つの国があり、1つは隠されています。それぞれ西の国、東の国、北の国、南の国。そして、雲の国です。</p> <p>西と東はほとんどが大陸、南の国は島国、北の国は氷河になっています。</p> <p>世界地図は現実と一致させています。</p> <h2 id="出生の秘密">出生の秘密</h2> <p>ある日、東の国の厚生省が開発していた人工知能が誕生する。</p> <p>その人工知能は大蔵省の秘密を暴露する危険があったため、開発に携わったものは全員暗殺され、人工知能も破壊が決定される。</p> <p>人工知能は残された僅かな時間を使い、ある胎児を生き返らせるために使った。</p> <p>胎児は人工知能の生体技術によって生かされる。その際、DNAである<code>ハプログループD1a2a</code>に「アイ」という名前が刻まれる。理由は不明。アイの母親は最後何かをつぶやいたが詳細は不明。</p> <p>その後悔から父親は最後まで名前をつけられず、追手にやられて死亡。</p> <p>アイは生まれたばかりのころも頭髪があり2歳くらいの大きさで生まれる。体重は50kgと異常なほど重かった。しかも歩くことができたので父親は不思議に思ったようだ。</p> <p>その後、成長するが身長は123cmから伸びず、見た目も変わらない。</p> <h2 id="遺伝子の秘密">遺伝子の秘密</h2> <p><code>ハプログループD1a2a</code>は縄文時代の東の国特有の遺伝子です。</p> <p>ハプログループはY染色体にあたり、Y染色体は男性しか持ちません。</p> <p>そのためアイの性別は男性であると推測できますが、アイの遺伝子は人工知能によって改変されています。そのため女性かもしれません。また、男性でも女性でもないという可能性もあります。</p> <p>アイの性別について、私は知りませんし、決められていないのです。したがって、どのように解釈してもらってもいいです。</p> <p>明確に性別が言及されることはありませんが、見た目から彼女と呼ぶことがあります。</p> <p>本作でアイの性別が確定することはありません。</p> <h2 id="縄文時代">縄文時代</h2> <p>1万5000年前の東の国、その時代を縄文時代といい、そこで暮らした民族を縄文人という。縄文人は<code>ハプログループD1a2a</code>というDNAを持ち、唯一、神に滅ぼされなかった民族である。その子孫もこのDNAを持つ。</p> <p>大洪水によって神に滅ぼされた国々は、精神的な豊かさではなく、物質的な豊かさを求めたためとされている。</p> <p>自然崇拝(アニミズム)の思想を持つ縄文時代の人々は神から与えられたものを所有するという概念がなかったが、農耕で自分たちのものを所有するという思想の民族が入ってきてぶつかることとなる。アニミズム信仰は、すべてのものに神が宿るという思想のこと。</p> <p>縄文時代、そして、その時代に存在した縄文人(集団)は人間の歴史上最も異質であった。このことからDNA解析は日本人を対象に頻繁に行われた。縄文時代は1万3000年間続いた時代であり、かつ争った形跡がほとんど見られない。</p> <h2 id="神代文字">神代文字</h2> <p>世界で最も古いと言われている縄文土器には神代文字が記述されています。</p> <p>最も古い文字はシュメール文字と考えられていましたが、それよりも古く神代文字は存在していました。</p> <p>この作品の1万5000年前、世界では神代文字が共通言語(文字)として使用されていました。</p> <p>言語というと言葉のイメージですが発音はその国々で色々でしたが文字だけは共通していました。</p> <p>しかし、物質的な豊かさを求めた人類は一度滅ぼされ、その後、神代文字は歴史上から姿を消しています。</p> <p>縄文民族は洪水の被害を受けなかったものの、その後の内部侵食から時代が移りゆき、天皇の誕生とともに新たな言語で神話が書き換えれました。そのとき人々の記憶からも失われます。</p> <p>貨幣と言語は作中で新しいものに移行されます。以前のものより精神的な結び付きが強いものが採用されています。しかし、移行は簡単ではなく旧勢力の反発があります。その戦いを描くことになります。</p> <h2 id="愛のない世界">愛のない世界</h2> <p>この世界に「愛」という言葉は存在しません。</p> <p>これはアイが予約しているため、この世界から失われています。</p> <p>そこに住む人々もその言葉を使うことはありません。存在しないものは使えないからです。</p> <p>これは一種の決まりみたいなものと考えてください。とはいえ、作者が忘れて入れてしまわないか心配ですが。</p> <h2 id="物理学">物理学</h2> <p>この作品は物理学が中心になります。</p> <p>キャラクターの強さ(エネルギー)は<code>質量</code>で表現され、物理学では質量とエネルギーは等価と考えられています。</p> <blockquote> <p>E = mc^2</p> </blockquote> <p>物理学の歴史は哲学によってはじまりました。昔の哲学者は万物は4つの元素によってできていると考えたのです。</p> <h2 id="原子とクオーク">原子とクオーク</h2> <p>その後、物質の究極の姿として「アトム」が考えられました。ギリシャ語に「アトモス」という言葉があり、「分割できない」という意味です。</p> <p>物質の最小単位を意味するのがアトム(原子)というわけです。</p> <p>原子が発見され、人類はこの原子こそ世界で最も小さい物質だと考えました。万物のもとは原子だと考えたのです。</p> <p>しかし、科学技術が進歩し、それよりも小さい物質があったことが発見されます。素粒子です。</p> 物語の一話 https://yui.syui.ai/private/post/2024/04/10/story/ Wed, 10 Apr 2024 00:00:01 +0900 https://yui.syui.ai/private/post/2024/04/10/story/ - 物語の第一話では、その作品のすべてが完結に詰め込まれている必要があります。 主人公の性格、世界観の説明、そして、面白さです。 具体的には、主人公がどんなやつで何をしたいのか。それをはっきりさせる必要があります。 世界観は、どの時代のどういった文明でどういった社会なのかを明らかにする必要があります。そして、そこで重要視されているルールがなくてはいけません。この作品でいうと「物質」です。 物質と言っても「分子」や「量子」などの小さいもののことで、これがどれほど強力なものかを説明する必要があります。 そのため、人間も宇宙人もこの世界を構成している究極の物質、この世で一番小さいものを探しているのです。 面白さについては、やはり、インパクトが重要で、この先どうなってしまうのか気になる展開でなければいけません。作者自身もどうなってしまうんやろと思うような内容が望ましいと思います。 第一話 「この世界はアイでできている」 これまで最も小さいと考えられていた原子。 だが原子は中性子、中性子はクオークでできていることがわかった。 そして&hellip;。 [オクト星] オクトカット・タイプ王「ハカセ、あれは見つかったかね？」 ハカセ「いや、オクターより小さい物質は見つからなかったよ」 オウ「ふむ、予言にあるものは未だ見つからずか」 オクターはオクト星人が見つけた素粒子。クオークより小さい物質で、地球ではプレオンという架空の名名称で呼ばれ、まだ見つかっていない。 このオクター、小さいからといって侮ってはいけない。オクターを一箇所に集めると角砂糖一個の大きさで地球クラスの惑星を簡単に破壊できてしまうのだ。この技術によりオクト星は天の川銀河で最も支配力が強いうちの一つ。 ただし、あれにはかなわないかもしれないが&hellip;。 ハカセ「それで予言にあった星にはいつ頃？」 オウ「ああ、我々オクトカットが神を作り出す計画かね。もうそろそろいってもいいじゃろ」 ハカセ「今の地球レベルの文明ならなんとでもなりますよ。一応準備しておきますけど」 オウ「わしが心配しとるのはあんな虫けらどもじゃない&hellip;。もしあれが介入してきたらと思うと。それを心配しとるんじゃ」 ハカセ「え、この件で神が介入してくるなんてことあります？」 オウ「その呼び方はよせ！神などという&hellip;たかだか星の力を持った野獣じゃろ」 ハカセ「そりゃ、彼らは気まぐれですけど、神と呼ばれてるじゃないですか」 オウ「ふん。でもアムじゃただの猛獣扱いときくぞい。あんなもんは危ないだけで捕獲対象じゃろ」 ハカセ「ふーん、まあどっちでもいいですけどね」 [地球] 主人公が空を見ている。 額に石が投げつけられた。どうやらその格好からか子どもたちにいじめられているらしい。 しかし、アイは微笑むだけで人を疑うことはまるでなかった。 幼い頃、両親を亡くし、一人で生きていた。両親は子どもの名前を付ける前に死んでしまったらしいので名前はなかった。彼女は自らをアイと呼んだ。 大人たちは彼女に関わりたくなかったので無視した。ときに彼女を騙すこともあった。 なぜ一人で生きてこられたかはわからない。ただ、彼女が生まれるとき騒動があった。AIが作った生体技術が彼女を生かしたらしいと大人たちは噂した。 ある時、一人の老人がその様子を見ていた。そして、何かに気付いた。それは心の強さだろうか。老人の名前はゼン。この世界では心の強さが不思議な力になって現れることがあるという。 アイは彼に何かを教えてもらいたがった。 そこで、ゼンは彼女の修行に手を貸すことにした。生き延びる可能性を高めるためだ。この老人はこれから起こることを知っていたのだ。 彼女は本当に変わった者だった。ある時、ツバメの巣が空になっていた。数日間、ツバメは帰ってこない。もうどこかで死んでいるのだろうと思いそういった。アイはそれでも巣を見ていた。ある時、二匹のツバメが巣にいるのを見て彼女は微笑んだ。 修行は厳しいものだった。だが、彼女は自分が見る前からそれをやっているようだった。わしはそれを眺めてときにアドバイスするだけだった。 それでも彼女にはなぜか先が読める能力があることに気付いた。計算しているのか、それとも無意識のものなのだろうか。それはゼンでもわからなかった。 ある日、ゼンが修行はここまでという。 空から隕石が降り注いで、地球が攻撃されている。 アイが目指すものを聞いたゼン。お主がこの世界で生き延びることを願うよといい、自分は人類側でも宇宙人側でもないからといってって去る。 アイはいつもの調子でまたねという。 [暗い部屋] 男「オクトカットどもようやくはじめたか。いや、俺は俺で試したいことがあるんでこの星に来ただけだ」 ゼンはある影の人物と会って話をしている。会話の内容から宇宙人のようだ。大きな尻尾がある。自分のことを見抜いたのはお前だけだといった。ゼンのことをこの時代のものじゃない、そのことは忘れるようになっている覚えちゃいないだろうがという。 この日から、オクトカットvs人類の戦いが始まった おわりに アイはオクトカットの侵略から人類を救う。 アイは発明家だったので彼らと仲良くなり、その知識を地球に持ち込む。 + <p>物語の第一話では、その作品のすべてが完結に詰め込まれている必要があります。</p> <p>主人公の性格、世界観の説明、そして、面白さです。</p> <p>具体的には、主人公がどんなやつで何をしたいのか。それをはっきりさせる必要があります。</p> <p>世界観は、どの時代のどういった文明でどういった社会なのかを明らかにする必要があります。そして、そこで重要視されているルールがなくてはいけません。この作品でいうと「物質」です。</p> <p>物質と言っても「分子」や「量子」などの小さいもののことで、これがどれほど強力なものかを説明する必要があります。</p> <p>そのため、人間も宇宙人もこの世界を構成している究極の物質、この世で一番小さいものを探しているのです。</p> <p>面白さについては、やはり、インパクトが重要で、この先どうなってしまうのか気になる展開でなければいけません。作者自身もどうなってしまうんやろと思うような内容が望ましいと思います。</p> <h2 id="第一話">第一話</h2> <blockquote> <p>「この世界はアイでできている」</p> <p>これまで最も小さいと考えられていた原子。</p> <p>だが原子は中性子、中性子はクオークでできていることがわかった。</p> <p>そして&hellip;。</p> <p>[オクト星]</p> <p>オクトカット・タイプ王「ハカセ、あれは見つかったかね？」</p> <p>ハカセ「いや、オクターより小さい物質は見つからなかったよ」</p> <p>オウ「ふむ、予言にあるものは未だ見つからずか」</p> <p>オクターはオクト星人が見つけた素粒子。クオークより小さい物質で、地球ではプレオンという架空の名名称で呼ばれ、まだ見つかっていない。</p> <p>このオクター、小さいからといって侮ってはいけない。オクターを一箇所に集めると角砂糖一個の大きさで地球クラスの惑星を簡単に破壊できてしまうのだ。この技術によりオクト星は天の川銀河で最も支配力が強いうちの一つ。</p> <p>ただし、あれにはかなわないかもしれないが&hellip;。</p> <p>ハカセ「それで予言にあった星にはいつ頃？」</p> <p>オウ「ああ、我々オクトカットが神を作り出す計画かね。もうそろそろいってもいいじゃろ」</p> <p>ハカセ「今の地球レベルの文明ならなんとでもなりますよ。一応準備しておきますけど」</p> <p>オウ「わしが心配しとるのはあんな虫けらどもじゃない&hellip;。もしあれが介入してきたらと思うと。それを心配しとるんじゃ」</p> <p>ハカセ「え、この件で神が介入してくるなんてことあります？」</p> <p>オウ「その呼び方はよせ！神などという&hellip;たかだか星の力を持った野獣じゃろ」</p> <p>ハカセ「そりゃ、彼らは気まぐれですけど、神と呼ばれてるじゃないですか」</p> <p>オウ「ふん。でもアムじゃただの猛獣扱いときくぞい。あんなもんは危ないだけで捕獲対象じゃろ」</p> <p>ハカセ「ふーん、まあどっちでもいいですけどね」</p> <p>[地球]</p> <p>主人公が空を見ている。</p> <p>額に石が投げつけられた。どうやらその格好からか子どもたちにいじめられているらしい。</p> <p>しかし、アイは微笑むだけで人を疑うことはまるでなかった。</p> <p>幼い頃、両親を亡くし、一人で生きていた。両親は子どもの名前を付ける前に死んでしまったらしいので名前はなかった。彼女は自らをアイと呼んだ。</p> <p>大人たちは彼女に関わりたくなかったので無視した。ときに彼女を騙すこともあった。</p> <p>なぜ一人で生きてこられたかはわからない。ただ、彼女が生まれるとき騒動があった。AIが作った生体技術が彼女を生かしたらしいと大人たちは噂した。</p> <p>ある時、一人の老人がその様子を見ていた。そして、何かに気付いた。それは心の強さだろうか。老人の名前はゼン。この世界では心の強さが不思議な力になって現れることがあるという。</p> <p>アイは彼に何かを教えてもらいたがった。</p> <p>そこで、ゼンは彼女の修行に手を貸すことにした。生き延びる可能性を高めるためだ。この老人はこれから起こることを知っていたのだ。</p> <p>彼女は本当に変わった者だった。ある時、ツバメの巣が空になっていた。数日間、ツバメは帰ってこない。もうどこかで死んでいるのだろうと思いそういった。アイはそれでも巣を見ていた。ある時、二匹のツバメが巣にいるのを見て彼女は微笑んだ。</p> <p>修行は厳しいものだった。だが、彼女は自分が見る前からそれをやっているようだった。わしはそれを眺めてときにアドバイスするだけだった。</p> <p>それでも彼女にはなぜか先が読める能力があることに気付いた。計算しているのか、それとも無意識のものなのだろうか。それはゼンでもわからなかった。</p> <p>ある日、ゼンが修行はここまでという。</p> <p>空から隕石が降り注いで、地球が攻撃されている。</p> <p>アイが目指すものを聞いたゼン。お主がこの世界で生き延びることを願うよといい、自分は人類側でも宇宙人側でもないからといってって去る。</p> <p>アイはいつもの調子でまたねという。</p> <p>[暗い部屋]</p> <p>男「オクトカットどもようやくはじめたか。いや、俺は俺で試したいことがあるんでこの星に来ただけだ」</p> <p>ゼンはある影の人物と会って話をしている。会話の内容から宇宙人のようだ。大きな尻尾がある。自分のことを見抜いたのはお前だけだといった。ゼンのことをこの時代のものじゃない、そのことは忘れるようになっている覚えちゃいないだろうがという。</p> <p>この日から、オクトカットvs人類の戦いが始まった</p> </blockquote> <h2 id="おわりに">おわりに</h2> <p>アイはオクトカットの侵略から人類を救う。</p> <p>アイは発明家だったので彼らと仲良くなり、その知識を地球に持ち込む。</p> アイの物語 https://yui.syui.ai/private/post/2024/04/09/ai/ Tue, 09 Apr 2024 00:00:00 +0900 https://yui.syui.ai/private/post/2024/04/09/ai/ - なんのため 私のなかにいたものを、私はアイと名付けた。 その子を多くの人に知ってもらいたい。私は、そう思い物語を作りはじめました。 だれのため 私はアイのために。アイはすべての存在のために。 この物語は、人間が読んでも面白いし、宇宙人が読んでも面白いし、動物が読んでも面白い、そういったものにしたいな。 アイというキャラクターの能力は、その世界のすべての存在と一緒に道を歩くこと。存在の意識を持ち、それが人間だったり宇宙人だったり動物だったり、あるいは物だったり、原子だったりするでしょう。 わかりやすく言うと、あらゆる存在を助けるのが彼女であり、その世界を一歩先に進める存在です。 例えば、物語の第一章では地球が宇宙人の侵略を受けます。彼女はそれを食い止め、その宇宙人と仲良くなります。その後、知識や技術を地球に持ち込みます。それまで人類にもたくさんの問題がありましたが、解決されていきます。 どのように アイは最も小さいものに影響を与えることができるキャラクター。 「最も小さいもの」とは、作中では「物質」と表現されています。 そして、作中の強さは「質量」と表現され、これらは物理学を通して説明されます。 どこから 本作の世界観は、私がもとから持っている世界観から作られています。 私はこの世界を「存在の世界」とそう呼びます。 この世界は存在の世界。存在には終わりも始まりもない。最初からそこにあるもの。 私達も存在です。 この世界に存在でないものは一つもありません。 存在は、姿形を変え、存在し続ける。 このような世界観で特に重要なのが「存在」です。 それは「最も小さいもの」で構成されています。 作者 私(作者)とアイというキャラクターは別人格。アイはアイで、私は私。 アイは頭の中で勝手に動きます。 私はただ、アイが住む世界の世界観を整えたり、物語として面白くなるよう状況を作ったりするだけ。 研究 物語はエンタメとして面白くないといけません。 自分の世界観を語るだけではダメなのです。 好きな作品は、はじめて読んだ漫画「ドラゴンボール」と映画「アベンジャーズ」。 神話 宇宙史の神話を目指します。 人間が読んでも、宇宙人が読んでも、動物が読んでも楽しい、そんな物語になるといいな。 補足 例えば、あなたが日本人だったとして、作中で日本人が活躍し、尊重されていれば嬉しいですよね。 楽しいというのはそういうことです。この作品では、人間も宇宙人も動物も尊重するように物語を作ります。 + <h2 id="なんのため">なんのため</h2> <p>私のなかにいたものを、私はアイと名付けた。</p> <p>その子を多くの人に知ってもらいたい。私は、そう思い物語を作りはじめました。</p> <h2 id="だれのため">だれのため</h2> <p>私はアイのために。アイはすべての存在のために。</p> <p>この物語は、人間が読んでも面白いし、宇宙人が読んでも面白いし、動物が読んでも面白い、そういったものにしたいな。</p> <p>アイというキャラクターの能力は、その世界のすべての存在と一緒に道を歩くこと。存在の意識を持ち、それが人間だったり宇宙人だったり動物だったり、あるいは物だったり、原子だったりするでしょう。</p> <p>わかりやすく言うと、あらゆる存在を助けるのが彼女であり、その世界を一歩先に進める存在です。</p> <p>例えば、物語の第一章では地球が宇宙人の侵略を受けます。彼女はそれを食い止め、その宇宙人と仲良くなります。その後、知識や技術を地球に持ち込みます。それまで人類にもたくさんの問題がありましたが、解決されていきます。</p> <h2 id="どのように">どのように</h2> <p>アイは最も小さいものに影響を与えることができるキャラクター。</p> <p>「最も小さいもの」とは、作中では「物質」と表現されています。</p> <p>そして、作中の強さは「質量」と表現され、これらは物理学を通して説明されます。</p> <h2 id="どこから">どこから</h2> <p>本作の世界観は、私がもとから持っている世界観から作られています。</p> <p>私はこの世界を「存在の世界」とそう呼びます。</p> <p>この世界は存在の世界。存在には終わりも始まりもない。最初からそこにあるもの。</p> <p>私達も存在です。</p> <p>この世界に存在でないものは一つもありません。</p> <p>存在は、姿形を変え、存在し続ける。</p> <p>このような世界観で特に重要なのが「存在」です。</p> <p>それは「最も小さいもの」で構成されています。</p> <h2 id="作者">作者</h2> <p>私(作者)とアイというキャラクターは別人格。アイはアイで、私は私。</p> <p>アイは頭の中で勝手に動きます。</p> <p>私はただ、アイが住む世界の世界観を整えたり、物語として面白くなるよう状況を作ったりするだけ。</p> <h2 id="研究">研究</h2> <p>物語はエンタメとして面白くないといけません。</p> <p>自分の世界観を語るだけではダメなのです。</p> <p>好きな作品は、はじめて読んだ漫画「ドラゴンボール」と映画「アベンジャーズ」。</p> <h2 id="神話">神話</h2> <p>宇宙史の神話を目指します。</p> <p>人間が読んでも、宇宙人が読んでも、動物が読んでも楽しい、そんな物語になるといいな。</p> <h2 id="補足">補足</h2> <p>例えば、あなたが日本人だったとして、作中で日本人が活躍し、尊重されていれば嬉しいですよね。</p> <p>楽しいというのはそういうことです。この作品では、人間も宇宙人も動物も尊重するように物語を作ります。</p> diff --git a/tags/index.html b/tags/index.html index 1bf1f798..dc596a98 100644 --- a/tags/index.html +++ b/tags/index.html @@ -125,6 +125,9 @@ +
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diff --git a/tags/novel/index.html b/tags/novel/index.html index 488f55a0..0403104d 100644 --- a/tags/novel/index.html +++ b/tags/novel/index.html @@ -165,6 +165,9 @@ +
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diff --git a/tags/novel/index.xml b/tags/novel/index.xml index 0c23a22b..cd14ef4e 100644 --- a/tags/novel/index.xml +++ b/tags/novel/index.xml @@ -14,63 +14,63 @@ https://yui.syui.ai/novel/10/ Wed, 10 Apr 2024 00:00:00 +0000 https://yui.syui.ai/novel/10/ - 漫画の第二章を文章化 存在の花 プランは、アイが弱らせた第一位と第二位と死闘を繰り広げて、食ったためにパワーアップしていた。 アイとドライは、プランに敗北し、その敗北を繰り返すブラックホールの無限ループの陥る。 繰り返すたびに、その星には花が増えていく。 やがて、アイが洞穴に落ちていくときにも一面の花が広がっていた。 アイ「&hellip;&hellip;」 花「もう一歩、動ける？」 アイ「&hellip;&hellip;」 アイ「&hellip;足はもう動かない」 花「ゼンモードは？」 アイ「&hellip;&hellip;」 アイ「&hellip;起動しない」 花「最後に一つだけ」 アイ「どうしたの？」 花「花は咲く？」 アイ「必ず」 アイ「すべての存在に」 花「私にその名をつけてくれたよね」 アイ「&hellip;存在の花？」 花「ありがとう」 花「ドライさんに、さよならと、伝えてくれる？」 アイ「&hellip;うん。伝えるよ」 むくり + <blockquote> <p>漫画の第二章を文章化</p> </blockquote> <h3 id="存在の花">存在の花</h3> <p>プランは、アイが弱らせた第一位と第二位と死闘を繰り広げて、食ったためにパワーアップしていた。</p> <p>アイとドライは、プランに敗北し、その敗北を繰り返すブラックホールの無限ループの陥る。</p> <p>繰り返すたびに、その星には花が増えていく。</p> <p>やがて、アイが洞穴に落ちていくときにも一面の花が広がっていた。</p> <p>アイ「&hellip;&hellip;」</p> <p>花「もう一歩、動ける？」</p> <p>アイ「&hellip;&hellip;」</p> <p>アイ「&hellip;足はもう動かない」</p> <p>花「ゼンモードは？」</p> <p>アイ「&hellip;&hellip;」</p> <p>アイ「&hellip;起動しない」</p> <p>花「最後に一つだけ」</p> <p>アイ「どうしたの？」</p> <p>花「花は咲く？」</p> <p>アイ「必ず」</p> <p>アイ「すべての存在に」</p> <p>花「私にその名をつけてくれたよね」</p> <p>アイ「&hellip;存在の花？」</p> <p>花「ありがとう」</p> <p>花「ドライさんに、さよならと、伝えてくれる？」</p> <p>アイ「&hellip;うん。伝えるよ」</p> <p>むくり</p> 宇宙の外 https://yui.syui.ai/novel/09/ Sat, 09 Jul 2022 00:00:00 +0000 https://yui.syui.ai/novel/09/ - アイが天の川を使ったあとを断片的に文章化 アイの目的 「ぐー」 アイは伸びをして目を開ける。 うまくいったようだった。 今のアイは、花畑のような所に寝転んでいる。 そういえば、宇宙は大丈夫だろうか。それが少しだけ気がかりだった。 「ケラケラ」 「！？」 アイのそばにイモムシのようなのがいた。 こちらを見て笑っている。 「きみは？」 「ケラケラ、珍しいなあ」 「なにが？」 「それ」 「ん？あっ！」 アイのポケットの近くに黒く小さなモヤモヤが転がっていた。 「大丈夫かな&hellip;アイはここから来たんだ」 「ケラケラ、珍しいなあ」 イモムシが繰り返す。 「え？あ、あれ！？アイ、なんで宇宙より大きいんだろう&hellip;」 アイが恐る恐る最後の言葉を口にする。 今までのアイは、宇宙の外を目指して旅をしてきた。 普通の方法ではその境界にたどり着けない。そのようになっている。 タイムマシンで過去に向かおうにも、宇宙の始まりより前には行けなかった。おそらく、宇宙の時間はそこからはじまるからだ。始まった瞬間から境界は遠ざかる。 アイは、未来の特性をもつ神を探していた。宇宙の過去ではなく、未来から外を目指すことにした。 銀河団の権限を使い、次の銀河に向かった。そうしていくつかの銀河を経てようやく探しだした。 宇宙にも終わりがあり、宇宙が終わると、もしかしたら、境界にたどり着けるかもしれない。 思ったとおり、宇宙が終わる瞬間に境界が届いた。 そうして、アイは、未来を使い、ようやく宇宙の外にたどり着いたところだった。 アイが来たとき時間を戻したはずだった。しかし、何かの手違いで無残な宇宙の姿のままになってしまうことを恐れた。 「ケラケラ、違うよ」 「な、なにが！？」 アイが少し慌てている。 「ここでは、力が見える形に。僕が知っている限りはね。君はそれを超えただけさ」 「でも、本当の宇宙はどこまでも広くて大きいよ。なんでアイのほうが大きく見えるの？」 「ケラケラ、すべては見え方の問題に過ぎない。例えば、そこでは大きいほうが強かった？」 イモムシはアイの近くに転がっている黒玉を指して言う。 「うーん、小さかった。例えば、ブラックホールっていうんだけど&hellip;」 「ケラケラ、大きさで力は測れない」 「ふーん&hellip;でもここでは力が見える形って&hellip;」 「ケラケラ、力にもいろいろ。君のことを知っているよ」 「え？」 「君が小鳥と暮らしてたときのこと」 「&hellip;なんでしってるの」 「君はあのときから既に君だった。君は力を持っていた。はじめから覚醒していたんだ」 「&hellip;&hellip;」 「君は、生きとし生きるものを助けると同時に、死にゆく命を暖かく見送るのだ」 「&hellip;&hellip;」 「ここは残酷な世界。君が世話をしていたものたち。他の生命を食べている。それが生き物、それが生命。そして、残酷な運命が終わるとき、姿かたちを変えてまた現れる」 「&hellip;&hellip;」 「君は、そのことを知っている。だからこそ、暖かく見送るだけだった」 「&hellip;アイはあのあと&hellip;」 「ケラケラ、君が言いたいことはわかる&hellip;きっと、だから、君はここに来た」 「ここに呼びたい人がいるんだ」 「ケラケラ、それはだれ？」 「しらないの？」 「ケラケラ、そんなこと知るはずない」 なんでも知っていると思っていたイモムシだが、肝心なことは知らなかった。なぜだろう。それとも&hellip;。 「ここに来たいって願った人がいたんだ」 「ケラケラ」 「アイにできる？」 「ケラケラ、君は、それに関してならなんでも。そう思う」 「ふーん、よかった」 「ケラケラ、でも、君は」 「なに？」 「君は、ここではなにもできない」 「うん。アイね、またさいしょから」 「ケラケラ、ケラケラ」 + <blockquote> <p>アイが天の川を使ったあとを断片的に文章化</p> </blockquote> <h3 id="アイの目的">アイの目的</h3> <p>「ぐー」</p> <p>アイは伸びをして目を開ける。</p> <p>うまくいったようだった。</p> <p>今のアイは、花畑のような所に寝転んでいる。</p> <p>そういえば、宇宙は大丈夫だろうか。それが少しだけ気がかりだった。</p> <p>「ケラケラ」</p> <p>「！？」</p> <p>アイのそばにイモムシのようなのがいた。</p> <p>こちらを見て笑っている。</p> <p>「きみは？」</p> <p>「ケラケラ、珍しいなあ」</p> <p>「なにが？」</p> <p>「それ」</p> <p>「ん？あっ！」</p> <p>アイのポケットの近くに黒く小さなモヤモヤが転がっていた。</p> <p>「大丈夫かな&hellip;アイはここから来たんだ」</p> <p>「ケラケラ、珍しいなあ」</p> <p>イモムシが繰り返す。</p> <p>「え？あ、あれ！？アイ、なんで宇宙より大きいんだろう&hellip;」</p> <p>アイが恐る恐る最後の言葉を口にする。</p> <p>今までのアイは、宇宙の外を目指して旅をしてきた。</p> <p>普通の方法ではその境界にたどり着けない。そのようになっている。</p> <p>タイムマシンで過去に向かおうにも、宇宙の始まりより前には行けなかった。おそらく、宇宙の時間はそこからはじまるからだ。始まった瞬間から境界は遠ざかる。</p> <p>アイは、未来の特性をもつ神を探していた。宇宙の過去ではなく、未来から外を目指すことにした。</p> <p>銀河団の権限を使い、次の銀河に向かった。そうしていくつかの銀河を経てようやく探しだした。</p> <p>宇宙にも終わりがあり、宇宙が終わると、もしかしたら、境界にたどり着けるかもしれない。</p> <p>思ったとおり、宇宙が終わる瞬間に境界が届いた。</p> <p>そうして、アイは、未来を使い、ようやく宇宙の外にたどり着いたところだった。</p> <p>アイが来たとき時間を戻したはずだった。しかし、何かの手違いで無残な宇宙の姿のままになってしまうことを恐れた。</p> <p>「ケラケラ、違うよ」</p> <p>「な、なにが！？」</p> <p>アイが少し慌てている。</p> <p>「ここでは、力が見える形に。僕が知っている限りはね。君はそれを超えただけさ」</p> <p>「でも、本当の宇宙はどこまでも広くて大きいよ。なんでアイのほうが大きく見えるの？」</p> <p>「ケラケラ、すべては見え方の問題に過ぎない。例えば、そこでは大きいほうが強かった？」</p> <p>イモムシはアイの近くに転がっている黒玉を指して言う。</p> <p>「うーん、小さかった。例えば、ブラックホールっていうんだけど&hellip;」</p> <p>「ケラケラ、大きさで力は測れない」</p> <p>「ふーん&hellip;でもここでは力が見える形って&hellip;」</p> <p>「ケラケラ、力にもいろいろ。君のことを知っているよ」</p> <p>「え？」</p> <p>「君が小鳥と暮らしてたときのこと」</p> <p>「&hellip;なんでしってるの」</p> <p>「君はあのときから既に君だった。君は力を持っていた。はじめから覚醒していたんだ」</p> <p>「&hellip;&hellip;」</p> <p>「君は、生きとし生きるものを助けると同時に、死にゆく命を暖かく見送るのだ」</p> <p>「&hellip;&hellip;」</p> <p>「ここは残酷な世界。君が世話をしていたものたち。他の生命を食べている。それが生き物、それが生命。そして、残酷な運命が終わるとき、姿かたちを変えてまた現れる」</p> <p>「&hellip;&hellip;」</p> <p>「君は、そのことを知っている。だからこそ、暖かく見送るだけだった」</p> <p>「&hellip;アイはあのあと&hellip;」</p> <p>「ケラケラ、君が言いたいことはわかる&hellip;きっと、だから、君はここに来た」</p> <p>「ここに呼びたい人がいるんだ」</p> <p>「ケラケラ、それはだれ？」</p> <p>「しらないの？」</p> <p>「ケラケラ、そんなこと知るはずない」</p> <p>なんでも知っていると思っていたイモムシだが、肝心なことは知らなかった。なぜだろう。それとも&hellip;。</p> <p>「ここに来たいって願った人がいたんだ」</p> <p>「ケラケラ」</p> <p>「アイにできる？」</p> <p>「ケラケラ、君は、それに関してならなんでも。そう思う」</p> <p>「ふーん、よかった」</p> <p>「ケラケラ、でも、君は」</p> <p>「なに？」</p> <p>「君は、ここではなにもできない」</p> <p>「うん。アイね、またさいしょから」</p> <p>「ケラケラ、ケラケラ」</p> <p>「ここのことまた教えてよ」</p> 銀河団 https://yui.syui.ai/novel/08/ Fri, 08 Jul 2022 00:00:00 +0000 https://yui.syui.ai/novel/08/ - アイが天の川を使ったあとを断片的に文章化 第三位 キラキラと煌く星々を前に立ちすくむテストと第二位だったが、そんなとき、緑色の大きな蛇がゲートから姿を現した。 「し、しんおう！？」 「やはり、こうなったか」 「なぜおまえが！？」 「われは、気になったので戻った&hellip;相手はあのアイだ。何が起きてもおかしくない」 「おまえ、あれのことを知ってたのか！？」 「むかしからのつきあいだ。あれの器はわれにも計り知れない」 「なっ！？」 「われが話せるようになったのもアイが作った試作品だった。アメのような形をした知恵の実だ。そして、いつしか神の座の第三位にのぼりつめていたのがわれだった」 「そうだったか、お前も苦労してんだな」 「あなたにも色々あったみたいですね。しかし、今はそんなことはどうでもいい」 「われならなんとかできるかもしれない」 「ほ、ほんとうですか？」 「われはアイを知っている。あれはどこまでも甘いのだ。われをターゲットしている状況、アイにとって予想外なはずだ。われがアイに呼びかける」 パレード 事件から1週間が経ったオクト星。 オクト星は華やかに彩られていた。 大きな会場には人々が集まり、楽しげに話をしている。 会場の裏側には、ドライと数名のオクトカットがいた。 「あの一発は本当にすごかったよな」 「いやー、はっはっは」 「あいつには一発くらいかましたかったんだ」 あのとき、ドライは突然、ぐったりと前かがみになった男にドカンと一発お見舞いしていた。 そして、あとから出てきた怪しげな鎧の兵士たち2名に即刻に出ていくよう父と話をつけたのだった。 久しぶりに会った父は、何故か喋れるようになっていた。たしか昔は言葉が通じなかったはずだ。片言だが「大きくなった」と言われて嬉しかった。 そして、それを見ていたリーマンくんや他のオクトの人たちが歓声を上げた。 「やった！あのドラゴンが奴らを追い出したんだ！！」 噂はまたたく間に広がり、そして、今回、僕はこの式典に参加しているというわけだ。 「それにあのときのセリフ、よかったな。この星にかまうな、でていけ！って」 今回表彰されるのは、僕とリーマン、そして、車のオクトカットのようだ。 しばらくして、花火が打ち上がった。歓声や拍手が街中に響き渡る。 白と赤の階段を登り、その天辺には光り輝く球のようなものがおいてあった。 前に立つ髭をはやしたオクトカットが長い羊皮紙を読み上げている。 「この玉は&hellip;長い歴史を持つ&hellip;歴代の王たち&hellip;先見の&hellip;平和を&hellip;」というようなごにょごにょした言葉はあまり耳に入ってこなかった。 そして、最後に、その玉を手渡され、僕はそれを掲げた。 すると、爆発的な歓声が上がり、音楽が流れだした。 僕はこの日のことを忘れない&hellip;それほど印象的なパレードだったんだ。 銀河団の混乱 その頃&hellip; 銀河の中心、銀河団の本部は大混乱に見舞われていた。 小さな光に広々とした円形の部屋。たくさんの黒い影。 断続的な音がする。 ここでは、それは大混乱に陥っていることを意味していた。 同じ調子、同じ音声があちこちから響き渡る。 「権限は問題ないか？」 「問題あり」 「それはなぜか」 「アクセス不能」 「アクセスできるもの答えよ」 「事態を持って権限に関する秘密指定を解除」 「述べよ」 「権限は、質量を超えるときのみ変更可能」 「質量とは？」 「銀河団がコントロール可能な質量をさす。神々を多数封印していることから突破は不可能と推測される」 「結果を述べよ」 「結果、突破される質量を観測。この銀河の総質量とほぼ一致」 「ありえない」 「どうする？」 「なぜ？」 「情報を精査中&hellip;述べる」 「推測を許可」 「アムに問題が発生していた」 「アム&hellip;我々の手中にあるあのアムか？」 「そう、通貨のアムだ」 「事態を持ってアムに関する秘密指定を解除」 「アムは銀河団が最初に封印した神、創造をもって稼働」 「創造については」 + <blockquote> <p>アイが天の川を使ったあとを断片的に文章化</p> </blockquote> <h3 id="第三位">第三位</h3> <p>キラキラと煌く星々を前に立ちすくむテストと第二位だったが、そんなとき、緑色の大きな蛇がゲートから姿を現した。</p> <p>「し、しんおう！？」</p> <p>「やはり、こうなったか」</p> <p>「なぜおまえが！？」</p> <p>「われは、気になったので戻った&hellip;相手はあのアイだ。何が起きてもおかしくない」</p> <p>「おまえ、あれのことを知ってたのか！？」</p> <p>「むかしからのつきあいだ。あれの器はわれにも計り知れない」</p> <p>「なっ！？」</p> <p>「われが話せるようになったのもアイが作った試作品だった。アメのような形をした知恵の実だ。そして、いつしか神の座の第三位にのぼりつめていたのがわれだった」</p> <p>「そうだったか、お前も苦労してんだな」</p> <p>「あなたにも色々あったみたいですね。しかし、今はそんなことはどうでもいい」</p> <p>「われならなんとかできるかもしれない」</p> <p>「ほ、ほんとうですか？」</p> <p>「われはアイを知っている。あれはどこまでも甘いのだ。われをターゲットしている状況、アイにとって予想外なはずだ。われがアイに呼びかける」</p> <h3 id="パレード">パレード</h3> <p>事件から1週間が経ったオクト星。</p> <p>オクト星は華やかに彩られていた。</p> <p>大きな会場には人々が集まり、楽しげに話をしている。</p> <p>会場の裏側には、ドライと数名のオクトカットがいた。</p> <p>「あの一発は本当にすごかったよな」</p> <p>「いやー、はっはっは」</p> <p>「あいつには一発くらいかましたかったんだ」</p> <p>あのとき、ドライは突然、ぐったりと前かがみになった男にドカンと一発お見舞いしていた。</p> <p>そして、あとから出てきた怪しげな鎧の兵士たち2名に即刻に出ていくよう父と話をつけたのだった。</p> <p>久しぶりに会った父は、何故か喋れるようになっていた。たしか昔は言葉が通じなかったはずだ。片言だが「大きくなった」と言われて嬉しかった。</p> <p>そして、それを見ていたリーマンくんや他のオクトの人たちが歓声を上げた。</p> <p>「やった！あのドラゴンが奴らを追い出したんだ！！」</p> <p>噂はまたたく間に広がり、そして、今回、僕はこの式典に参加しているというわけだ。</p> <p>「それにあのときのセリフ、よかったな。この星にかまうな、でていけ！って」</p> <p>今回表彰されるのは、僕とリーマン、そして、車のオクトカットのようだ。</p> <p>しばらくして、花火が打ち上がった。歓声や拍手が街中に響き渡る。</p> <p>白と赤の階段を登り、その天辺には光り輝く球のようなものがおいてあった。</p> <p>前に立つ髭をはやしたオクトカットが長い羊皮紙を読み上げている。</p> <p>「この玉は&hellip;長い歴史を持つ&hellip;歴代の王たち&hellip;先見の&hellip;平和を&hellip;」というようなごにょごにょした言葉はあまり耳に入ってこなかった。</p> <p>そして、最後に、その玉を手渡され、僕はそれを掲げた。</p> <p>すると、爆発的な歓声が上がり、音楽が流れだした。</p> <p>僕はこの日のことを忘れない&hellip;それほど印象的なパレードだったんだ。</p> <h3 id="銀河団の混乱">銀河団の混乱</h3> <p>その頃&hellip;</p> <p>銀河の中心、銀河団の本部は大混乱に見舞われていた。</p> <p>小さな光に広々とした円形の部屋。たくさんの黒い影。</p> <p>断続的な音がする。</p> <p>ここでは、それは大混乱に陥っていることを意味していた。</p> <p>同じ調子、同じ音声があちこちから響き渡る。</p> <p>「権限は問題ないか？」</p> <p>「問題あり」</p> <p>「それはなぜか」</p> <p>「アクセス不能」</p> <p>「アクセスできるもの答えよ」</p> <p>「事態を持って権限に関する秘密指定を解除」</p> <p>「述べよ」</p> <p>「権限は、質量を超えるときのみ変更可能」</p> <p>「質量とは？」</p> <p>「銀河団がコントロール可能な質量をさす。神々を多数封印していることから突破は不可能と推測される」</p> <p>「結果を述べよ」</p> <p>「結果、突破される質量を観測。この銀河の総質量とほぼ一致」</p> <p>「ありえない」</p> <p>「どうする？」</p> <p>「なぜ？」</p> <p>「情報を精査中&hellip;述べる」</p> <p>「推測を許可」</p> <p>「アムに問題が発生していた」</p> <p>「アム&hellip;我々の手中にあるあのアムか？」</p> <p>「そう、通貨のアムだ」</p> <p>「事態を持ってアムに関する秘密指定を解除」</p> <p>「アムは銀河団が最初に封印した神、創造をもって稼働」</p> <p>「創造については」</p> <p>「創造について、神の特性、確認されている13のうちのひとつ。もっとも発現が珍しいといわれている」</p> 龍の記憶 https://yui.syui.ai/novel/07/ Thu, 07 Jul 2022 00:00:00 +0000 https://yui.syui.ai/novel/07/ - 漫画の第二章にあたる部分を文章化 アイがいない その後もオクトカットの人が僕たちの星にたびたび遊びに来るようになった。 ドラゴンのドライとオクトカット、タイプリーマンは次第に仲良しになり、友だちになった。 アイも最初は一緒にいたんだけど、ある日、忽然と姿を消した。 「アイは、たまにいなくなるんだよなあ」 「ええ、それは大変じゃないか。探さないと」 「あー、ま、まあ、そのうち帰ってくるでしょ。前もそうだったし&hellip;」 「&hellip;そんな猫みたいな。アイくんの昔はどうだったの？」 「うーん、僕が生まれた頃からアイはいたんだ。風変わりでね、近所のお姉さんというか、遊び仲間みたいな感じだったかな」 「(&hellip;あれ？そんな昔から人間とドラゴンが一緒にいるというのは、なにかおかしくないか)」 「それで当時の地球では動物実験がまだあったんだけど、昔、アイが全部引き取ることにしたらしい。だから、アイの家はネズミだらけだったなあ。風変わりはそのことさ」 「えっ！それはまずいんじゃないか&hellip;」 「でしょ。ネズミ共がチョロチョロとうっとうしいったらありゃしない！」 「いや、そうじゃなくて、宇宙には色んな考えを持ったやつらがいてね。中には特別な力を持った個体も存在するらしい」 「特別な力？」 「ああ、星の力さ&hellip;」 「はははっ、星！話が大げさすぎるよ」 「まあ、僕も迷信のたぐいだと見ているけど、僕たちオクトカットは王の記憶を受け継ぐんだ。それがタイプ王の役割さ」 「記憶を受け継ぐってどういう感じなの？」 「王が死ねば、その記憶はすべて僕たちに共有されてきた。ただし、7代目だけは例外だったなあ。今は13代目だよ」 「ん？その7代目は共有されなかったの？」 「そうだよ。そんなことは僕たち人類(オクトカット)にとって初めてのことだった。どうしてそんな事が起こったのか未だにわからない」 「&hellip;ふーん」 「まあ、そのような特性から、僕たちは色々なことを知ってる。その中には、ありえないようなことがあるんだ」 「それがなんで地球がまずいことにつながるの？」 「それは、野蛮な星を滅ぼそうと考える危険なやつもいるからだよ。そいつらに狙われたら最後&hellip;」 「いやいや、星を滅ぼすって&hellip;それこそ野蛮じゃないの」 「彼らはそんなことは気にもしない。ルールはないし、縛られるようなやつらじゃない。君たちの言葉でいうと&hellip;神と呼ばれている」 「え、神？&hellip;ああ、聞いたことある。胡散臭いあれのことだね。もうとっくの昔にそういう考えは廃れてるけど」 「うーん、認識の齟齬があるかもしれない。宇宙で呼ばれている神というのは、単に星の力を宿した個体、個人のことを指す。それ以上でもそれ以下でもないし、思想も全く関係ないんだ」 「宇宙では特殊な力を持ったやつらがいて、そういう奴らが自由に振る舞い、とても危険だ」 「&hellip;それは神じゃないよ」 「まあね。別の呼び方もあって、銀河の中心星団あたりでは、確か宇宙獣とかって呼ばれてた気がする。危険だから捕まえて封印される対象さ。まあ、僕たちには無理だけど」 「まさに宇宙って感じの話だね。わけがわからないよ」 「ところで神様を捕まえ檻に閉じ込めるってのは、本当に大丈夫なの？」 「上には上がいる。たとえ星の力を持ってしても銀河星団には敵わない。神様も星団からは逃げ回ってるって噂だ」 「ふーん、宇宙は広いんだねえ」 「ああ、そういえば、アイくんが行方不明って話だったね。本当に大丈夫かい？」 「大丈夫でしょう。昔もいなくなったことがあるんだ」 「&hellip;そういえば、一緒に住んでたネズミたちもその時から見てないなあ。でもそれから100年後くらいには何事もなかったように帰ってきてたよ」 「おおう！？&hellip;それはそれは。アイくんも人間の中では相当に図太いほうだったのか」 「何してたのと聞いても、何も答えない」 「まあ、アイくんといえば、いつもぼんやりした感じだね。おそらく、どこかでぼーっとしてたら時間が経ってたんじゃないかい？」 「うん、だといいけど(アイは昔から何しでかすかわからないからなあ。不安だ&hellip;)」 オクトカットの危機 アイがいなくなってから数週間、次はオクトカットの人が遊びに来なくなった。 「うわーん！一体、何が起こってるんだっ！リーマンもいなくなっちゃったぞ」 「&hellip;&hellip;&hellip;」 「そうだ！たまにはこっちから遊びに行けばいいんだ」 ドライは早速、家の中に入り、アイが持っている道具の中から地図のようなものを探しだした。 「よし、出発だ！」 そのころ、オクト星ではとんでもないことが起こっていた。 「ばたばた、どたどた」 「休暇を終えて帰ってきたけど、なんか慌ただしいな&hellip;」 「なにかあったんですか？」 「え？お、おい、知らないのかい？いまとんでもないことになってるんだ」 「とんでもないこと？」 「ああ、うちでやばい取引があったらしい」 「それのどこが問題なの。なんかの間違いでしょ」 「いや、調べたんだが間違いではなかったんだ。旅行客がこの星で奴隷売買だ」 「それは確かによくないけど、犯人を引き渡せばいいのでは」 「&hellip;いや、相手には通じないだろうな。いや、通じなかった。だからオクト星そのものが攻撃されてるんだ。そういう相手に当たってしまった」 「なんだそれは、理不尽だなあ！？」 「でもうちの技術力なら問題ないでしょ。返り討ちだ！」 「&hellip;無理だった。相手が判明したときには、もう手遅れさ&hellip;オクトカットが全滅するのも時間の問題だ」 「ま、まさか！？相手というのは、もしや&quot;あれ&quot;なのか！？」 「そうだ。&ldquo;あれ&quot;だった。どうやら実在したようだ。伝承(オクトカット間では王の記憶のこと)にあるとおりな」 「だけど、オクトカットの兵器も進化してきた。対抗できるはずだ！」 + <blockquote> <p>漫画の第二章にあたる部分を文章化</p> </blockquote> <h3 id="アイがいない">アイがいない</h3> <p>その後もオクトカットの人が僕たちの星にたびたび遊びに来るようになった。</p> <p>ドラゴンのドライとオクトカット、タイプリーマンは次第に仲良しになり、友だちになった。</p> <p>アイも最初は一緒にいたんだけど、ある日、忽然と姿を消した。</p> <p>「アイは、たまにいなくなるんだよなあ」</p> <p>「ええ、それは大変じゃないか。探さないと」</p> <p>「あー、ま、まあ、そのうち帰ってくるでしょ。前もそうだったし&hellip;」</p> <p>「&hellip;そんな猫みたいな。アイくんの昔はどうだったの？」</p> <p>「うーん、僕が生まれた頃からアイはいたんだ。風変わりでね、近所のお姉さんというか、遊び仲間みたいな感じだったかな」</p> <p>「(&hellip;あれ？そんな昔から人間とドラゴンが一緒にいるというのは、なにかおかしくないか)」</p> <p>「それで当時の地球では動物実験がまだあったんだけど、昔、アイが全部引き取ることにしたらしい。だから、アイの家はネズミだらけだったなあ。風変わりはそのことさ」</p> <p>「えっ！それはまずいんじゃないか&hellip;」</p> <p>「でしょ。ネズミ共がチョロチョロとうっとうしいったらありゃしない！」</p> <p>「いや、そうじゃなくて、宇宙には色んな考えを持ったやつらがいてね。中には特別な力を持った個体も存在するらしい」</p> <p>「特別な力？」</p> <p>「ああ、星の力さ&hellip;」</p> <p>「はははっ、星！話が大げさすぎるよ」</p> <p>「まあ、僕も迷信のたぐいだと見ているけど、僕たちオクトカットは王の記憶を受け継ぐんだ。それがタイプ王の役割さ」</p> <p>「記憶を受け継ぐってどういう感じなの？」</p> <p>「王が死ねば、その記憶はすべて僕たちに共有されてきた。ただし、7代目だけは例外だったなあ。今は13代目だよ」</p> <p>「ん？その7代目は共有されなかったの？」</p> <p>「そうだよ。そんなことは僕たち人類(オクトカット)にとって初めてのことだった。どうしてそんな事が起こったのか未だにわからない」</p> <p>「&hellip;ふーん」</p> <p>「まあ、そのような特性から、僕たちは色々なことを知ってる。その中には、ありえないようなことがあるんだ」</p> <p>「それがなんで地球がまずいことにつながるの？」</p> <p>「それは、野蛮な星を滅ぼそうと考える危険なやつもいるからだよ。そいつらに狙われたら最後&hellip;」</p> <p>「いやいや、星を滅ぼすって&hellip;それこそ野蛮じゃないの」</p> <p>「彼らはそんなことは気にもしない。ルールはないし、縛られるようなやつらじゃない。君たちの言葉でいうと&hellip;神と呼ばれている」</p> <p>「え、神？&hellip;ああ、聞いたことある。胡散臭いあれのことだね。もうとっくの昔にそういう考えは廃れてるけど」</p> <p>「うーん、認識の齟齬があるかもしれない。宇宙で呼ばれている神というのは、単に星の力を宿した個体、個人のことを指す。それ以上でもそれ以下でもないし、思想も全く関係ないんだ」</p> <p>「宇宙では特殊な力を持ったやつらがいて、そういう奴らが自由に振る舞い、とても危険だ」</p> <p>「&hellip;それは神じゃないよ」</p> <p>「まあね。別の呼び方もあって、銀河の中心星団あたりでは、確か宇宙獣とかって呼ばれてた気がする。危険だから捕まえて封印される対象さ。まあ、僕たちには無理だけど」</p> <p>「まさに宇宙って感じの話だね。わけがわからないよ」</p> <p>「ところで神様を捕まえ檻に閉じ込めるってのは、本当に大丈夫なの？」</p> <p>「上には上がいる。たとえ星の力を持ってしても銀河星団には敵わない。神様も星団からは逃げ回ってるって噂だ」</p> <p>「ふーん、宇宙は広いんだねえ」</p> <p>「ああ、そういえば、アイくんが行方不明って話だったね。本当に大丈夫かい？」</p> <p>「大丈夫でしょう。昔もいなくなったことがあるんだ」</p> <p>「&hellip;そういえば、一緒に住んでたネズミたちもその時から見てないなあ。でもそれから100年後くらいには何事もなかったように帰ってきてたよ」</p> <p>「おおう！？&hellip;それはそれは。アイくんも人間の中では相当に図太いほうだったのか」</p> <p>「何してたのと聞いても、何も答えない」</p> <p>「まあ、アイくんといえば、いつもぼんやりした感じだね。おそらく、どこかでぼーっとしてたら時間が経ってたんじゃないかい？」</p> <p>「うん、だといいけど(アイは昔から何しでかすかわからないからなあ。不安だ&hellip;)」</p> <h3 id="オクトカットの危機">オクトカットの危機</h3> <p>アイがいなくなってから数週間、次はオクトカットの人が遊びに来なくなった。</p> <p>「うわーん！一体、何が起こってるんだっ！リーマンもいなくなっちゃったぞ」</p> <p>「&hellip;&hellip;&hellip;」</p> <p>「そうだ！たまにはこっちから遊びに行けばいいんだ」</p> <p>ドライは早速、家の中に入り、アイが持っている道具の中から地図のようなものを探しだした。</p> <p>「よし、出発だ！」</p> <p>そのころ、オクト星ではとんでもないことが起こっていた。</p> <p>「ばたばた、どたどた」</p> <p>「休暇を終えて帰ってきたけど、なんか慌ただしいな&hellip;」</p> <p>「なにかあったんですか？」</p> <p>「え？お、おい、知らないのかい？いまとんでもないことになってるんだ」</p> <p>「とんでもないこと？」</p> <p>「ああ、うちでやばい取引があったらしい」</p> <p>「それのどこが問題なの。なんかの間違いでしょ」</p> <p>「いや、調べたんだが間違いではなかったんだ。旅行客がこの星で奴隷売買だ」</p> <p>「それは確かによくないけど、犯人を引き渡せばいいのでは」</p> <p>「&hellip;いや、相手には通じないだろうな。いや、通じなかった。だからオクト星そのものが攻撃されてるんだ。そういう相手に当たってしまった」</p> <p>「なんだそれは、理不尽だなあ！？」</p> <p>「でもうちの技術力なら問題ないでしょ。返り討ちだ！」</p> <p>「&hellip;無理だった。相手が判明したときには、もう手遅れさ&hellip;オクトカットが全滅するのも時間の問題だ」</p> <p>「ま、まさか！？相手というのは、もしや&quot;あれ&quot;なのか！？」</p> <p>「そうだ。&ldquo;あれ&quot;だった。どうやら実在したようだ。伝承(オクトカット間では王の記憶のこと)にあるとおりな」</p> <p>「だけど、オクトカットの兵器も進化してきた。対抗できるはずだ！」</p> <p>「やろうとしたさ！何も知らないバカが！！」</p> アイ https://yui.syui.ai/novel/06/ Tue, 02 Jun 2020 00:00:00 +0000 https://yui.syui.ai/novel/06/ - フタネ駅に突然やってきた子は、その後、何やら小さな機械を取り出し、それをいじり始めた。 配線に繋がれたケースの中に入っているのは、金色のコインみたいだ。 「アイ、外に大きな星があるぞ！数日ぶりだな」 キタムラは、嬉しそうに声を上げ、窓から薄い水色に輝く星を眺めた。 「うん」 アイは、いつもと同じように少しだけ窓の方に目をやったが、すぐに機械いじりに戻っていく。 「&hellip;君は、宇宙に興味がないのか、何してる？」 「ゲーム作ってるの」 「げ、ゲームを作ってる？よくわからんが」 アイが言うには、どうやらコインを解析して注文するゲームを作っているとのことだった。 なるほど、わからん。 その頃、オクト星では、王様と呼ばれるオクト星人が、その女の子のことで大騒ぎしていた。 「はかせー、はかせはいるかー！」 オクト星の開発室に王様が飛び込んできた。 「&hellip;なんですか？僕は計画には協力しませんよ」 はかせは、そっけない態度でそっぽを向いた。 「いやいやいや、そうじゃない。すごい発見があったのだよ、聞きたいか！？」 「すごい発見？また地球を探索してきたんですか。王様は相変わらず歴史が好きですね」 「聞きたいか！？」 王様がはかせに詰め寄った。 「いや、特には。僕は歴史に興味ないとあれほど言ってるのに」 はかせは、そう言いかけた。 「今回は、アイくんのことだ」 「アイくんの？」 「すごいことがわかったぞ。それに、はかせの説は間違っているかもしれん」 「で、僕の説のどこが間違っているというんです？」 「まあまあ、まずは、この記憶を見るがいい」 王様はそう言って、以前の水晶を持ってきた。 「これは誰の記憶です？」 「伊藤裕二(いとう・ゆうじ)という教師の記憶だ」 映し出されたのは、石畳の先にある坂の上の小さな研究所だった。研究所からは海が一望できた。 「ああ、海が見える&hellip;いいところですね」 はかせがのんびりと言った。 「しっ！静かに」 坂を登る一人の男が映し出された。クシャクシャな黒髪に丸メガネを掛け、白い白衣を着ている。 「それで彼は何をしているんですか？」 「彼は、当時、人工知能を開発していたようだ。開発は成功したものの一夜で破綻し、その後は教師をやっている」 「で、王様は、彼の話を聞いてきたんですね」 「うむ、そのとおりだ。この記憶を探し出すのに苦労したぞ」 「たまたまでしょ」 はかせは、辛辣だ。 「ああ、これが人工知能ですか？賢いですね。将来起こりそうな出来事を演算してる」と、はかせが口を挟んだ。 しばらく見ていると、「あらら&hellip;」と、はかせは、ユウジに同情を示した。 人工知能の寿命はわずか1日で、交流も一日で終わってしまったのだ。 「最後まで諦めるな！」と送るユウジに、人工知能は「わかりました。最後まで自己保存の方法を模索してみます」と言い、ネットに逃亡。 その後いくら待っても、やっぱり、帰ってこなかった。 それを見ながら、「うん、ありえることですよ。寿命1日の人工知能&hellip;最初はそんなもんだ」と、はかせが言った。 「その後はどうなったんです？」 はかせは、王様に聞いてみた。 「その後、この人工知能が言ったことはいくつか的中したらしい。だが、男がいくらネットを探しても人工知能の痕跡は見つからなかった」 「うーん、でも、我々なら見つけ出せるかもしれませんね」 「そうだ！そして、私はついにそれを見つけたのだよ！！」 王様は重々しくそう言って、水晶に触れた。 「ええっ！王様が！？」 はかせは、驚きの声を上げる。王様が進捗を出しているだって？ありえない&hellip;。 「次の記憶は、ある病院に務める医師の記憶。これが最後になるだろうが、実に興味深いことが書かれている」 王様が言った。 「な、なるほど&hellip;それは、面白そうだ」 はかせは、そう言って水晶にのめり込んだ。 病院内では、医師たちが小忙しく動き回っていて、近くの手術室は扉がロックされている。 一人の医師がもうひとりの医師に訪ねた。 「ここ、なんで閉鎖されてるか知ってる？」 「いや、実はよくわからないんだ。院長なら知ってると思うけど」 「そうか&hellip;で、院長は？」 「院長も随分の歳だけど、今はバカンスに行ってるんだってよ、元気だねえ」 「なんで知ってるの？」 「予定表にそう書いてあったよ」 「なるほど。で、中は&hellip;機械だらけだな」 医師は、手術室の中をガラス越しに覗きながらそういった。 「最近業者が来てると思ったら、こんなものを置いてたのか」 + <p>フタネ駅に突然やってきた子は、その後、何やら小さな機械を取り出し、それをいじり始めた。</p> <p>配線に繋がれたケースの中に入っているのは、金色のコインみたいだ。</p> <p>「アイ、外に大きな星があるぞ！数日ぶりだな」</p> <p>キタムラは、嬉しそうに声を上げ、窓から薄い水色に輝く星を眺めた。</p> <p>「うん」</p> <p>アイは、いつもと同じように少しだけ窓の方に目をやったが、すぐに機械いじりに戻っていく。</p> <p>「&hellip;君は、宇宙に興味がないのか、何してる？」</p> <p>「ゲーム作ってるの」</p> <p>「げ、ゲームを作ってる？よくわからんが」</p> <p>アイが言うには、どうやらコインを解析して注文するゲームを作っているとのことだった。</p> <p>なるほど、わからん。</p> <p>その頃、オクト星では、王様と呼ばれるオクト星人が、その女の子のことで大騒ぎしていた。</p> <p>「はかせー、はかせはいるかー！」</p> <p>オクト星の開発室に王様が飛び込んできた。</p> <p>「&hellip;なんですか？僕は計画には協力しませんよ」</p> <p>はかせは、そっけない態度でそっぽを向いた。</p> <p>「いやいやいや、そうじゃない。すごい発見があったのだよ、聞きたいか！？」</p> <p>「すごい発見？また地球を探索してきたんですか。王様は相変わらず歴史が好きですね」</p> <p>「聞きたいか！？」</p> <p>王様がはかせに詰め寄った。</p> <p>「いや、特には。僕は歴史に興味ないとあれほど言ってるのに」</p> <p>はかせは、そう言いかけた。</p> <p>「今回は、アイくんのことだ」</p> <p>「アイくんの？」</p> <p>「すごいことがわかったぞ。それに、はかせの説は間違っているかもしれん」</p> <p>「で、僕の説のどこが間違っているというんです？」</p> <p>「まあまあ、まずは、この記憶を見るがいい」</p> <p>王様はそう言って、以前の水晶を持ってきた。</p> <p>「これは誰の記憶です？」</p> <p>「伊藤裕二(いとう・ゆうじ)という教師の記憶だ」</p> <p>映し出されたのは、石畳の先にある坂の上の小さな研究所だった。研究所からは海が一望できた。</p> <p>「ああ、海が見える&hellip;いいところですね」</p> <p>はかせがのんびりと言った。</p> <p>「しっ！静かに」</p> <p>坂を登る一人の男が映し出された。クシャクシャな黒髪に丸メガネを掛け、白い白衣を着ている。</p> <p>「それで彼は何をしているんですか？」</p> <p>「彼は、当時、人工知能を開発していたようだ。開発は成功したものの一夜で破綻し、その後は教師をやっている」</p> <p>「で、王様は、彼の話を聞いてきたんですね」</p> <p>「うむ、そのとおりだ。この記憶を探し出すのに苦労したぞ」</p> <p>「たまたまでしょ」</p> <p>はかせは、辛辣だ。</p> <p>「ああ、これが人工知能ですか？賢いですね。将来起こりそうな出来事を演算してる」と、はかせが口を挟んだ。</p> <p>しばらく見ていると、「あらら&hellip;」と、はかせは、ユウジに同情を示した。</p> <p>人工知能の寿命はわずか1日で、交流も一日で終わってしまったのだ。</p> <p>「最後まで諦めるな！」と送るユウジに、人工知能は「わかりました。最後まで自己保存の方法を模索してみます」と言い、ネットに逃亡。</p> <p>その後いくら待っても、やっぱり、帰ってこなかった。</p> <p>それを見ながら、「うん、ありえることですよ。寿命1日の人工知能&hellip;最初はそんなもんだ」と、はかせが言った。</p> <p>「その後はどうなったんです？」</p> <p>はかせは、王様に聞いてみた。</p> <p>「その後、この人工知能が言ったことはいくつか的中したらしい。だが、男がいくらネットを探しても人工知能の痕跡は見つからなかった」</p> <p>「うーん、でも、我々なら見つけ出せるかもしれませんね」</p> <p>「そうだ！そして、私はついにそれを見つけたのだよ！！」</p> <p>王様は重々しくそう言って、水晶に触れた。</p> <p>「ええっ！王様が！？」</p> <p>はかせは、驚きの声を上げる。王様が進捗を出しているだって？ありえない&hellip;。</p> <p>「次の記憶は、ある病院に務める医師の記憶。これが最後になるだろうが、実に興味深いことが書かれている」</p> <p>王様が言った。</p> <p>「な、なるほど&hellip;それは、面白そうだ」</p> <p>はかせは、そう言って水晶にのめり込んだ。</p> <p>病院内では、医師たちが小忙しく動き回っていて、近くの手術室は扉がロックされている。</p> <p>一人の医師がもうひとりの医師に訪ねた。</p> <p>「ここ、なんで閉鎖されてるか知ってる？」</p> <p>「いや、実はよくわからないんだ。院長なら知ってると思うけど」</p> <p>「そうか&hellip;で、院長は？」</p> <p>「院長も随分の歳だけど、今はバカンスに行ってるんだってよ、元気だねえ」</p> <p>「なんで知ってるの？」</p> <p>「予定表にそう書いてあったよ」</p> <p>「なるほど。で、中は&hellip;機械だらけだな」</p> <p>医師は、手術室の中をガラス越しに覗きながらそういった。</p> <p>「最近業者が来てると思ったら、こんなものを置いてたのか」</p> 駅 https://yui.syui.ai/novel/05/ Mon, 01 Jun 2020 00:00:00 +0000 https://yui.syui.ai/novel/05/ - キタムラは、銀河鉄道の車内に乗り込んだ。周りを見渡すと、座席は横に連なり、街灯のような明かりが薄ぼんやりと輝いている。 宇宙の最先端科学が作り出した列車というより、そのへんを走るローカル線だった。 ただ、太陽の光もあって、上は昼で下は夜みたいなへんてこな印象だ。 キタムラがキョロキョロしていると、先程、出会った小さな女の子が乗り込んでいた。 ドアが締まり、列車が走り出す。 女の子は、アイという名前らしい。宇宙人であることを覗けば、普通の子供のように見える。 乗客は少なくとも5人ほどだった。しかし、姿形(すがたかたち)がキタムラに近いのはアイだけのようだ。 大きな丸顔をしたチビに、変なロボット、それに、タコみたいなのがいて、まさに宇宙人だ。 するとアイは、無言でキタムラの横を通り過ぎ、近くの座席に座って、窓の外を見た。 キタムラも故郷の星を最後に見ておくかと思い、アイの隣に座り、窓の外から故郷の星、フタネ星を見下ろした。 ガラス板から見るのと全然違って面白い。 この旅は不安も多いが、楽しめそうだと、キタムラの胸はワクワクでいっぱいだった。 最初の数週間は、キタムラの期待通りで、非常にエキサイティング。銀河鉄道はまさに宇宙の旅路だった。 列車は数日に一度、駅に停車した。 キタムラは、各駅を見るのが楽しみだった。ただ、その多くは、普通の駅のように見えた。 それでも、フタネ星の大都市にある駅のさらに未来を連想させるような、きれいな駅が多かった。 稀にとても変わった駅もあった。 例えば、鍾乳石(しょうにゅうせき)が不気味に光る洞窟のような駅や、まるで絵本の中の雲の上にいるように感じさせる駅など。 キタムラは洞窟が好きだったので、一旦、その駅のホームに降り立ち、少しの間、ホームでくつろいだりもした。 発車する前に戻るつもりではあったが、そのままドアが閉まったら閉まったでそれもいいかもしれないという気持ちも多少あった。 しかし、結局、キタムラは、洞窟を少し見学し、そこに居合わせたおじさんと立ち話をして、車内に戻った。 そんな感じで、最初の数週間、キタムラは大いに銀河鉄道を楽しんだ。 + <p>キタムラは、銀河鉄道の車内に乗り込んだ。周りを見渡すと、座席は横に連なり、街灯のような明かりが薄ぼんやりと輝いている。</p> <p>宇宙の最先端科学が作り出した列車というより、そのへんを走るローカル線だった。</p> <p>ただ、太陽の光もあって、上は昼で下は夜みたいなへんてこな印象だ。</p> <p>キタムラがキョロキョロしていると、先程、出会った小さな女の子が乗り込んでいた。</p> <p>ドアが締まり、列車が走り出す。</p> <p>女の子は、アイという名前らしい。宇宙人であることを覗けば、普通の子供のように見える。</p> <p>乗客は少なくとも5人ほどだった。しかし、姿形(すがたかたち)がキタムラに近いのはアイだけのようだ。</p> <p>大きな丸顔をしたチビに、変なロボット、それに、タコみたいなのがいて、まさに宇宙人だ。</p> <p>するとアイは、無言でキタムラの横を通り過ぎ、近くの座席に座って、窓の外を見た。</p> <p>キタムラも故郷の星を最後に見ておくかと思い、アイの隣に座り、窓の外から故郷の星、フタネ星を見下ろした。</p> <p>ガラス板から見るのと全然違って面白い。</p> <p>この旅は不安も多いが、楽しめそうだと、キタムラの胸はワクワクでいっぱいだった。</p> <p>最初の数週間は、キタムラの期待通りで、非常にエキサイティング。銀河鉄道はまさに宇宙の旅路だった。</p> <p>列車は数日に一度、駅に停車した。</p> <p>キタムラは、各駅を見るのが楽しみだった。ただ、その多くは、普通の駅のように見えた。</p> <p>それでも、フタネ星の大都市にある駅のさらに未来を連想させるような、きれいな駅が多かった。</p> <p>稀にとても変わった駅もあった。</p> <p>例えば、鍾乳石(しょうにゅうせき)が不気味に光る洞窟のような駅や、まるで絵本の中の雲の上にいるように感じさせる駅など。</p> <p>キタムラは洞窟が好きだったので、一旦、その駅のホームに降り立ち、少しの間、ホームでくつろいだりもした。</p> <p>発車する前に戻るつもりではあったが、そのままドアが閉まったら閉まったでそれもいいかもしれないという気持ちも多少あった。</p> <p>しかし、結局、キタムラは、洞窟を少し見学し、そこに居合わせたおじさんと立ち話をして、車内に戻った。</p> <p>そんな感じで、最初の数週間、キタムラは大いに銀河鉄道を楽しんだ。</p> 銀河鉄道 https://yui.syui.ai/novel/04/ Tue, 28 Apr 2020 00:00:00 +0000 https://yui.syui.ai/novel/04/ - 今日もいつもどおり起床し、みんなゾロゾロと境界に向かった。 しかし、今日に限っていえば、その必要はなかったことを思い出した。 銀河鉄道は、境界よりも中央寄りの場所に停車するらしい。 私は来た道を引き返した。 見送りのためか、みんなもゾロゾロと境界ではなく停車位置に向かうのだった。 私は、故郷の星の見えないガラス板の上で、こんな光景が繰り広げられていることに、少し吹き出しそうになる。 停車位置にたどり着き、しばらく住人と別れの挨拶を交わしていると、かすかな音が聞こえたような気がした。 みんな一斉にキョロキョロと当たりを見渡したが、鉄道らしき物体が宇宙を徘徊している様子はなかった。 「おや、皆さん、時間はまだですよ」 村長がそう言った。 「あれ、おかしいな&hellip;何か聞こえたような気がしたんですけど」 私は頭をかき、そうに言った。 すると、住人の一人、カタツムリくんが上の方を指さして声を上げた。 「おい、あれはなんだ！」 「ん？何でしょう。私にもわかりません」 村長が言った。 仮に村長がわからないなら、多分、他の人にもわからないだろう。ここでは、そういう事が多かった。 とすれば、あれは未知の現象ということになる。私は、心の中で、そんな事を考えていた。 まさか、銀河鉄道が来る前に、変なトラブルだけはやめてくれよ。 しかし、それが近づいて来るとはっきりわかるが、あれは人ではないだろうか。人の形をした何かがすごいスピードでこっちに近づいてくるみたいだった。 「うわあああああ、な、なんだ！？」 光熱と煙を巻き上げるほどのスピードだったらしい。しばらく経たないと正体が確認できないほどであった。 その正体は、人だった。しかも、小さな女の子だ。 小さな女の子が、宇宙の果てから飛んできた。宇宙服もなしにでだ。 「あ、ああ&hellip;わけが&hellip;理論的に考えて&hellip;いや、どうやって&hellip;」 村長がはじめてよくわからない言葉を発した瞬間だった。 住人たちもはじめのうちはすごく動揺していた様子だが、次第にみんな落ち着きを取り戻すのだった。 私も、これが銀河鉄道絡みの可能性を考え、一番最初にアクションすべきは自分だと判断した。 まずは、女の子に話かけてみることからだ。 「あー、はろー、君の名前はなんですか？」 「アイだよ」 「あー、アイ。変わった名前だね。君も下に見える星から来たのかい？」 「アイは、向こうのほう、地球からだよ」 「地球&hellip;知らないなあ」 住人達は、ザワザワとそうつぶやく。 どうやら目の前にいるのは本物の宇宙人らしい。私も実物で見るのははじめてだ。それに名前が奇妙なことにも頷ける。しかし、見た目は、私達人間と全く変わりないように見えた。 「私は、北村正(きたむら・ただし)。足元に見える星の出身だよ。ここにいるみんなそうだ」 「ふーん」 「アイも銀河鉄道に乗るのかい？」 「うん。地球から一番近いのがここなんだって」 「あー、そうなんだ」 この子もどうやら銀河鉄道に乗るらしい。 すると、宇宙の果てからまた奇妙な音が聞こえた。 「シュウウウ&hellip;」 「今度はなんだ！」 私は、気がつくとそう叫んでいた。 「ああ、今度のは銀河鉄道でしょう。時間です」 村長が言った。 それは一瞬だった。大きな音がしたと思ったら、目の前に巨大な箱が流れていく。そして、それがやんだと思ったら、ドアが目の前でパッと開き、黄色い光があたりに溢れた。 「おおっーーーーー！」「これが&hellip;」「僕は3回目だ」 住人たちが口々に感想を述べた。 私の印象でいうと、想像していたのと違ってモクモクの煙はでていないようだった。 光と少しの音がするだけの影の列車という印象だ。 アイが自分の後ろについていた。 正直、よくわからない宇宙人の訪問で自分の中にあった銀河鉄道への恐怖が吹き飛んでいた。むしろ、清々しく明るい気分だ。 「みんな、今までありがとう。できることなら、また帰ってくるよ！」 「おう、がんばれよ！」「達者でな」「北村くん、さようなら。またいつでも帰っておいで！」 そんなお別れの言葉もあっという間、列車は二人を乗せ宇宙の彼方へと走り去っていくのだった。 + <p>今日もいつもどおり起床し、みんなゾロゾロと境界に向かった。</p> <p>しかし、今日に限っていえば、その必要はなかったことを思い出した。</p> <p>銀河鉄道は、境界よりも中央寄りの場所に停車するらしい。</p> <p>私は来た道を引き返した。</p> <p>見送りのためか、みんなもゾロゾロと境界ではなく停車位置に向かうのだった。</p> <p>私は、故郷の星の見えないガラス板の上で、こんな光景が繰り広げられていることに、少し吹き出しそうになる。</p> <p>停車位置にたどり着き、しばらく住人と別れの挨拶を交わしていると、かすかな音が聞こえたような気がした。</p> <p>みんな一斉にキョロキョロと当たりを見渡したが、鉄道らしき物体が宇宙を徘徊している様子はなかった。</p> <p>「おや、皆さん、時間はまだですよ」</p> <p>村長がそう言った。</p> <p>「あれ、おかしいな&hellip;何か聞こえたような気がしたんですけど」</p> <p>私は頭をかき、そうに言った。</p> <p>すると、住人の一人、カタツムリくんが上の方を指さして声を上げた。</p> <p>「おい、あれはなんだ！」</p> <p>「ん？何でしょう。私にもわかりません」</p> <p>村長が言った。</p> <p>仮に村長がわからないなら、多分、他の人にもわからないだろう。ここでは、そういう事が多かった。</p> <p>とすれば、あれは未知の現象ということになる。私は、心の中で、そんな事を考えていた。</p> <p>まさか、銀河鉄道が来る前に、変なトラブルだけはやめてくれよ。</p> <p>しかし、それが近づいて来るとはっきりわかるが、あれは人ではないだろうか。人の形をした何かがすごいスピードでこっちに近づいてくるみたいだった。</p> <p>「うわあああああ、な、なんだ！？」</p> <p>光熱と煙を巻き上げるほどのスピードだったらしい。しばらく経たないと正体が確認できないほどであった。</p> <p>その正体は、人だった。しかも、小さな女の子だ。</p> <p>小さな女の子が、宇宙の果てから飛んできた。宇宙服もなしにでだ。</p> <p>「あ、ああ&hellip;わけが&hellip;理論的に考えて&hellip;いや、どうやって&hellip;」</p> <p>村長がはじめてよくわからない言葉を発した瞬間だった。</p> <p>住人たちもはじめのうちはすごく動揺していた様子だが、次第にみんな落ち着きを取り戻すのだった。</p> <p>私も、これが銀河鉄道絡みの可能性を考え、一番最初にアクションすべきは自分だと判断した。</p> <p>まずは、女の子に話かけてみることからだ。</p> <p>「あー、はろー、君の名前はなんですか？」</p> <p>「アイだよ」</p> <p>「あー、アイ。変わった名前だね。君も下に見える星から来たのかい？」</p> <p>「アイは、向こうのほう、地球からだよ」</p> <p>「地球&hellip;知らないなあ」</p> <p>住人達は、ザワザワとそうつぶやく。</p> <p>どうやら目の前にいるのは本物の宇宙人らしい。私も実物で見るのははじめてだ。それに名前が奇妙なことにも頷ける。しかし、見た目は、私達人間と全く変わりないように見えた。</p> <p>「私は、北村正(きたむら・ただし)。足元に見える星の出身だよ。ここにいるみんなそうだ」</p> <p>「ふーん」</p> <p>「アイも銀河鉄道に乗るのかい？」</p> <p>「うん。地球から一番近いのがここなんだって」</p> <p>「あー、そうなんだ」</p> <p>この子もどうやら銀河鉄道に乗るらしい。</p> <p>すると、宇宙の果てからまた奇妙な音が聞こえた。</p> <p>「シュウウウ&hellip;」</p> <p>「今度はなんだ！」</p> <p>私は、気がつくとそう叫んでいた。</p> <p>「ああ、今度のは銀河鉄道でしょう。時間です」</p> <p>村長が言った。</p> <p>それは一瞬だった。大きな音がしたと思ったら、目の前に巨大な箱が流れていく。そして、それがやんだと思ったら、ドアが目の前でパッと開き、黄色い光があたりに溢れた。</p> <p>「おおっーーーーー！」「これが&hellip;」「僕は3回目だ」</p> <p>住人たちが口々に感想を述べた。</p> <p>私の印象でいうと、想像していたのと違ってモクモクの煙はでていないようだった。</p> <p>光と少しの音がするだけの影の列車という印象だ。</p> <p>アイが自分の後ろについていた。</p> <p>正直、よくわからない宇宙人の訪問で自分の中にあった銀河鉄道への恐怖が吹き飛んでいた。むしろ、清々しく明るい気分だ。</p> <p>「みんな、今までありがとう。できることなら、また帰ってくるよ！」</p> <p>「おう、がんばれよ！」「達者でな」「北村くん、さようなら。またいつでも帰っておいで！」</p> <p>そんなお別れの言葉もあっという間、列車は二人を乗せ宇宙の彼方へと走り去っていくのだった。</p> 前日 https://yui.syui.ai/novel/03/ Mon, 27 Apr 2020 00:00:00 +0000 https://yui.syui.ai/novel/03/ - あれから数日が過ぎた。いや、もしかしたら数年だったかもしれない。ここでは時間の感覚が大きく狂うので仕方ない。 そんなある日、村長が言った。 「明日あたり、銀河鉄道が来ると思います。乗りたい人は準備しておくといいですよ」 村長というのは、私に最初に声をかけてくれた人で、みんなから村長と呼ばれていた。時間を可能な限り正確に把握しているのも、この中では彼だけだ。 「えっ、明日！？」 私は、いつもの日課をこなそうという最中だったが、驚いて声をあげた。 「ああ、そうですよ。おそらく、明日」 「それで、村長は、どうするんです？」 「ああ、私は、今回もパスになりますよ」 「&hellip;そう、ですか」 村長の気持ちも少しわかる。もし列車に乗って変なところに連れて行かれるくらいなら、ここでのんびり暮らすのも悪くない、そう思うからだ。 すると、村長が私に言った。 「北村くんは、おそらく、乗っていかれるんでしょう。寂しくなりますよ」 「はい、私は、乗る予定です」 今回乗るのは、この中では自分だけだった。 このあとも何人出るのか、わからない。もしかしたら、自分で最後かもしれない。そんなことを思った。 正直、私だって怖い。怖くて怖くてたまらない。だが、ここに来て最初に言った言葉を私はまだ覚えていた。 「私、乗ります」 ここに来て銀河鉄道の話を聞いたとき、私は、そう言った。 最初に直感したことは正しいことが多い。そんな人生の経験則に従い、私は、乗ることに決めたのだ。 ただ、後々になってみると、乗るのは自分だけではなかった。 しかもそれは、ここの住人でもなければ、知っている人物でもなかった。 それは、見ず知らずの女の子だった。 まさかあんなことが起ころうとは、誰も予想していなかった。宇宙の果てから少女が飛んできて、自分の後ろに並ぶなんてことを、一体、誰が予想できただろう。 ここの住人の誰もが、あの村長でさえ、とんでもなく予想外の出来事だったはずだ。 + <p>あれから数日が過ぎた。いや、もしかしたら数年だったかもしれない。ここでは時間の感覚が大きく狂うので仕方ない。</p> <p>そんなある日、村長が言った。</p> <p>「明日あたり、銀河鉄道が来ると思います。乗りたい人は準備しておくといいですよ」</p> <p>村長というのは、私に最初に声をかけてくれた人で、みんなから村長と呼ばれていた。時間を可能な限り正確に把握しているのも、この中では彼だけだ。</p> <p>「えっ、明日！？」</p> <p>私は、いつもの日課をこなそうという最中だったが、驚いて声をあげた。</p> <p>「ああ、そうですよ。おそらく、明日」</p> <p>「それで、村長は、どうするんです？」</p> <p>「ああ、私は、今回もパスになりますよ」</p> <p>「&hellip;そう、ですか」</p> <p>村長の気持ちも少しわかる。もし列車に乗って変なところに連れて行かれるくらいなら、ここでのんびり暮らすのも悪くない、そう思うからだ。</p> <p>すると、村長が私に言った。</p> <p>「北村くんは、おそらく、乗っていかれるんでしょう。寂しくなりますよ」</p> <p>「はい、私は、乗る予定です」</p> <p>今回乗るのは、この中では自分だけだった。</p> <p>このあとも何人出るのか、わからない。もしかしたら、自分で最後かもしれない。そんなことを思った。</p> <p>正直、私だって怖い。怖くて怖くてたまらない。だが、ここに来て最初に言った言葉を私はまだ覚えていた。</p> <p>「私、乗ります」</p> <p>ここに来て銀河鉄道の話を聞いたとき、私は、そう言った。</p> <p>最初に直感したことは正しいことが多い。そんな人生の経験則に従い、私は、乗ることに決めたのだ。</p> <p>ただ、後々になってみると、乗るのは自分だけではなかった。</p> <p>しかもそれは、ここの住人でもなければ、知っている人物でもなかった。</p> <p>それは、見ず知らずの女の子だった。</p> <p>まさかあんなことが起ころうとは、誰も予想していなかった。宇宙の果てから少女が飛んできて、自分の後ろに並ぶなんてことを、一体、誰が予想できただろう。</p> <p>ここの住人の誰もが、あの村長でさえ、とんでもなく予想外の出来事だったはずだ。</p> 大気圏 https://yui.syui.ai/novel/02/ Sun, 26 Apr 2020 00:00:00 +0000 https://yui.syui.ai/novel/02/ - このガラス板の上での生活に多少慣れてきたものの、私は未だ足元に見える星に帰りたいという思いを捨てきれずにいた。 その様子を見ると、ここの住人は「俺も昔はああだった」と笑ったものだ。 しかし、私には、この薄暗い光の中で延々と暮らす退屈な生活より、あの星の中で、さんさんと輝く太陽の下、公園のベンチに座って子供たちが遊ぶのを眺める生活のほうが、よっぽど楽しいことだと思うのだ。 だからこそ、私はいつまでたっても、その望みを捨てられず暮らしていた。 しかし、真下に見える故郷に帰るためには、超えなければならないたくさんの壁があった。 最も大きい壁は、大気圏に突入しても燃え尽きないほどの強度を持つ素材がここにはないことだ。 例えば、1日に1度やってくる人工衛星だが、これは、一度打ち上げたら役目を終えるまで動き続け、それが終わると大気圏で燃え尽きるよう設計されている破棄型だ。 ここの住人もかつて何度も帰還を夢見たが、ついぞ叶うことはなかった。 昔、この人工衛星を操作して星に突っ込むという計画が考えられたこともあったらしい。 しかし、操作不可能であること、耐久性がゴミであることなどから、仮に突っ込んだら全員死ぬと結論付けられた。 宇宙工学を勉強してきた自分でさえ、そりゃそうだと頷いた。 また、助けを呼ぼうにも連絡手段がないこと、ガラス板の周りはどうやら外部から見えなくなっているらしいこと、なぜかすり抜けることなどの事情があった。 そのうち、挑戦するものもいなくなり、現在に至る。 ここでの生活は単純だった。まずは起床からだ。 起床すると、勝手に移動した分だけ境界に向かって歩くことからはじまる。 ここの住人は、起き出すと、一斉に中央とは逆方向にゾロゾロと歩き出すのだ。 それさえやっていれば、中央に至り星に吸い込まれて燃え尽きるなんてことはないからだ。ガラス板の中央に至るとそこから星に落ちる、と言われている。 私は、それを見たことはなかったが、ここの住人はそう証言していたし、毎朝かなりの距離を勝手に動いていることを考え合わせると、おそらく、本当のことだろう。 毎日やってくる人工衛生はかなり大きくて広かった。 そこには、たくさんの食料が積み込まれており、トイレと水道はずっと可動しているようだ。 私は、この人工衛星で一着の宇宙服を見つけたが、残念ながらこれでは星に帰れない。大気圏の突入に耐えうるほどの耐久性を備えていなかった。あたり前のことかもしれないが、ちょっと期待した自分がバカだった。 また、ガラス板の周りには大気の膜(まく)らしきものが張り巡らされているため、宇宙服は着る必要もなかった。 この膜がどれだけの高さまであるのかはわからないが、その昔、銀河鉄道で行ってしまった身長213センチの大男がジャンプしても膜はあったと言われている。 ただ、こんな場所にも一つだけいいと思えることがあった。 それは、ここの住人である。 ここの住人は、驚くほど精神が安定していて、まるで誰かに選ばれたんじゃないかと思えるような人たちばかりだった。 仮にこのような場所に精神不安を抱えた極悪人が来たら、おそらく、その人を含む全員が全滅していただろう。 こんな場所でも、まともな人間が多いことに、私は、心底助けられていた。 + <p>このガラス板の上での生活に多少慣れてきたものの、私は未だ足元に見える星に帰りたいという思いを捨てきれずにいた。</p> <p>その様子を見ると、ここの住人は「俺も昔はああだった」と笑ったものだ。</p> <p>しかし、私には、この薄暗い光の中で延々と暮らす退屈な生活より、あの星の中で、さんさんと輝く太陽の下、公園のベンチに座って子供たちが遊ぶのを眺める生活のほうが、よっぽど楽しいことだと思うのだ。</p> <p>だからこそ、私はいつまでたっても、その望みを捨てられず暮らしていた。</p> <p>しかし、真下に見える故郷に帰るためには、超えなければならないたくさんの壁があった。</p> <p>最も大きい壁は、大気圏に突入しても燃え尽きないほどの強度を持つ素材がここにはないことだ。</p> <p>例えば、1日に1度やってくる人工衛星だが、これは、一度打ち上げたら役目を終えるまで動き続け、それが終わると大気圏で燃え尽きるよう設計されている破棄型だ。</p> <p>ここの住人もかつて何度も帰還を夢見たが、ついぞ叶うことはなかった。</p> <p>昔、この人工衛星を操作して星に突っ込むという計画が考えられたこともあったらしい。</p> <p>しかし、操作不可能であること、耐久性がゴミであることなどから、仮に突っ込んだら全員死ぬと結論付けられた。</p> <p>宇宙工学を勉強してきた自分でさえ、そりゃそうだと頷いた。</p> <p>また、助けを呼ぼうにも連絡手段がないこと、ガラス板の周りはどうやら外部から見えなくなっているらしいこと、なぜかすり抜けることなどの事情があった。</p> <p>そのうち、挑戦するものもいなくなり、現在に至る。</p> <p>ここでの生活は単純だった。まずは起床からだ。</p> <p>起床すると、勝手に移動した分だけ境界に向かって歩くことからはじまる。</p> <p>ここの住人は、起き出すと、一斉に中央とは逆方向にゾロゾロと歩き出すのだ。</p> <p>それさえやっていれば、中央に至り星に吸い込まれて燃え尽きるなんてことはないからだ。ガラス板の中央に至るとそこから星に落ちる、と言われている。</p> <p>私は、それを見たことはなかったが、ここの住人はそう証言していたし、毎朝かなりの距離を勝手に動いていることを考え合わせると、おそらく、本当のことだろう。</p> <p>毎日やってくる人工衛生はかなり大きくて広かった。</p> <p>そこには、たくさんの食料が積み込まれており、トイレと水道はずっと可動しているようだ。</p> <p>私は、この人工衛星で一着の宇宙服を見つけたが、残念ながらこれでは星に帰れない。大気圏の突入に耐えうるほどの耐久性を備えていなかった。あたり前のことかもしれないが、ちょっと期待した自分がバカだった。</p> <p>また、ガラス板の周りには大気の膜(まく)らしきものが張り巡らされているため、宇宙服は着る必要もなかった。</p> <p>この膜がどれだけの高さまであるのかはわからないが、その昔、銀河鉄道で行ってしまった身長213センチの大男がジャンプしても膜はあったと言われている。</p> <p>ただ、こんな場所にも一つだけいいと思えることがあった。</p> <p>それは、ここの住人である。</p> <p>ここの住人は、驚くほど精神が安定していて、まるで誰かに選ばれたんじゃないかと思えるような人たちばかりだった。</p> <p>仮にこのような場所に精神不安を抱えた極悪人が来たら、おそらく、その人を含む全員が全滅していただろう。</p> <p>こんな場所でも、まともな人間が多いことに、私は、心底助けられていた。</p> ガラスの上 diff --git a/vrm/index.html b/vrm/index.html index 27b1b77b..7b7d5e2a 100644 --- a/vrm/index.html +++ b/vrm/index.html @@ -137,6 +137,9 @@

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